日本外科系連合学会誌
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27 巻 , 1 号
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  • 野口 志郎
    2002 年 27 巻 1 号 p. 4-5
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 福成 信博
    2002 年 27 巻 1 号 p. 6-11
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    甲状腺疾患に対するエタノール注入療法 (以下PEIT) は, 肝臓, 腎臓と同様に嚢胞性病変から, その明らかな臨床的効果が認められ, 現在では機能性結節, および甲状腺性腫瘍にも臨床応用がなされている。注入量, 施行間隔, 効果判定およびその合併症に関しては, 未だ議論中であるが, われわれは, 腫瘍体積あたりの注入量ではなく, カラードプラ観察下に穿刺, 注入を行い, 栄養血管の血流消失を効果判定の基準としており, 必要最小限の注入にて, 十分な効果を得ることが出来る。また, 超音波造影剤をもちいた甲状腺結節47例のPEIT治療群の検討では, 39例 (82.9%) に十分な造影効果が認められ, 造影されなかったものは3例 (6.4%) であった。超音波造影剤を用いたカラードプラ下PEITは, 目的とする栄養血管の描出, 確実な血流遮断の確認が可能となり, 更なる治療成績の向上と合併症の軽減が期待できる。
  • 前田 茂人, 南 恵樹, 黒木 保, 林田 直美, 古井 純一郎, 兼松 隆之
    2002 年 27 巻 1 号 p. 12-15
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    腹部・胸部領域での内視鏡手術は, その低侵襲性により急速に普及していった。頸部領域手術では, 一般的に手術侵襲が少ないため, 内視鏡手術による低侵襲性を求める意義は少ないと考えられる。しかし, 従来の手術方法では創部が皮膚露出部にあるために, 精神的苦痛などによるQOL低下につながる可能性があった。よって, 頸部領域での内視鏡手術の意義は, 美容性を求めることにあると考えられる。そこで, われわれは創部が開襟シャツで隠れる内視鏡補助下頸部手術 (VANS) を, 2001年1月より導入し自験例を中心に検討した。甲状腺良性腫瘍, バセドウ病, 原発性副甲状腺機能亢進症に対する, それぞれの創部位置, 手術手技を示し, 各術式での合併症および問題点などについて報告する。
  • 佐々木 裕三, 高見 博, 池田 佳史, 高山 純一, 栗原 英子
    2002 年 27 巻 1 号 p. 16-19
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    画像診断の進歩により原発性副甲状腺機能亢進症の治療は腫大腺のみの摘出術が行われるようになってきたが, 多発腺腫や異所性腺腫よる腫大副甲状腺の遺残の問題がある。著者らは術中迅速intact PTH測定を行い, 腫大腺遺残を防止する確実で低侵襲な副甲状腺摘出術を試みた。対象は原発性副甲状腺機能亢進症14例 (単腺腫大12例, MEN1型1例, double parathyroid carcinoma1例) である。方法はchemiluminometric immuno assay (CLIA) 法にて行った。測定ポイントは麻酔後の術前値, 摘出直前値, 摘出後5, 10, 15, 45分値とした。12例の単腺腫大例は, 摘出後15分以内に術前値の50%以下に漸減し, 45分値までに正常域に復した。MEN1型例は腫大した4腺摘出後に, double parathyroid carcinoma症例では2腺摘出後に初めて正常域に達した。術中迅速intact PTH測定により, 腫大腺遺残の有無を術中に確認でき, 確実な手術が行えると考えられる。
  • 青木 雅信, 鈴木 和雄, 藤田 公生
    2002 年 27 巻 1 号 p. 20-23
