グローバリゼーションの下で国境を越えた生産の分業が進み,ファッション産業ではファストファッションが世界市場を席巻している.この現象を生産面から見ると,ロシア企業もグローバル企業に追随してアジアへ製造拠点を移転させている.現在のロシアへの生産回帰も一時的な現象にすぎない.一方,販売の面から見ると,ロシア企業は市場の特性の近い旧ソ連圏を足掛かりとして海外進出を図っている.
東アジア諸国のIT関連製品の世界輸出シェアは2015年に67%に達している.本稿では同地域のIT関連製品の分業構造の変化を,部品と最終財に分け,貿易特化係数を用いて考察する.産業高度化が進む中国で,組み立て工程が主流となる最終財の輸出が引き続き高い係数を維持し,ASEANとの間の貿易では部品分業が増加していた.今後,中国の最終財生産の立地転換が東アジアで進むと予想され,川上部門となる部品生産の水平分業の進展も予想できる.
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