本研究は認知症の人(以下,本人)の家族の言語・非言語的な関わりを「コミュニケーション行動」と定義し,日常生活場面における家族のコミュニケーション行動を測定する尺度の開発と,その尺度の信頼性と妥当性,全要介護度における測定不変性の検討を目的とした。家族介護者へのインタビューを基に作成した尺度原案を認知症の症状がある65歳以上の要介護者の家族に実施し,有効回答者1,846名を解析した。探索的因子分析を行い,【双方の意思の尊重】【本人との摩擦の回避】【本人の意思の拒否】【予防のための時間の共有】【受容的配慮】の5因子を抽出した。尺度原案から1因子が削除されたが想定した因子構造は概ね支持され,信頼性と妥当性も概ね十分であった。また,全要介護度における測定不変性が確認された。本尺度を用いて,認知症の人の家族の介護の特徴をコミュニケーション行動としてより詳細に把握できるようになるだろう。
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