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    われわれは, 1992年2月より2001年10月までに副腎腫瘍に対し腹腔鏡下副腎摘除術を132件経験した。今回, 最近の12例を除いた2000年5月までの120件につき症例の順に従い40例ごとに3群に分類し, 手術成績, 合併症などにつき検討した。120例中6例が開放手術へ移行したが, 症例を重ねるごとに手術時間は短縮し, 出血量も減少していた。しかし, 術後回復状況は3群間で有意差は認めなかった。小さな副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘除術は安全かつ低侵襲に行うことができるが, 6cm以上の大きな腫瘍の場合は, 手技に習熟した後も, 術中出血などに対して十分な注意が必要である。
  • 今井 常夫, 菊森 豊根, 横井 一樹, 日比 八束, 柴田 有宏, 舟橋 啓臣, 中尾 昭公
    2002 年 27 巻 1 号 p. 24-32
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    5例の男性化副腎皮質腺腫において副腎皮質刺激ホルモン (ACTH) 反応性について検討した。血中, 尿中男性ホルモンは5例すべてで増加していた。デキサメサゾン負荷で血中, 尿中男性ホルモンは抑制されず, ACTH負荷で増加しなかった。3例で副腎遊離細胞を作成しステロイドホルモン産生能を検討した。腺腫細胞ではデヒドロエピアンドロステロン (DHEA) を主とし少量のテストステロンも産生していた。2例でステロイド合成酵素の免疫組織学的検討を行った。各段階の合成酵素はすべて発現を認め特に腺腫細胞で17α水酸化酵素の発現が強かった。ACTH受容体の遺伝子発現をノーザンブロット解析で検討した。腺腫に附随する非腫瘍部の副腎では発現が認められたが腺腫ではACTH受容体は発現していなかった。男性化副腎皮質腺腫においてACTHに無反応である原因は腺腫においてACTH受容体が発現していないためと考えられた。
  • 高山 治, 池永 雅一, 池田 正孝, 山本 浩文, 有吉 秀男, 川崎 富夫, 関本 貢嗣, 門田 守人
    2002 年 27 巻 1 号 p. 34-37
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    外科医にとって, 術後出血はまれに遭遇する合併症の一つであり, 特に致死的ともなり, その対処には苦慮するところである。われわれは, 全身状態が不良で強度の癒着が予想され, 再手術が困難と考えられた大腸癌術後出血に対し, IVRの手法を用いてcovered stentを留置し, 止血および救命できた2例を経験した。1例は経過良好であるが, 1例はstent留置後の感染に起因する再出血のため, 血行再建術が必要となったが, 初期治療としては救命することが可能であった。再開腹術が困難と考えられる術後出血例などに対し, 低侵襲で施行できるIVRの手法を用いたcovered stent留置術は, 良い適応の一つと考えられた。
  • 佐久田 斉, 松原 忍, 比嘉 昇, 古謝 景春
    2002 年 27 巻 1 号 p. 38-44
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    当科で経験した偶発的大出血をきたした4症例の原因, 損傷血管およびその対処法を検討した。出血の原因は人工血管置換術後の再手術における人工血管と周囲組織との高度癒着が2例, 悪性腫瘍による広範囲癒着や隣接組織浸潤が2例であった。損傷血管は仙骨前面動静脈叢2例 (うち1例は外腸骨静脈出血を伴う), 腹部大動脈1例, 肺動脈1例で, 平均出血量は14,762mlであった。大出血の可能性を予想していた1例では, femoro-femoral : FFバイパスを補助手段に用いた。4例中1例に手術死亡, 1例に病院死亡を認め, 生存した2例中1例では, 臓器障害のため長期入院治療を必要とした。悪性腫瘍の血管浸潤や大血管への高度な癒着が存在する場合には, 剥離操作中に大量出血をきたす可能性を念頭におき, 中枢側血管のテーピング, セルセーバーの用意, 血行再建法の検討を行い, また大血管からの剥離困難が予想される場合には, 補助循環装置の用意など, あらかじめ十分な対策が必要である。
  • 安原 洋, 仲 秀司, 野尻 亨, 新川 弘樹, 古谷 嘉隆, 有木 かおり, 仁和 浩貴
