日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
19 巻 , 4 号
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
  • 関 弘明, 新本 修一, 山口 明夫, 中川原 儀三, 中川 隆雄
    1994 年 19 巻 4 号 p. 1-4
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    癒着性イレウスに対する腹腔鏡下癒着剥離術の経験を報告し, その適応について検討した。本法を試みた症例は7例で, 男性6例, 女性1例, 年齢は平均51.3歳であり, 既往手術は胃切除術4例, S状結腸切除術, 子宮全摘術, 小腸切除術各1例であった。術前の小腸造影所見は6例で狭窄型を示した。これらの内施行し得た症例は5例で, その腹腔内所見は, 4例が腹壁 (正中創) と小腸の癒着, 1例が索状物によるものであり, 開腹に変更した2例は後腹膜などへの広範な癒着症例であった。癒着性イレウスに対する腹腔鏡下手術は従来の開腹術に比して, 手術侵襲が少なく, 術後疼痛も軽度で, 術後の回復も早く有利な術式であり, 腸管の腹膜への癒着や索状物が原因の症例では良い適応であると思われた。しかし, 視野の確保や閉塞部位の同定が困難な症例では, 合併症の危険も大きく, 開腹術とした方が安全と思われる。
  • 高山 忠利, 山崎 晋, 幕内 雅敏
    1994 年 19 巻 4 号 p. 5-7
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    肝の尾状葉を全摘するための新しい肝切除術式である高位背方切除を考案した。尾状葉の全域を染色法を用いて同定し,肝切除の頭側端は三肝静脈根部までの高位に到達し,左右肝葉を合併切除せずに背方から尾状葉のみを全摘する。本術式は,硬変肝の尾状葉に発生した肝細胞癌に対する最も系統性・安全性の高い術式である。
  • 高橋 弘昌, 大川 由美, 田口 和典, 佐々木 文章, 秦 温信, 内野 純一
    1994 年 19 巻 4 号 p. 8-12
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    【目的】再発乳癌症例の再発後生存率に対するCAF+TAM療法の影響を検討した。 【対象と方法】1960年から1992年までに当科で治療を行った再発乳癌138例を対象として, 1978年以前と1979年以降の2群で生存率を比較した。 【結果】再発症例全体では1979年以降に治療した群で有意な生存率の改善を認めた。転移臓器別に見ると骨転移単独例と肝転移のない肺転移例では生存率の改善を認めたが, 肝転移例では変化はなかった。 【まとめ】CAF+TAMによる内分泌化学療法は肝転移のない再発症例の生存率を向上させた。肝転移は再発乳癌治療における予後規定因子と思われ, これに対する治療法の確立が予後向上につながると思われた。
  • 出口 宝, 竹島 義隆, 富田 秀司, 中本 尊, 草野 敏臣, 武藤 良弘, 戸田 隆義
    1994 年 19 巻 4 号 p. 13-20
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    乳房の形成術 (異物埋入術) に合併した豊胸術後乳癌, 乳房の発赤, 硬結, 変形などの炎症様変化および人アジュバント病を経験した。いずれも異物除去術を必要とした。そこで, 各々の疾患における乳房内異物埋入術の問題点と摘出の適応について検討した。その結果, 1.乳癌との因果関係については言及できないが, 埋入異物が癌の早期発見の障害になり, 早期診断には埋入方法に適した検索と積極的な病理組織学的検索を行うことが肝要であると考えられた。2.異物埋入術後症例ではこれら合併症を念頭においた厳重な管理を行い, 合併症の疑いがある場合およびシリコンジェルインプラントでシリコンの漏出が認められる場合は積極的に摘出を行うべきであると考えられた。
  • 新井 庸倫
    1994 年 19 巻 4 号 p. 21-31
