日本外科系連合学会誌
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27 巻 , 4 号
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  • 安田 聖栄, 幕内 博康
    2002 年 27 巻 4 号 p. 598-603
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    転移癌の診断で画像診断は必須である。18F-fluorodeoxyglucose (FDG) を用いるpositron emission tomography (PET) により, 糖代謝の高い癌はFDGの高集積として検出できる。転移性肺癌では肺野病巣のみでなく胸壁, 肺門・縦隔リンパ節, 骨転移も同時に検出できるのが利点である。大腸癌, 膵癌の肝転移は1cm以上あれば高率に診断できる。乳癌骨転移の診断で従来の骨スキャンより優れる。また腹膜転移を検出できるため大腸癌, 卵巣癌の腹膜転移検出で役立つ。原発不明癌にも適用される。ただし腫瘍の組織型により糖代謝の程度が異なることに注意する。またミリ単位の癌で偽陰性になり得るという画像診断としての検出限界を念頭に置く。PET装置の性能が進歩すればさらに小さな病巣が検出可能になると期待できる。
  • 広瀬 和郎, 林田 有市, 千田 勝紀, 藤田 邦博, 村上 真, 廣野 靖夫, 前田 浩幸, 竹内 一雄, 片山 寛次, 山口 明夫
    2002 年 27 巻 4 号 p. 604-615
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    胃癌根治手術534例の術後に, 計画的な経過観察を行い診断した再発115例の治療成績を検討した。全例の再発後の生存期間の中央値 (MST) は9.5カ月, 1年生存率は42%で, 再発後2年以上の長期生存が11例に得られた。肝およびリンパ節再発例は, 腹部CTを含む画像診断を用いて, 無症状な時期に診断される傾向にあった。肝単独再発に対する肝動注化学療法例 (n=7), および, リンパ節再発に対する全身化学療法例 (n=23) では, MST, 2年生存率はそれぞれ31.0カ月, 23.4%, および, 13.0カ月, 17.9%で, それぞれ4例, 3例が2年以上生存した。腹膜再発の早期診断は容易でなく, 再発後のMSTは8.7カ月に過ぎなかったが, 4例では, 手術 (腸管減圧手術, 再発巣切除) と全身化学療法, IVHを併用した集学的治療を行い2年以上生存した。以上より, 肝およびリンパ節再発には定期的な画像診断が有用で, 肝動注あるいは全身化学療法が予後向上に寄与することが示唆された。
  • 富田 涼一, 藤崎 滋, 竹川 本夫, 朴 英智, 丹正 勝久, 福澤 正洋
    2002 年 27 巻 4 号 p. 616-620
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    40歳未満若年者 (A群 : 38例) と75歳以上高齢者 (B群 : 56例) の胃癌切除例で, 低分化腺癌の臨床病理学的比較検討を行った。局在部位ではMはA群, AはB群が, 肉眼型では0型はA群, 浸潤型 (3型, 4型) はB群が明らかに多かった。また, 腹膜播種, 肝転移, 腹腔外遠隔転移ではA群, B群ともに陰性例が最も多かった。壁深達度ではt1はA群が, t2はB群が明らかに多く, 組織学的リンパ節転移ではA群, B群ともに陰性例が最も多かった。リンパ管侵襲と静脈侵襲では, 陽性例はB群が明らかに多く, 浸潤増殖様式ではA群, B群ともにINFγが最も多かった。総合的進行程度ではstage Ia, Ib, IIはA群, stageIIIa, IIIb, IVa, IVbはB群が明らかに多く, 累積5年生存率では, A群 (51.7%) がB群 (25.0%) より明らかに良好であった。以上のことから, A群よりB群では進行度の高いものが多かった。