    2002 年 27 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    手術の本質は止血操作にあるといっても過言ではない。今回われわれは, 中等度以上の術中出血をみた症例の臨床的背景を検討し, 偶発的大量出血に対する対処法について考察した。対象は1998年~2000年に当科で一般外科領域の手術を行い, 500ml以上の術中出血を伴った228例とした。その内訳は, 悪性腫瘍134例 (骨盤外83例, 骨盤内51例), 外傷23例, 動脈瘤22例, 胆石症8例, 肝胆道系腫瘍7例, 胃十二指腸潰瘍穿孔7例, 絞扼性イレウス6例, 大腸穿孔4例, 穿孔性虫垂炎4例, その他13例で, そのうち5,000ml以上の術中出血例は13例で, 内訳は悪性腫瘍7例 (肝腫瘍3例, 直腸骨盤腫瘍4例), 外傷5例 (肝損傷2例, 腸間膜損傷2例, 大腿会陰部挫傷1例), 動脈瘤破裂3例 (腹部大動脈瘤1例, 内臓動脈瘤2例), その他2例であった。8例 (62%) では術中出血傾向に対し, 血小板輸血を必要とした。以上より, 術中大量出血は外傷例, 動脈瘤破裂例, 骨盤内または肝胆道系悪性腫瘍例に限られており, その大部分は必ずしも“偶発的な”ものではないことが示された。これらの症例では, 術中出血に対し, 単なる止血操作のみでなく, 出血傾向に留意した処置も重要であると考えられた。
  • 井上 芳徳, 栗原 伸久, 岩嵜 友視, 工藤 敏文, 中村 直和, 広川 雅之, 菅野 範英, 中島 里枝子, 岩井 武尚
    2002 年 27 巻 1 号 p. 50-53
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍に対する拡大手術や大動脈手術時に血管損傷をきたし, 止血に難渋することがまれに経験される。胸部下行大動脈出血では, 右開胸のためガーゼによる圧迫となった。横隔膜近傍の静脈性出血では, 横隔膜脚部の大動脈を単純遮断しつつ結紮止血とした。上腸間膜動脈出血では, 中枢側と末梢側を遮断後に縫合閉鎖または端々吻合した。腸骨静脈出血に対しては, 腎動脈下腹部大動脈遮断下に静脈を圧迫しつつ縫合止血した。腹部大動脈・十二指腸瘻からの腸管内出血では, 左開胸下に下行大動脈遮断とした。胸部下行大動脈からの出血例と, 腹部大動脈・十二指腸瘻からの腸管内出血例では, 短時間で多量の出血をコントロールできなかった。他の4例では, 術後経過は順調であった。再手術症例, 進行癌症例や大動脈手術では, 偶発的大出血に至ることがあり, 圧迫や吸引などの止血方法に加えて動脈露出や大動脈遮断などの方法を会得しておくことが必要である。
  • 林 忍, 吉井 宏, 北野 光秀, 長島 敦, 土居 正和, 江川 智久, 山本 修三
    2002 年 27 巻 1 号 p. 54-59
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    外傷性胸部大動脈損傷の患者の救命は容易でなく, いまだその生命予後は不良である。しかし, 損傷部が仮性動脈瘤を形成している場合には, 救命の機会が残されている。症例は16歳, 男性。オートバイを運転中に受傷した。緊急CT検査で下行大動脈近位部を中心とした, 連続する縦隔血腫や両側肺挫傷, 脾損傷, 骨盤骨折を認め, 緊急血管撮影検査にて, 胸部下行大動脈損傷および脾損傷と診断された。循環動態は比較的安定していたため, 脾損傷に対するコイル塞栓術を先行させた。手術は, 左鎖骨下動脈―左総大腿動脈一時的バイパス術を補助循環法とした, 胸部下行大動脈人工血管置換術を施行した。術後は良好に経過し, 対麻痺も残さなかった。骨盤骨折や肺挫傷, 脾損傷はいずれも保存的に治癒した。鈍的外傷による胸部大動脈損傷には, 重篤な合併損傷をともなうことが多いため, 各科の連携により治療の優先順位を迅速に決定することが重要である。
  • 岡本 康, 炭山 嘉伸, 有馬 陽一, 作田 誠, 能戸 保光, 仲 威和郎, 桐林 孝治, 金井 亮太
    2002 年 27 巻 1 号 p. 60-67