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    心臓移植を前提とし, ヒスチジンとATRを添加したSt.Thomas心停止液による低温単純浸漬12時間保存を行い長時間有効な心保存液の検討を行った。雑種成犬 (体重8~12kg) を使用し, 交差灌流実験の摘出心で再灌流後のEmaxを (1) St.Thomas液 (ST), (2) ヒスヂシン添加St.Thomas液 (SH), (3) ヒスチジン・ATP添加St.Thomas液 (SHA) による4℃単浸漬保存時間について検討した結果, STで4時間, SHで6時間, SHAで12時間の心保存の可能性が示唆された。この結果から, ST4hとSH12hの2群の同所性心移植実験を行い, ヒスチジン, ATP添加の心保存増強効果を検討した。その結果, SHA12h群はST4h群と比較してLVEDP2.3mmHg, SV (回復率) 86%, maxdP/dt/P52.1/sec, A-VDO27.9ml/Lと, 有意に良好な値を示し, 病理所見でもSHA12h群は心筋構造を良好に保ち, SHA液の長時間心保存における有用性が示唆された。
  • 豊坂 昭弘, 岡本 英三, 中井 謙之, 土生 秀作, 竹内 雅春, 中村 清昭, 桑原 幹雄, 関 保二
    1994 年 19 巻 4 号 p. 32-37
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    教室における胸部食道癌に対する三領域郭清術式を詳述するとともにその成績について予後と合併症の面から検討した。1988-1993年に施行した三領域リンパ節郭清29例と, 1980-1987年に施行した二領域郭清群56例を対象とし, この2群を比較検討した。両群の各種背景因子には有意差はなかった。術後の挿管期間, ICU収容日数は三領域郭清群で有意に長かったが, 肺合併症発生率, 手術死亡率には両群間に有意差はなかった。反回神経麻痺は全体では両群間に有意差はなかったが, 永久麻痺は三領域群の方が低下傾向を示し, 反回神経taping後では永久麻痺はみられなかった。生存率は術死を除くと三領域郭清の5生率は58.7%であり, 二領域郭清の21.5%に比し有意に良好であった。食道癌は三領域郭清により著しい予後の向上を示し, また致命的な合併症もほとんどなく有用な術式と考えられた。
  • 妙中 信之, 今中 秀光, 中野 園子, 藤野 裕士, 吉矢 生人
    1994 年 19 巻 4 号 p. 38-41
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    われわれの施設に収容された重症患者の臨床経過をretrospectiveに検討し, ICUにおける鎮痛鎮静法の利点や問題点の一部を明かにしようと試みた。 心臓手術後および食道癌根治術後患者57例 (≧30歳) では, ミダゾラムを予防的に持続静注すると, 必要に応じて適宜投与した群よりもせん妄の発生頻度が高かった。ミダゾラム持続静注は循環状態の変動が少なという利点を持つが, せん妄発生を助長している可能性がある。食道癌根治術後患者84例では, ハロペリドールとプロメタジンを定時に予防的に投与すると (約1時間の持続点滴静注を1日2~3回), 必要に応じて適宜投与するよりもせん妄の発生頻度が低かった。 食道癌根治術後患者19例でモルヒネやブピバカインを用いた持続硬膜外ブロックを行い良好な結果を得た。持続硬膜外ブロックはICUにおける鎮痛法として有用である。
  • 今田 敏夫, 竹鼻 敏孝, 陳 超, 利野 靖, 松本 昭彦
    1994 年 19 巻 4 号 p. 42-46
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    胃癌術後のquality of lifeの向上を目的として, 幽門側広範囲胃切除, D2郭清術後の胆嚢機能障害とダンピング症候群の発生状況を明らかにし, この予防対策として迷走神経, 幽門輪温存手術を行い, その胆嚢機能と胃排出能の評価を行った。その結果, 幽門側切除, D2郭清手術後の空腹時胆嚢面積は術後経過と共に拡張を示した。胆嚢収縮率は術後1カ月には術前より低下するものの術後6 カ月には回復する傾向を示した。また, 胆石は157例中29例に発生しその半数は術後1年以内に発生した。ダンピング症候群は12.3%にみられた。一方, 迷走神経温存手術の術後胆嚢機能をみると胆嚢収縮能は低下するものの空腹時面積は術前と同じく機能が温存された。また, 胃からの排出速度もD2郭清後よりもゆるやかでダンピング症候群の発生予防の可能性が示唆され, 本術式により術後のquality of lifeの向上が期待できる。
  • 奥川 保, 小野寺 誠悟, 利野 靖, 岡田 賢三, 小林 理, 西連寺 意勲, 本橋 久彦
    1994 年 19 巻 4 号 p. 47-51
