日本放射線科専門医会・医会学術雑誌
Online ISSN : 2758-6499
1 巻
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原著論文
  • 機械換気システム完備病院施設における検査室内での実際の変化について
    松林(名本) 路花, 原田 詩乃
    2021 年 1 巻 p. 1-8
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/23
    ジャーナル フリー
    2020年より,2021年4月現在まで,日本を含め,全世界でCOVID-19パンデミックが持続中である。日本でのCOVID-19の流行開始当初は,感染の流行・拡大の伝播ルートに関する多くの要因は不明であった。当超音波・生理検査センターでは,2020年3月上旬から,airborne transmission(従来の定義である「空気感染」とは分別するためこの用語を用いる。エアロゾル感染も含め)の可能性を考慮し,いち早く外気導入による換気を安全かつ簡便に行う方策を講じると同時に,患者の受療行動を調査し,行動変容を促すような対策も行った。超音波検査部門内の感染制御は,COVID-19の病院関連の伝染を防ぐために重要である。その結果,約1年経過後の2021年3月まで,当部門を介した感染拡大は生じていない。本報告では,近代的機械換気装置を完備している医療機関における実際の換気状況を二酸化炭素濃度の測定により検証し,それと同時に,患者行動の変容を促すなど,日本の社会環境に適応し,かつ簡単に取り組むことが可能な感染制御を紹介する。
  • 「心理的安全性」の担保と社会情勢との関連を含め
    松林(名本) 路花
    2021 年 1 巻 p. 9-14
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/23
    ジャーナル フリー
    2020年より,2021年5月現在まで,日本を含め,全世界でCOVID-19パンデミックが持続中である。当超音波・生理検査センターでは,2020年3月上旬から,airborne transmissionの可能性を考慮し,いち早く感染制御対策を講じ,約1年経過後の2021年5月現在まで,当部門を介した院内感染は生じていない。環境整備と同時に,有効な感染制御には,関与するスタッフの協力とその継続が極めて重要である。我々は上記方策と同時期に,当部門におけるスタッフの実態を把握するため,「困っている事」および,心理・身体面に関わるアンケートを実施し,各スタッフの状況に応じた対策を随時実行した。第一回アンケートは,2020年3月9〜11日の間に施行。その約1年経過後,各種対策を講じた後の流行持続下における意識変容等を調査する目的にて2021年5月17〜19日の間に第二回を施行し,その結果を比較した。アンケートの実施に際しては,職能集団の維持に欠かせない「チームにおける心理的安全性」という観点も含まれていた。このアンケートの結果と,それに基づいて行った対策は,パンデミック下で医療従事者が直面する問題を明らかにする貴重な資料となりうる。本報告では,COVID-19流行下における日本の状況の変遷に応じ,確実な感染制御を継続するために行ったスタッフの支援方法を紹介する。
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