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    原発性乳癌における腫瘍組織・正常乳腺組織のthymidylate synthase (TS) 活性およびdihydropyrimidime dehydrogenase (DPD) 活性を定量し, 臨床病理学的因子に関して検討した。腫瘍組織TSおよびDPD活性値は, 正常組織, より有意に高値を示し, 腫瘍組織TSと正常組織TS活性値との間には正の相関を認めた。臨床病理学的因子において, 腫瘍および正常組織TS活性値は, 閉経前が閉経後より有意に高値を示した。年齢と正常組織TSとの間には負の相関を認め, その活性値は加齢により減少していた。組織型別の腫瘍組織DPD活性は, 硬癌が最も低値を示した。組織学的異型度別では, Grade 3の腫瘍組織DPD活性値が, Grade 1およびGrade 2より有意に高値であった。また, ER陰性例の腫瘍組織DPD活性はER陽性例より高い傾向を示した。以上より, TSと悪性度との明らかな関係は認めなかったが, DPDは予後予測因子となる可能性が示唆された。
  • 竹村 雅至, 大杉 治司, 高田 信康, 上野 正勝, 木下 博明
    2002 年 27 巻 1 号 p. 68-71
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    高齢者食道癌に対する胸腔鏡下食道切除術の有用性を検討するために従来の右開胸下と胸腔鏡下に食道癌根治術を行った高齢者食道癌例における臨床病理学的因子と術後経過を比較検討した。1995年7月より胸腔鏡下3領域リンパ節郭清を含む根治術を行った75歳以上の9例をT群とし, 胸腔鏡下食道切除術導入以前の1990年1月から1995年6月までに通常開胸下に根治術を行った75歳以上の14例をC群とした。両群の背景因子には差がなく, 手術時間・出血量・郭清リンパ節個数などの手術侵襲の因子にも差がなかった。術2週目までの白血球数・CRP値の変動にも差がなかった。術後合併症では肺炎が最も多くみられた。術死はなかったが, 多臓器不全による在院死亡例がT群に1例とC群に2例みられた。高齢者食道癌症例に対して胸腔鏡下食道切除術は通常開胸と同様に適応できる手技であることが示唆された。
  • 富田 涼一, 池田 太郎, 藤崎 滋, 柴田 昌彦, 福澤 正洋
    2002 年 27 巻 1 号 p. 72-76
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    Soilingを伴う75歳以上の高齢者直腸脱症例9例 (A群 : 全例女性, 75~82歳, 平均77.4歳) の病態を明らかにすることを目的として, S2-4脊髄神経根刺激伝導時間測定検査を行い, 対照症例14例 (B群全例女性, 61~76歳, 平均68.4歳) と比較検討した。A群では全例が経産婦であり, 慢性便秘による排便時怒責を伴っていた。一方, B群では経産婦は少なく, soiling, 慢性便秘, 排便時怒責などを全く認めなかった。伝導時間については, 右側ではA群が4.91±1.06msでB群の4.01±0.43msより有意に延長していた (p<0.01) 。また, 左側も同様にA群が5.05±0.94msでB群の4.11±0.41msより有意に延長を示した (p<0.01) 。以上, soilingを伴う高齢者直腸脱症例では, 左右両側のS2-4脊髄神経の伝導障害が存在するために, 恥骨直腸筋の機能異常が生じ, soilingをきたす可能性があると思われた。
  • 松尾 兼幸, 丸山 圭一, 本田 完
    2002 年 27 巻 1 号 p. 77-82
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    80歳以上の超高齢者胃癌手術症例60例における術後呼吸器合併症と関連する因子について検討した。超高齢者胃癌手術症例の術後呼吸器合併症の発生頻度は10% (6/60) であった。単変量解析による術後呼吸器合併症と関連する因子は, 1) 呼吸器および循環器の両者に関する既往をもち, 2) Coping styleとしてfighting spirits (前向き) を示さず, 3) 麻酔時間が5時間を超えるものであった。また, 多変量解析による術後呼吸器合併症と関連する因子は, 1) 既往歴の数と2) 麻酔時間であった。
  • 石田 秀行, 篠原 一彦, 中田 博, 大澤 智徳, 石塚 直樹, 横山 勝, 猪熊 滋久, 橋本 大定
    2002 年 27 巻 1 号 p. 83-87