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    1991年7月から1993年6月までに再発またはStage IVの根治度C胃癌44例に対して5-FU, Leucovorin, CDDP併用化学療法 (FLP療法) を施行した。5-FU, Leucovorinは静脈内投与し, CDDPは静注, 腹腔内投与, 大動脈内亜選択的動注のいずれかで投与した。奏効率はCR1例, PR9例, NC12例, PD5例で37.0%であった。FLP療法開始後の50%生存期間 (MST) は337日であった。CDDPの各投与法間で奏効率, MSTおよび副作用の発生頻度, 重篤度において有意差はみられなかった。副作用として血小板減少に対する厳重な観察を必要とした。FLP療法導入後の治療成績は手術時高度進行していた胃癌に対しては導入前と比べて改善はみられなかったが, 再発胃癌に対しては再発後の生存期間を導入前よりも改善できた。
  • Hiroyoshi MIENO, Yoshiki HIKI, Yuzuru SAKAKIBARA, Hitoshi SHIMAO, Nobu ...
    1994 年 19 巻 4 号 p. 52-68
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    Early cancers in the body of the stomach are often accompanied by shallow IIc or analogous IIb in their margins, and determination of the extent of tumor infiltration is difficult in many cases. Determination of the extent of tumor infiltration is most important in selection of the therapeutic approach. We examined 87 cases of early cancer and early-cancer-like advanced cancer in the body of the stomach to increase the accuracy of endoscopic diagnosis. The diagnosis by the dye (indigo carmine) spray method was difficult in differentiated cancer of the lesser curvature showing marked atrophy of the marginal mucosa, and the marginal region of cancer must be examined most carefully in such cases. From the viewpoint of the quality of life, total gastrectomy should be avoided as much as possible in early stomach cancer. We determined the distance from esophago cardiac junction (ECJ) by endoscopic clipping and performed subtotal gastrectomy in 14 cases by modification of the resection method. The cut-off distance between total and subtotal gastrectomies for lesions located primarily in the lesser curvature was 4 cm, and total gastrectomy was considered to have been unnecessary in 8 (10.5%) of the 76 cases of early cancer of the body of the stomach that underwent total gastrectomy. Endoscopic clipping appears to be useful for determination of the extent of gastrectomy for early cancer of the stomach.
  • 増田 英樹, 林 成興, 堀内 寛人, 渡辺 賢治, 林 一郎, 山岸 緑, 玉井 諭, 阿部 幸洋, 岩井 重富, 田中 隆
    1994 年 19 巻 4 号 p. 69-74