  • 今津 浩喜, 服部 秀明, 永井 吉造, 内村 正史, 落合 正宏
    2002 年 27 巻 4 号 p. 621-624
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    長期経腸栄養管理における経鼻胃管からの変更, 中心静脈栄養管理下からの離脱を目的として導入した経皮内視鏡的胃瘻造設術 (PEG) の患者背景および合併症について検討した。対象は110症例 (男性46症例, 女性64症例) で, 造設時年齢は28歳から99歳まで平均75.4歳 (±14歳) であった。対象患者のPSはほとんどの症例で3であり, その基礎疾患は脳血管障害 (脳梗塞, 脳出血) が86例 (78%) と大半を占めた。MRSA感染 (57%), 糖尿病 (49%) の合併が多かった。挿入直後の合併症は自己抜去, 腹腔内脱落が4例あった。瘻孔周囲炎は8例 (7%), 胃潰瘍は3例 (3%) に合併した。施行前に認められた上気道MRSA感染例は, 死亡例を除くとPEG後88%で陰性化した。死亡症例はMRSA合併が多く, 肺合併症による死亡例ではさらにその割合が多かった。PEG施行症例は元来嚥下困難例が対象であり, PEG施行後も気道感染のhigh risk groupであることに注意をする必要があると考えられた。
  • 中村 陽一, 長尾 二郎, 斉田 芳久, 高瀬 真, 奥村 千登里, 中村 寧, 片桐 美和, 草地 信也, 炭山 嘉伸, 若山 恵
    2002 年 27 巻 4 号 p. 625-629
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    過去18年間の初発胃癌切除例967例のうち, 同時性多発胃癌53症例の臨床病理学的検討を行った。同時性多発胃癌の頻度は5.5%であり, 高齢者, 男性に多い傾向であった。大半が2重癌であり, 分化型の早期癌が多く隆起型の割合が高かった。副病巣は分化型で腫瘍径10mm以下の早期癌が多く, 術前診断率は41.5%であった。リンパ節転移率は, 多発胃癌と単発胃癌に差を認めなかった。多発胃癌は高分化型早期癌の占める割合が高く, 内視鏡治療のよい適応となる事が予想される。また, 多発胃癌の見落としを少なくするために, 微小病変の診断精度をより向上させる必要がある。
  • 頼木 領, 渡辺 明彦, 仲川 昌之, 佐道 三郎, 山田 貴, 玉置 英俊, 楠本 祥子, 本郷 三郎
    2002 年 27 巻 4 号 p. 630-635
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    胃癌に対するクリニカルパス (パス) の効果を胆嚢結石症のパスと比較し, その有用性と問題点について検討した。腹腔鏡下胆嚢摘出術 (LC) と幽門側胃切除術 (DG) に対してパスを導入し, それぞれのパス導入前の症例を対照群, パス導入後の症例をパス群とした。術後経過, 医療費について比較し, それぞれのパスの有用性について検討した。また二つのパスの効果を比較検討した。LC, DGともに術後合併症の増加は認めず, 術後入院期間はともに約3日間の短縮を認めた。医療費の有意な低下は認めなかった。LCでは全例にパスを適用したのに対して, DGでは術前合併症のため適用できない症例があった。またDGでは, 胃癌病期, 術後合併症, 補助療法が入院を延長させる因子であった。パスは様々な疾患に対して適用可能であり, 同様の効果が期待できると考えられた。しかし胃癌などの悪性疾患に適用する場合は疾患, 治療の多様性を考慮することが必要と考えられた。
  • 天谷 公司, 二宮 致, 西村 元一, 能登 正浩, 木南 伸一, 伏田 幸夫, 藤村 隆, 谷 卓, 萱原 正都, 清水 康一, 太田 哲 ...