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    下部消化管手術における周術期抗菌薬投与の短縮化についてのprospective studyを行った。下部消化管待期手術症例74例を対象に, 術前24時間以内にpolyethylene glycol 2Lでmechanical cleansingを行った後, kanamycinlg+erythromycin 0.8gを3回経口投与した。加刀直前からcefotiamまたはcefmetazol1gを静注し, 3時間を超える手術では追加投与した。結腸手術では術当日ないし第2病日まで, 直腸手術では第2病日 (合計6g) までの投与に限定した。評価可能であった70例のsurgical site infectionはorgan/space infectionの3例 (4%) のみで, incisionalsite infectionは1例も認めなかった。MRSA感染はorgan/space infection2例, remote infection3例の合計5例 (7%) に認めたが, 重症例はなかった。以上の結果から, 下部消化管待期手術において, 術前日から機械洗浄・化学洗浄が開始される場合, 経静脈抗菌薬投与は第2病日までで十分であり, さらに短縮化できる余地があると考えられた。
  • 小川 達哉, 藤原 利男, 小森 俊昭, 小林 謙之, 土岡 丘
    2002 年 27 巻 1 号 p. 88-96
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/06/17
    ジャーナル フリー
    ウリナスタチン (UTI) には, 好中球エラスターゼ, 炎症性サイトカイン産生, 白血球の活性酸素産生抑制作用があり肝虚血再灌流障害に対し予防的効果があると考えられる。われわれは, この点を明らかにするために実験Iとしてイヌ温阻血肝障害モデルを作成し, aspartate aminotransferase (AST), alanine aminotranferase (ALT), lactate dehydrogenase (LDH) の推移を検討した結果, 有効性ありと考えられた。次いで実験IIとしてイヌ同所性全肝移植モデルを用いてUTIの効果を再検討した。評価は, 血液生化学的 (AST, ALT, LDH, 凝固線溶系), 病理組織学的方法で行った。また, 肝細胞傷害の指標の1つとしてアポトーシスの程度を検討した。その結果UTI群は, コントロール (CT) 群に比して, AST, ALT, LDHの値は, 有意に低値を示し (P<0.05), 病理組織学的検討においても肝細胞索の狭小化や断裂, 鬱血, ネクローシスが軽度であった。またアポトース陽性肝細胞の出現率も低い傾向を示した。このことによりイヌ同所性全肝移植モデルにおいても, UTIの予防的投与は移植肝の肝虚血再灌流障害を軽減させる効果があることが示された。
  • 堀口 剛, 小山 研二
    2002 年 27 巻 1 号 p. 97-100
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    多くの国立大学病院では手術時の器械出し業務の一部を医師が行っている。しかし, 医師器械出しに伴う問題点は十分に検討されていない。そこでリスクマネージメントおよび医療効率の観点から器械出しについてのアンケート調査を医師および看護婦に行った。外科系のすべての診療科の医師79人, 手術部看護婦23人より回答を得た。医師が器械出しを担当することにより, 1.異物の体内遺残の危険性の増大2.医療従事者の刺傷事故の危険性の増大3.チーム医療の障害4.医療効率の低下を示唆する結果が得られた。従って, 医師が器械出しを担当する場合には医師に対する器械出し教育が必要と思われた。また, 医師に代わる器械出し業務担当者の確保の検討が必要である。
  • 橋本 和彦, 龍田 眞行, 花井 淳, 池田 正孝, 宮 章博, 石田 秀之, 桝谷 誠三, 古河 洋
    2002 年 27 巻 1 号 p. 101-104
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は77歳, 女性。左乳房C領域に2.4×2.5cmの腫瘤を主訴に平成11年9月当科受診した。乳腺超音波検査では同部位に辺縁不整, 内部不均一な低エコー像を認めた。穿刺吸引細胞診ではClassV, 扁平上皮癌と診断された。平成11年10月左乳房温存術 (Bp+Ax) を施行した。切除標本の病理組織学的所見では, 上皮成分は扁平上皮癌と腺癌が混在しており間質成分は肉腫を認め, さらに扁平上皮癌と肉腫に移行像を認めた。種々の免疫染色を施行した結果, 乳腺紡錘細胞癌と診断した。ER, PgRはともに陰性, n0であった。術後補助療法として放射線療法と経口内分泌療法を施行し, 術後1年現在, 無再発生存中である。