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎 (UC) の病態にサイトカインの役割が注目されているが, 今回われわれはUC患者大腸粘膜における各種サイトカインのm-RNAを遺伝子学的方法 (RT-PCRなど) を用いて検討した。対象はUC患者21例 (活動期8例, 緩解期13例) であり, 大腸疾患を有さない17例を対照群とした。その結果, (1) UC患者腸粘膜のIL-8, TNF-α, IFN-γm-RNAは対照群と比較して有意に発現増強を示した (p<0.01) が, IL-2, IL-6では有意差を認めなかった。 (2) IL-8やTNF-αm-RNAはUC非炎症部位においても対照群より有意に発現が増強していた (p<0.05) 。 (3) IL-8はUC炎症部位が非炎症部位よりm-RNAの発現が亢進していた (p<0.05) 。 (4) 活動期と緩解期で有意な差は認められなかった。以上より, UC非炎症部位であっても常にIL-8, TNF-αm-RNAの発現が亢進しており, これらはUCの病態に関与し, ことにIL-8はUC炎症の局所の活動性にもかかわっている可能性が示唆された。
  • 辻 尚人, 棚野 博文, 鎌田 振吉, 岡田 正, 井村 賢治, 八木 誠, 窪田 昭男
    1994 年 19 巻 4 号 p. 75-79
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    高位, 中間位の直腸肛門奇形術後症例17例にMRI検査を行い, その所見と術式, 病型, 臨床的排便機能との関連を検討した。 Mラインに相当する面 (Mライン面), Iラインに相当する面 (Iライン面) のいずれでも, 高位症例は中間位症例に比べ, より腸管周囲の排便に関与する横紋筋 (排便関連筋) の面積 (筋面積) が小さかった。Iライン面の筋面積は, Mライン面の筋面積に比べて大きく, Mライン面のみならず, Iライン面にみられる排便関連筋をも有用に利用することが根治術において重要と考えられた。筋の左右の偏位は, Mライン面ではposterior sagittal anorectoplasty (PSARP) 施行例, 他の術式施行例ともに認められたが, Iライン面ではPSARP施行例には認められず, これは筋を切開し, 直視下に操作を行える利点によるものと考えられた。筋の発育が不良で, 筋の偏位のある症例は, それ以外の症例より排便機能が不良であった。
  • 桐山 正人, 松下 昌弘, 中野 泰治, 秋山 高儀, 冨田 冨士夫, 斉藤 人志, 小坂 健夫, 喜多 一郎, 高島 茂樹
    1994 年 19 巻 4 号 p. 80-83
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    下部直腸癌に対する肛門括約筋温存術式の適応について, 肛門側壁内進展の面から検討し以下の結果を得た。進行直腸癌116例中, 肛門側への壁内進展を認めた症例は44例, 37.9%で, ~4mmが20例, 5~9mmが17例, 10~19mmが4例, 20mm以上が3例で, 最大壁内進展距離は24mmであった。腫瘍占居部位による壁内進展距離の平均は, Rs, 1.4mm, Ra, 1.0mm, Rb, 2.7mm, RbP, 5.0mmで, 下部直腸ほど壁内進展は高度であった。Rb症例47例について検討すると, 肛門側壁内進展を示した症例は18例, 38.3%で, 最大壁内進展距離は24mmであった。腫瘍肉眼型では規約1型, 2型に比べ3型で, また腫瘍径が大きくなるほど, 環周性が高くなるほど, 壁深達度が進むほど, 壁内進展は高度であった。腫瘍組織型については, 高分化腺癌で29.2%に壁内進展を認め, その平均距離が1.4mmであったのに対し, 中分化腺癌では50.0%に壁内進展を認め, その平均距離は4.0mmと高度であった。
  • 梶川 真樹, 野浪 敏明, 黒川 剛, 橋本 昌司, 原田 明生, 中尾 昭公, 高木 弘
    1994 年 19 巻 4 号 p. 84-88
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    慢性肝炎・肝硬変症例の肝切除術において貯血式自己血輸血を施行し, これらの患者に対する自己血輸血の意義と問題点を検討した。1991年からの慢性肝炎・肝硬変症例の肝切除術89例のうち, 46例に術前自己血貯血を行い, うち16例にエリスロポエチン (rh-EPO) の投与を行った。貯血前後で肝機能, 血小板数に有意な変化はなかった。貯血後, ヘマトクリット値 (Ht), 血清鉄値は有意に低下し, 網状赤血球数 (Rt) は有意に増加したが, rh-EPOを投与した症例ではRtの増加はより著明で, Htの低下は有意でなかった。一方, rh-EPOを投与した16例中8例に低リン血症がみられた。同種血輸血率は, 術前自己血準備症例で35%, 非準備症例で60% (p<0.05) であった。自己血輸血症例と同種血輸血症例では, 術後ビリルビン値とHtの回復が, 後者で遷延した。以上より, 慢性肝炎・肝硬変症例の肝切除術における自己血輸血は有用と考えられた。