    2002 年 27 巻 4 号 p. 636-640
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    過去2年間の消化器外科手術615例を対象とし, surgical site infection (SSI) 発生率および分離菌を検討した。SSI発生率は全体で15.4%, 無菌手術0%, 準無菌手術16.4%, 汚染手術43.2%であり, 手術の汚染度が高度になるほど高率であった。手術臓器別のSSI発生率は多種多数の常在菌が存在する上下部消化管, 特に食道において高率であり, 分離菌種も常在菌を反映していた。分離菌を年代別に比較すると, 第1, 2世代セフェムを主に使用した時期に比べ, 第3世代セフェムを多用した時期ではグラム陽性球菌, 嫌気性菌, 真菌の分離頻度が高かった。SSI発生は常在細菌叢, 担癌状態, 侵襲の大きさ, 周術期に使用される抗菌薬の影響を受け, その予防には抗菌薬の使用に関して十分な配慮が必要であると考えられた。
  • 中川 国利
    2002 年 27 巻 4 号 p. 641-645
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡下胆嚢摘出術における胆管損傷の原因と対策について検討した。対象は当科で施行した腹腔鏡下胆嚢摘出例2228例において, 胆管を損傷した6例とした。損傷部位は総肝管3例, 総胆管2例および右副肝管1例であった。要因として, 胆嚢管同定における誤認, 著明な炎症性癒着, 胆管走行異常などがあげられた。術中に気づいた4例では, 開腹下に胆管損傷部を縫合してTチューブを留置した。クリップによる総肝管閉塞例では術後4日目に除去した。また右副肝管離断によるbilomaを来した例では, 超音波誘導下にドレナージを行うと共に純エタノールによる肝管粘膜凝固固定を行った。いずれの症例でも黄疸や胆管炎の発症はなく, 日常生活に復帰している。腹腔鏡下胆嚢摘出術では三管合流部の位置関係を把握すると共に, 慎重な手術操作が必要である。また胆管損傷の早期発見に努めると共に, 損傷程度や発見時期に応じた適切なる治療を行う必要がある。
  • 藤原 清宏
    2002 年 27 巻 4 号 p. 646-649
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は70歳, 男性。肺癌に対し, 左肺全摘後に気管支断端瘻とMRSA膿胸を発症したため, 胸腔ドレナージし, 内視鏡的閉鎖術を施行した。続いて胸腔内洗浄を行い, 治癒せしめた。
  • 塩崎 哲三, 安藤 隆夫, 山本 哲朗, 松田 光弘, 北島 政幸, 鶴丸 昌彦
    2002 年 27 巻 4 号 p. 650-653
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は53歳, 女性。1995年4月, 胃癌検診において異常を指摘された。5月23日胃内視鏡検査を施行し, 胃角部後壁に粘膜下腫瘍を認めた。年に一回, 内視鏡検査によって経過観察をしていた。1999年12月の検査で増大傾向があり, また形態が変化してきたため, 2000年1月開腹にて摘出術を施行した。腫瘍は漿膜下に存在し, 粘膜には達していない粘膜下腫瘍であった。摘出標本は3.0×2.5×2.0cm大の充実性の腫瘍で, 免疫染色を含む病理組織学的所見よりgastrointestinal stromal tumor (GIST) と診断した。胃粘膜下腫瘍は日常, 内視鏡検査で発見されることが多い疾患である。しかし, 大きさが小さく経過観察される事も多い。諸家の報告によれば3~5cmを超えると悪性の頻度が高くなり, 摘出術の適応と言われている。今回われわれは, 大きさよりも, 形態が変化してきたために摘出術を行うことができた胃GISTの症例を経験したので報告する。
  • 渡瀬 誠, 魚住 尚史, 下村 淳, 門脇 隆敏, 刀山 五郎, 山田 毅, 丹羽 英記, 小川 嘉誉
    2002 年 27 巻 4 号 p. 654-658
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は17歳女性で心窩部鈍痛, 嘔気を主訴に来院した。術前CTでは腸間膜動脈周囲を小腸が渦巻き状に巻き込む“whirl sign”を認め緊急手術を施行した。200cmの小腸が上腸間膜動脈を中心に360度捻転し壊死に陥っていた。先天的な腸回転異常症や既往の手術による癒着などのないことより原発性小腸軸捻転症と診断した。
  • 竹内 幾也, 石田 秀行, 猪熊 滋久, 橋本 大定
    2002 年 27 巻 4 号 p. 659-663
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は57歳, 男性。47歳時から全結腸型の潰瘍性大腸炎に対し, サラゾピリンとプレドニソロンによる内科的治療が行われていたが, 再燃緩解を繰り返していた。発症後10年目に行ったsurveillance colonoscopyでS状結腸に6.0cm大の1型大腸癌が認められた。手術直前までのプレドニソロンの総投与量は68,600mgであった。下部直腸の炎症所見が軽微であることと, dysplasiaを認めなかったことから, 大腸亜全摘 (D3) ・回腸嚢肛門管吻合を行った。組織学的には高分化腺癌, 深達度mpのDukes Aであった。術後, プレドニソロンを漸減し約1カ月で中止した。術後2年経過した現在, 再発の徴候を認めず, 残存直腸粘膜の炎症もほとんど認めていない。長期にステロイドが使用され, かつ大腸癌を合併した潰瘍性大腸炎に対し, 大腸亜全摘 (D3) ・回腸嚢肛門管吻合は妥当な術式のひとつと考えられた。