  • 利野 靖, 今田 敏夫, 高橋 誠, 小野寺 誠悟, 塩澤 学, 蓮尾 公篤, 田中 淳一, 菅江 貞亭, 高梨 吉則
    2002 年 27 巻 1 号 p. 105-110
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    早期胃癌を対象として迷走神経温存を伴う幽門保存胃切除術 (PPG) を施行し, 本術式が根治性と機能温存を兼ね備えた術式であることを報告してきた。一方, 腹腔鏡補助下の手術が, 近年数多く施行されるようになり開腹術よりも手術侵襲が少ないことから, 術後の回復がより良好であると報告されている。今回われわれは根治性と機能温存を目的としてPPGを腹腔鏡補助下で施行した。腹腔鏡補助下のPPGは通常の開腹のPPGと郭清, 機能温存は同等であり, さらに早期離床, 疼痛の軽減などの利点があると考えられた。
  • 上田 順彦
    2002 年 27 巻 1 号 p. 111-114
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    胃壁外型有茎性発育を呈したcombined typeのgastrointestinal stromal tumor (以下GIST) の1例を報告する。患者は77歳, 女性。卵巣腫瘍の検査の際に6年前より放置していた左上腹部の腫瘤を再度指摘された。腹部CT検査では胃体部前壁に接して約5cm大の充実性腫瘍を認め, 胃壁との境界は一部不明瞭であった。またMRI検査時には位置が変化した。内視鏡検査では胃粘膜面に異常はなかった。胃壁外型有茎性発育のGISTと卵巣嚢腫と診断し手術を施行した。胃体中部前壁に壁外有茎性発育を示す約6cm大の腫瘍を認めたため, 茎より約2cmの距離をもって胃壁を全層切除した。切除標本の病理組織所見では紡錘形細胞が密に増殖し, 核は中等度異型を示したが核分裂像はわずかであった。免疫染色では腫瘍細胞は平滑筋と神経系マーカーともに陽性でcombined typeのGIST, borderline malignancyと診断された。胃壁外型有茎性発育を呈したこのtypeのGISTの報告は本例が初めてであった。
  • Nobuaki SAKAMOTO, Morio KOHNO, Tatehiko WADA, Kiyoharu UMEZU, Susumu S ...
    2002 年 27 巻 1 号 p. 115-118
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    We report herein a case of idiopathic intussuception in adults. A 70-year-old female was admitted toour hospital because of severe abdominal pain. Abdominal CT scan and echography yielded images of anintussuscepted intestine and enabled us to make a diagnosis of intussusception of the terminal ileum. Laparotomy revealed 20 cm of terminal ileum intussusception distal to Bauhin's valve. Since about 10 cm of the ileum already showed a severe ischemic change, we resected the ileocecum. During the operation, we discovered an anatomical abnormality : the ascending colon was not fixed to the retroperitoneum. However, no organic abnormalities that might have induced the intussusception were detected.