  • 李 光春, 山崎 修, 堀井 勝彦, 半羽 宏之, 平田 早苗, 木下 博明, 広橋 一裕, 久保 正二
    1994 年 19 巻 4 号 p. 89-96
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 粕谷 孝光, 佐藤 泰彦, 佐藤 勤, 畠山 洋一, 草野 智之, 面川 進, 浅沼 義博, 小山 研二
    1994 年 19 巻 4 号 p. 97-100
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌切除46例の検討から系統的肝切除は部分切除に比し, 生存率では差がないものの無再発率では良好な成績を示した。また, DNA ploidy patternの解析からDNA diploidy (23例) はDNA aneuploidy (23例) に比しvpおよびim因が軽度のものが多く, 予後良好であった。さらに, DNA diploidyの場合は部分切除よりも系統的肝切除のほうが予後良好であったのに対し, DNA aneuploidyでは両術式間に差を認めなかった。
  • 漆川 敬治, 米田 直人, 安元 聡之, 青野 敏博
    1994 年 19 巻 4 号 p. 101-104
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    婦人科手術のうち輸血が必要と予想された症例に, 希釈式と貯血式の併用による自己血輸血を行った。 対象症例は子宮癌などの悪性腫瘍患者33例で, 広汎性子宮全摘出術, 骨盤内および傍大動脈リンパ節廓清術などが予定された症例であった。希釈式を中心とし, 余裕のある症例では術前に自己血の貯血も行った。 血液希釈時の平均採血量は975ml, 前の平均貯血量は671mlであった。自己血輸血を実施した33例中31例 (94%) で同種血輸血を回避できた。同種血輸血を要した症例は33例中2例 (6%) のみで, いずれも出血量が3000ml以上になった症例であった。しかし, これらの症例でも必要となった同種血は約700mlと少量であった。重篤な副作用や合併症は認められなかった。 希釈式と貯血式併用による自己血輸血は安全かつ手技も比較的簡便であり特殊な器具を必要とせず, 今後積極的に実施すべきであると考えられた。
  • 西 正晴, 嵩原 裕夫, 三宅 秀則, 岡田 哲, 田代 征記
    1994 年 19 巻 4 号 p. 105-109
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    上部消化管術後の栄養管理における経腸栄養の意義について, 栄養法の差異が腸管粘膜構造, 機能に及ぼす影響の検討を行った 小腸構造では, 完全静脈栄養群において高度な絨毛の痩せと絨毛間隙の開大化が著明であったが, 経腸栄養群での変化は軽微であった。合併症として, 経腸栄養では腹部膨満感や下痢, 完全静脈栄養ではカンジダ感染症の発生がみられたが, 栄養指標は両栄養法ともほぼ等しく推移した。単独施行に比較し, 完全静脈栄養で開始し低残渣食による800kcal/日程度の経腸栄養を行う併用療法では経腸栄養に伴う下痢症状の発現はみられず, 腸管粘膜の成熟度を反映するdiamine oxidase活性も経腸栄養群と有意差を認めない程度に保持された。術後にみられる経腸的phenolsulfonphtalein投与後の尿中排泄率の増加は経腸栄養の開始により減少傾向がみられた。以上の結果から, 併用栄養は副作用の軽減や腸管機能の維持面で有用であることが示唆された。
  • 荻原 正規, 許 俊鋭, 常本 實, 朝野 晴彦, 横手 祐二, 尾本 良三, 小池 一行, 小林 俊樹
    1994 年 19 巻 4 号 p. 110-114
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    5カ月, 女児。心室中隔欠損症, 大動脈縮窄症により心不全, 呼吸不全を呈し呼吸器離脱困難であった。大動脈縮窄症に対してバルーン拡張術を施行したところ急性動脈解離が発生した。術後, intimal flapの動揺によると考えられる腹部臓器, 下肢の血行障害が出現したため外科的修復を行った。 手術では, 内腔は大動脈縮窄部を中心としてほぼ全周性の動脈解離を認めた。中枢側への進展は軽度であったが, 末梢下側は解離により真腔は圧迫されていた。末梢側の解離した内膜, 外膜を合わせるように修復し, さらに左鎖骨下動脈を用いたSubclavian Flap法により縮窄部の修復を施行した。 大動脈縮窄症に対するバルーン拡張術により発生した動脈解離に対して, その血行動態から外科的修復を余儀なくされ, 手術により救命し得た1例を経験した。