  • 渡辺 誠, 保田 尚邦, 草野 満夫
    2002 年 27 巻 4 号 p. 664-667
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は57歳の女性。右上腹部に腫瘤を指摘され当科受診した。17歳, 40歳時に下部消化管手術を受けていたが詳細不明であった。注腸検査にて, 上行結腸は肝彎曲部でblind loopとなっており, 同部に壁不整を認めた。横行結腸―小腸およびS状結腸―盲腸吻合がなされていた。また腹部CT検査にて腫瘍のため肝臓は著しく変形し, 周囲臓器への直接浸潤が疑われた。以上より, blind loopに生じた大腸癌と診断し手術を施行した。術式は, 結腸右半切除, 右横隔膜, 胆嚢合併切除, 十二指腸, 肝部分切除, 幽門側胃切除, 胃空腸Roux-Y吻合であった。病理診断は中分化腺癌, 壁深達度はsi (横隔膜, 十二指腸, 胆嚢), n0, StageIIIa, 根治度Aであった。17年以上存在していたblind loopに発癌が生じた極めて興味深い症例で, 発癌との関係について若干の文献的考察を加えて報告した。
  • 沖田 剛之, 石田 秀行, 竹内 幾也, 大西 清, 橋本 大定
    2002 年 27 巻 4 号 p. 668-671
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    結腸癌異時性副腎転移を切除しえた稀な1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する。症例は54歳の男性。2型の上行結腸癌に対し, 結腸右半切除 (D2) を施行した。組織学的には高分化型腺癌, ss, ly1, v1, n2 (+), Dukes'Cであった。術後2年9ヵ月後のCTで右副腎に2cm×2cm大の下大静脈に接した腫瘤を認めた。原発性副腎腫瘍, あるいは結腸癌異時性副腎転移の術前診断で, 手術を施行した。腫瘍は一部で下大静脈に接しており, 右副腎を下大静脈壁の一部とともに摘除した。副腎腫瘍の組織像は結腸癌のそれと酷似しており, 結腸癌副腎転移と診断した。副腎摘除後24ヵ月の現在, 再発を認めていない。自検例を含めた本邦報告14例の検討では, 大腸癌副腎転移切除後の50%生存期間は33.0ヵ月と比較的良好であり, 副腎以外の臓器に転移がない場合には積極的な切除を考慮すべきと考えられた。
  • Nobuaki SAKAMOTO, Motohiro SAIGUSA, Jeong Sik LEE, Yoich WAKAMA, Yasuh ...
    2002 年 27 巻 4 号 p. 672-676
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    We report a case of primary mucinous cystadenocarcinoma of the vermiform appendix. A 54-year-old woman presented to a local clinic with a chief complaint of right lower abdominal pain. A right ovarian tumor was suspected, and the patient was referred to our gynecology department. Surgery was performed for a preoperative diagnosis of right ovarian tumor, but laparotomy revealed a primary tumor of the appendix, and appendectomy was performed instead. The intraoperative pathological examination did not reveal any evidence of malignancy, however, the final histological diagnosis was primary mucinous cystoadenocarcinoma of the appendix, and right hemicolectomy with lymph node dissection (D3) was performed two weeks after the initial operation. The tumor was histological stage II (p0, h0, n0, and ss).Primary mucinous cystadenocarcinoma of the appendix is rare and difficult to differentiate from appendicitis and other diseases preoperatively.