  • 内野 基, 池内 浩基, 山村 武平
    2002 年 27 巻 1 号 p. 119-123
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は38歳男性。平成11年2月, 腹痛にて発症。Crohn病の疑いのもと, 内科的に加療を受けるも, 腹痛は持続していた。5月18日, 激しい下腹部痛を生じ, 汎発性腹膜炎の診断で近医にて緊急手術。盲腸に穿孔部位を認め, 回盲部切除術を受けた。術後, 病理組織にてCrohn病の確定診断がなされたが, 腹痛は持続し, 吻合部狭窄も生じたため, 当院紹介となった。当科では9月30日吻合部および横行結腸部分切除術施行。術後, 成分栄養療法を行うも軽度の腹痛は持続していた。平成12年3月頃より発熱, 腹痛の増強を認め, 横行結腸周囲の膿瘍および下行結腸の狭窄を認め, 4月19日結腸亜全摘, 回腸S状結腸吻合術を施行した。術後約2カ月間は良好に経過していたが8月初旬より発熱, 下腹部痛を生じるようになり入院。入院後イレウス症状が出現, さらに下腹部に, 腹膜刺激症状も認めるようになったため, 9月18日, 緊急手術を施行した。直腸穿孔に伴う, ダグラス窩膿瘍と回腸が直腸病変に巻き込まれたために生じたイレウスと診断し, 回腸人工肛門造設, 腹腔内ドレナージ術を施行した。現在, 成分栄養療法のもと良好に経過しているが, 16カ月間に4回の開腹手術を要した1例であった。
  • 小矢崎 直博, 湊屋 剛, 大西 一朗
    2002 年 27 巻 1 号 p. 124-127
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, 回腸末端部のメッケル憩室内異所性膵が先進部となり腸重積を呈した1例を経験したので報告する。症例は8歳男児。腹痛と嘔吐を繰り返すため来院した。現症では右下腹部に圧痛を認め, 腹部は軽度膨満し, 白血球数17,900/mm3と上昇していた。腹部エコー, CTでは水平断で同心円状の小腸像を認め, 右下腹部では層状に重なる小腸像を認め, 回盲部の腸重積と診断された。緊急手術施行したところ, 回腸同士が重積しており, 整復にて回腸末端より55cm口側回腸に径3cm大のメッケル憩室が内翻し, 整復することによりその最先進部に腫瘤を触知した。手術は憩室のみを切除した。切除標本では憩室中心部の粘膜面に約1cm大の黄色の腫瘍を認め, 組織像から小腸粘膜下の異所性膵であることが判明した。
  • 高久 秀哉, 梨本 篤, 薮崎 裕
    2002 年 27 巻 1 号 p. 128-131
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    1970年1月から1999年12月までの間に県立がんセンター新潟病院外科で手術施行された胃粘膜下腫瘍は101例であった。異所性膵は10例であり, 胃異所性膵の癌化症例を経験したので報告する。症例は, 57歳の男性で, 動悸, 貧血を主訴に来院した。大腸内視鏡検査でS状結腸に2型の腫瘍を指摘された。また, 上部内視鏡検査で胃前庭部大彎側に粘膜下腫瘍を認め, 術中迅速組織診にて腺癌と診断され, S状結腸切除術ならびに胃亜全摘術が施行された。病理組織診では, S状結腸の腫瘍は高分化型腺癌であり, 胃粘膜下腫瘍は異所性膵を伴う低分化型腺癌であった。胃粘膜下腫瘍の組織像は結腸癌の組織像とは明らかに異なっており, 肉眼的にも膵臓に腫瘍は認められず, 胃異所性膵より発生した癌と診断した。
  • 中野 峰生, 近藤 智雄, 五十嵐 敦, 門脇 淳, 日ノ下 文彦
    2002 年 27 巻 1 号 p. 132-138
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    壊死性筋膜炎や非クロストリジウム性ガス壊疽の報告は多数あるが, 褥瘡から生じたと考えられる症例は比較的少ない。今回われわれはTh10以下の脊髄損傷に多発性褥瘡を伴い, このうち右坐骨部褥瘡から非クロストリジウム性ガス壊疽を生じた症例に対して治療する機会をえ, 救命ならびに褥瘡を全て閉鎖できた。また, 褥瘡から生じたガス壊疽あるいは壊死性筋膜炎の本邦症例を集計したところ, 褥瘡から生じたガス壊疽はほぼ非クロストリジウム性で死亡率は41.4%であった。また, 糖尿病の合併は44.8%でその死亡率が38.5%であったが, 非糖尿病でもその死亡率は50%で予後に大差はなかった。これは, 非糖尿病性であっても肢体不自由や精神神経機能障害の合併を有することが多いため, 診断が遅れて病状が極度に悪化して治療に反応し難いため, 予後が悪くなるのではないかと推測した。
  • 工藤 尚文, 児玉 順一
    2002 年 27 巻 1 号 p. 139
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
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