「システム転換と国際関係」という共通論題で考えられる問題のうち,中央アジアに住むロシァ人について取り上げ,この地域の民族構成が経済改革にもつ意味について考えてみたい。
ロシア人は,1989年には中央アジア5共和国の総人口4914万7616人のうち951万9958人,19.4%を占め,ウズベク人33.7%に次ぐ第2の民族であった。
旧ソ連全体のロシア人の6.6%がこの中央アジアに居住していたことになるが,このようなロシア人の増加という現象は,19世紀後半にこの地域がロシアの植民地になって以後,とくにソヴェト政権の70年間に形成されたものである。
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