比較経済研究
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46 巻, 1 号
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特集1:体制比較の多様なアプローチ
  • 林 忠行
    2009 年 46 巻 1 号 p. 1_1-1_15
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/01/21
    ジャーナル フリー
    本稿は,1992~2004年の時期におけるポーランド,チェコ,スロヴァキア,ハンガリーの 4 か国の政党システムの形成過程を時間に沿って比較し,そこに働く諸要因を明らかにすることを目的とする。その場合,政党システムの主軸をなす「基幹政党」の相対的位置関係の変化に注目する。この作業をとおし,初期における共産後継党の能力と選択,最初に基幹政党の地位を得た政党の立ち位置などがシステム形成に影響を与えたことを示した。
  • 五十嵐 徳子
    2009 年 46 巻 1 号 p. 1_17-1_34
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/01/21
    ジャーナル フリー
    本稿では,約70年間同じソビエト社会にあった,ロシア,グルジア,ウズベキスタン,そしてロシア国内のタタルスタンのジェンダーの状況を明らかにするとともに,今後のジェンダーの動向を予測している。分析に際しては,女性の就労と役割分担,そしてそれらに影響を与えているであろう各社会の有する規範に焦点を当て,「旧ソ連の共和国で大量の専業主婦は誕生するのか」という課題について考察を行っている。
  • 上垣 彰
    2009 年 46 巻 1 号 p. 1_35-1_51
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/01/21
    ジャーナル フリー
    「比較」が豊かな成果をもたらしうるということは経済学では必ずしも自明ではない。しかし,筆者は,少なくとも移行期分析に関しては,比較はなお有効な方法であると考えている。宇野派の理論家山口重克の議論をヒントとして筆者が考案した比較方法論は,「市場の論理(商品・貨幣・資本の論理)」が貫徹しようとする強い力を前提としながら,それが他の要因によって阻害される側面に注目して,そのことが,ある領域や時代ごとにいくつかの型を生み出すと考え,その型を比較しようとするものである。筆者の方法がまず第一に適用される領域は,政治のダイナミズムが結果に大きな違いをもたらすような短期的問題である。他方筆者は,長期的問題も筆者の方法論が適用できると考える。その場合は,近代国家の枠を超えたより広い領域どうしの比較を行う「比較後進性論」が意味を持ちうると考える。また,エマニュエル・トッド流の小領域比較論も長期比較論の一方法であろう。これらによってより学際的な開かれた比較論が構築できるであろう。
特集2:成長と雇用
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