2020年より,2021年5月現在まで,日本を含め,全世界でCOVID-19パンデミックが持続中である。当超音波・生理検査センターでは,2020年3月上旬から,airborne transmissionの可能性を考慮し,いち早く感染制御対策を講じ,約1年経過後の2021年5月現在まで,当部門を介した院内感染は生じていない。環境整備と同時に,有効な感染制御には,関与するスタッフの協力とその継続が極めて重要である。我々は上記方策と同時期に,当部門におけるスタッフの実態を把握するため,「困っている事」および,心理・身体面に関わるアンケートを実施し,各スタッフの状況に応じた対策を随時実行した。第一回アンケートは,2020年3月9〜11日の間に施行。その約1年経過後,各種対策を講じた後の流行持続下における意識変容等を調査する目的にて2021年5月17〜19日の間に第二回を施行し,その結果を比較した。アンケートの実施に際しては,職能集団の維持に欠かせない「チームにおける心理的安全性」という観点も含まれていた。このアンケートの結果と,それに基づいて行った対策は,パンデミック下で医療従事者が直面する問題を明らかにする貴重な資料となりうる。本報告では,COVID-19流行下における日本の状況の変遷に応じ,確実な感染制御を継続するために行ったスタッフの支援方法を紹介する。
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