比較経済研究

東欧は新しいタイプの「三者協議型」資本主義になるのか?

コンフィギュレーション理論を手がかりにして考察する

田中宏

2006 年 43 巻 1 号 p. 1-9,95
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.1

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本研究は,EU加盟との関係で,東欧がどのようなタイプの資本主義に体制転換してきているのかを検討することである。最初に資本主義の多様性に関するサーベイを行い,コンフィギュレーション理論を紹介する。次に,移行の国際政治経済分析を行い,とくに,移行のなかで労働過程・労働市場のミクロ世界とマクロ世界を分析し,東欧が西欧型コーポラティズムとは異なる「三者協議型」資本主義であることを仮説的結論とする。

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ネップ期経済体制の特質とその解体過程

木村雅則

2006 年 43 巻 1 号 p. 11-24,95
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.11

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ネップ期経済はパターナリズム,共同体的原理,組織的動員主義,階層間協調主義,近代合理主義をエレメントとして組成され,制度的には経済機関と労組の協議制を基軸とし,指令制や本来の市場と並存・補完関係にあり,共同体的諸関係を基底に配置する多元的体制であった。ネップ期後半の閉鎖化,高圧力化と共に社会階層は分断化され,強引な統合化によって強権的領導主義と社会的合理主義をエレメントとする指令制中心の体制に転換した。

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ルカシェンコ政権下におけるベラルーシの市場経済化とその促進要因

吉野悦雄

2006 年 43 巻 1 号 p. 25-37,95
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/12/03

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.25

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ベラルーシは「抑圧の独裁国」と呼ばれ,国際社会からは孤立している。しかし,生活水準は堅実に上昇し,GDPは高い成長率を保っている。国営企業の民営化もその半分を達成した。しかしその民営化は極めて特殊な方法を採用しており,株式会社化した後も国家の支配が及ぶようになっている。またロシアから貿易を通した多額の資金移動があり,これが経済を支えている。しかし一方で西側からの外国直接投資は経済発展にとって不可欠な要因である。

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中国における私有企業の生成について

葉剛

2006 年 43 巻 1 号 p. 39-49,95
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.39

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本論文は「下請加工」,「問屋」,「家内工場」などに代表される私有企業の発達過程を考察し,移行経済期の中国における私的企業の生成の論理を検討したものである。この検討によって,私有企業が,インセンティブとリスクとの緊張関係のなかで成長してきたことが明らかにされた。また,私有企業の急速な成長にとって,外部の経営資源を生かした経営能力,組織能力の形成が重要な要因であることが検証された。

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ロシアの新労働法典と労働組合

佐藤和之

2006 年 43 巻 1 号 p. 51-59,96
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/12/03

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.51

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ロシアの新労働法典では,解雇規制が緩和され,有期雇用契約が可能な分野も拡大された。だが現在のところ,解雇や失業が増加しているわけではない。しかし,経済が景気後退局面に入った場合,旧国営企業などが抱え込む過剰労働力や非正規雇用労働者の失業が顕在化する可能性がある。労働組合は新労働法典の不当な適用や雇用流動化政策に反対しているが,雇用が不安定な労働者層に対する組織化は遅れている。

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北朝鮮経済の現状と改革の可能性

鄭恩伊

2006 年 43 巻 1 号 p. 61-70,96
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.61

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本稿は,先行研究とは異なる北朝鮮経済の現状認識に基づいて中国型経済改革モデルの適用可能性について考察し,改革方案を提示する。検討した新たな現状認識からみると,北朝鮮の改革は深刻な食糧不足の解消が最優先課題であり,食糧増産に直接結びつく中国型の農業からの改革が現実的に可能かつ必要な方策である。それと同時に,分権的体制のもとで地方が中心となって,同胞経済力を活用して軽工業振興と輸出拡大を図るべきである。

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田中宏著『EU加盟と移行の経済学』

吉井昌彦

2006 年 43 巻 1 号 p. 71-74
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.71

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石川晃弘編著『体制移行期チェコの雇用と労働』

松澤祐介

2006 年 43 巻 1 号 p. 74-78
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.74

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保坂哲郎著『ロシア地方自治予算論』

田畑伸一郎

2006 年 43 巻 1 号 p. 78-81
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.78

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高橋満著『中華新経済システムの形成』

浅川あや子

2006 年 43 巻 1 号 p. 81-84
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.81

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大津定美・吉井昌彦編著『ロシア・東欧経済論』西村可明編『ロシア・東欧経済:市場経済移行の到達点』

武田友加

2006 年 43 巻 1 号 p. 84-87
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.84

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横井陽一著『中国の石油戦略―石油石化集団の経営改革と石油安全保障』

峰毅

2006 年 43 巻 1 号 p. 88-94
発行日: 2006/02/28
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.88

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