  • 岡村 慎也, 笠巻 伸二, 河井 健, 小野 憲, 山暗 忠光
    2002 年 27 巻 4 号 p. 677-681
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    興味ある画像所見を呈し, 術前診断に難渋した進行S状結腸癌の1例を経験した。症例は50歳, 男性。主訴は下痢, 発熱左下腹部痛。来院時, 左下腹部に圧痛を認めたが, 明らかな腹膜刺激症状や腫瘤を認めなかった。注腸造影検査ではS状結腸に進展不良な不整狭窄像を認め, 大腸内視鏡検査では注腸造影検査に一致して狭窄部の肛門側に粘膜の敷石様変化を認め, 狭窄部を通過すると粘膜の粗造を認めた。大腸内視鏡検査は3回施行したが, いずれの生検でも炎症性変化を認めるのみで, 悪性所見は認めなかった。以上より, 虚血性大腸炎を第一に考え, 保存的治療を行った。しかし, 改善傾向を認めず, 悪性疾患も否定できないため手術を施行した。手術所見は典型的な2型大腸癌であったが, 後腹膜に強固に癒着しており, S状結腸間膜は肥厚し牽縮していた。病理組織学的には癌が後腹膜に穿通したことによる後腹膜脂肪織炎とS状結腸間膜脂肪織炎の併発によって, 典型的な2型大腸癌でありながら興味ある画像所見を呈したものと考えられた。
  • 田中屋 宏爾, 小長 英二, 竹内 仁司
    2002 年 27 巻 4 号 p. 682-685
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は67歳, 女性。全身倦怠感, 食欲不振にて発症した。腹部は膨満しており, 注腸, 大腸内視鏡検査などで直腸Raを中心とする長径14cm, 表面が絨毛状の隆起性病変を認めた。内視鏡は通過可能で比較的軟らかく, 潰瘍は認めなかった。絨毛腫瘍に類似した所見を呈したが, CEAは135ng/mlと高値で, MRIで直腸筋層に基づく信号線が腫瘍により断裂する所見を認め進行癌を疑った。腸閉塞症状の悪化のため, 準緊急でリンパ節郭清を伴う直腸切除術 (Hartmann法) を施行した。術後診断は直腸高分化型腺癌, 1型, ss, n0, 病期IIであった。絨毛腫瘍と1型進行癌との鑑別に, 腫瘍マーカーとMRIが有用であった。
  • 山戸 一郎, 藤井 久男, 小山 文一, 山内 昌哉, 内藤 彰彦, 中島 祥介
    2002 年 27 巻 4 号 p. 686-690
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は79歳, 女性。主訴は肛門部腫瘤。肛門に, 粘液の付着した, 全周性, 直径約5cmの隆起性病変を認めた。また, 膣前壁を介する著明な子宮脱, 膀胱瘤が認められた。大腸内視鏡検査では, 下部直腸から肛門管にかけて存在する, 全周性で小児手拳大の1'型の腫瘤を認めた。MRIでは, 腫瘍は長径約6cmに及び, 肛門より外部に突出するようにして存在した。また, 矢状断にて膀胱と子宮の著明な下垂・脱出を認めた。以上により, 子宮脱, 膀胱瘤を伴い, 肛門より脱出した直腸肛門管癌と診断した。子宮脱, 膀胱瘤に対しての手術は, 経膣式子宮全摘術および膣前壁形成術を行うのが一般的であるが, 本症例では直腸切断術が必須であり, 骨盤底を補強するため腹会陰式直腸切断術に膣閉鎖術および経腹的膀胱子宮吊り上げ術を付加した。骨盤底筋群弛緩症を伴い肛門より脱出した直腸肛門管癌は, 非常に稀な症例と思われるため報告した。
  • 河野 悟, 中田 泰彦, 小池 拓也, 松下 恒久, 神野 大乗
    2002 年 27 巻 4 号 p. 691-694