  • 原 充弘, 竹内 一夫
    1994 年 19 巻 4 号 p. 115-118
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 福田 充宏, 前之園 晃幸, 小濱 啓次
    1994 年 19 巻 4 号 p. 119-124
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
  • 辛 栄成, 高塚 雄一, 吉川 宣輝
    1994 年 19 巻 4 号 p. 125-129
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    1988年5月から1994年5月までの乳房温存療法施行数は172例で, このうち腫瘤径やNで適応外であったのは7例である。乳房温存療法の適応拡大の可能性を検討する目的で, これらの症例について臨床病理学的および美容的評価について検討した。対象症例の腫瘤径は3.1~4.0cmが4例, 4.1~5.0cmが3例で, 腋窩はNlbが1例であった。術式は全例Q+Axで, 6例に広背筋皮弁再建を, 1例に術前照射を施行した。surgical marginについては1例が術中迅速病理検査でpositiveであったが, 追加切除で対処し, 全例術後病理検査ではnegativeとなった。また, n (+) は2例 (28%) で, 再発は現在認めていないが, 平均観察期間が6カ月と短く, 今後の経過観察が重要である。再建症例6例での美容評価は66.7%がgood以上で, 癌の局所制御と美容的効果が乳房温存療法の目的とすれば, 適応拡大の可能性が示唆された。
  • 井上 晴洋, 出江 洋介, 竹下 公矢, 河野 辰幸, 遠藤 光夫
    1994 年 19 巻 4 号 p. 130-134
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    早期食道癌の治療においても, 主として病変の深達度に応じて治療法が決定されている。特にminimally invasive surgeryの立場から, 各種の内視鏡下手術が試みられている。深達度m2までの病変で2cm以下のものには「内視鏡的粘膜切除術」, 2cmを越えるものや多発病巣には「縦隔鏡のアシストによる食道抜去術」や「胸腔鏡下食道切除術」を適応している。m3, sm癌には原則として, 従来どうり3領域郭清を伴う食道切除術が施行されているが, その際に「胸腔鏡のアシストによる食道切除術」を行っている。外科手術において, 精密度, 安全性, 確実性, 低侵襲性を追求する一貫として内視鏡下手術が導入されつつある。
  • 斉藤 雅人, 斉藤 俊彦
    1994 年 19 巻 4 号 p. 135-136
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    超音波カラードプラ法を腎腫瘍94例に適用した。腫瘍内部の血流速度が, 腎血管筋脂肪腫では20cm/sec以上の血流を示した症例がなかったが, 腎細胞癌では最高149cm/secまでさまざまな血流速を示した。腎盂癌では, ほとんど血流が観察されなかった。本結果から, 高速の血流を示す腎腫瘍は, 腎細胞癌が強く疑われることがわかった。血管造影との比較では, 血流の有無の検出という意味においては, カラードプラ法の方がより鋭敏で, 優れていた。その他カラードプラ法は, 非侵襲的に静脈内腫瘍血栓の診断, 腎動脈塞栓術の効果判定ができた。
  • 松田 和也
    1994 年 19 巻 4 号 p. 137-141
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    レーザーは1964年にGoldmanが人皮膚に用いて以来, 形成外科領域では主としてアザの治療に使用されて来た。レーザー治療は現在種々のレーザー装置が開発され, 以前の治療結果に比較すれば, その治療効果は格段に上がり, 各種アザに対する非観血的治療の主流である。今回, 種々のレーザーを用いて各種のアザ, tattooを治療する機会を得た。その結果より, 当科におけるレーザー治療の原理と現状を報告する。
  • 梁井 皎
    1994 年 19 巻 4 号 p. 142
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 小柳 泰久, 坂本 啓彰
    1994 年 19 巻 4 号 p. 143
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
feedback
Top