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    経皮経肝胆道ドレナージ (PTCD) 後の肝内動脈瘤による胆道出血を, 血管造影下動脈塞栓術にて止血しえた1例を経験したので報告する。症例は25歳, 女性。平成12年9月胆石症にて胆1嚢摘出術を施行した。平成13年4月になり腹痛, 黄疸にて当院受診, 血液検査, エコー, CT, MRCPにて胆嚢摘出後の胆道狭窄による閉塞性黄疸と診断し, PTCDを施行した。PTCD挿入後16日目に胆道出血を認め, 3日間のクランプを行った。その後は良好な胆汁の流出を得ていたが, 2回目の胆道出血を呈し, CT・血管造影にて肝S3に仮性動脈瘤の所見を認め, 金属コイルを用い塞栓術を行った。その後は胆道出血も認めず減黄は良好で, 総肝管切除+胆管空腸吻合術を行い経存過良好にて退院した。胆道出血の多くは保存的に軽快し得るが, 血管造影下の塞栓術が有効であった本症例の如く, 肝動脈瘤に遭遇することを念頭におき加療する必要があると考えられた。
  • 小澤 修太郎, 大畑 昌彦, 篠塚 望, 松本 隆, 小川 展二, 宮澤 光男, 俵 英之, 上笹 直, 小山 勇
    2002 年 27 巻 4 号 p. 695-698
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は35歳,女性。1997年11月, 左季肋部痛にて当院受診。画像検査にて脾上極に径10×13cm大の嚢胞を認めた。血液検査においてcarbohydrate antigen 19-9 (CA19-9) が529U/mlと高値を示した。翌日, エコーガイド下に嚢胞の穿刺を施行し縮小を認めた。その後, 再び嚢胞の増大を認めたため手術となった。1998年1月, 脾摘出術を施行。摘出脾臓は780gで嚢胞の大きさは10×8×9cm大で単胞性, 内容液は500mlであった。CA19-9の免疫組織学的染色を行い嚢胞上皮でのCA19-9の強陽性を認めた。脾嚢胞は稀な疾患であるが画像検査の発達とともに年々増加している。CA19-9と脾嚢胞との関係はまだ不明瞭であるが, 本症例の治験経過を中心に若干の考察を加えて報告する。
  • 上西 宏, 梶間 敏彦, 田中 千凱
    2002 年 27 巻 4 号 p. 699-702
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は80歳, 男性。平成13年6月14日下腹部痛があり近医を受診した。腸閉塞を疑われて当院内科へ紹介入院となったが, 翌日腹痛が増悪したため当科へ紹介された。絞扼性イレウスの診断にて緊急手術を行った。術中所見では回腸間膜の異常裂孔に回腸とS状結腸が各々逆方向から嵌頓しており, 広範な腸管壊死を認めた。回腸135cmとS状結腸55cmを切除した。術後経過は良好であった。
  • 紹野 進, 大杉 治司, 高田 信康, 竹村 雅至, 木下 博明
    2002 年 27 巻 4 号 p. 703-706
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は67歳の女性。繰り返す発熱, 腹痛にて入院精査となった。虫垂炎の疑いで外科紹介となったが, 血液学的炎症反応や腹膜刺激症状が軽度であったため, 抗生物質投与による保存的療法を行った。その後腸閉塞となり診断と治療目的で開腹術を施行した。開腹にて腸閉塞は索状物による内ヘルニアと診断された。腹膜および腸間膜全体に白色米粒大~粟粒大の小結節が多数あり癌性腹膜炎が疑われたが, 原発巣は不明であった。索状物を切離し, 腸間膜リンパ節と小結節を生検し, 病理組織学的検査にて結核性腹膜炎の診断をえた。原因不明の腹部症状のある慢性炎症性疾患では結核性腹膜炎も考慮すべきであると思われる。
  • 古川 健司, 山本 雅一, 福田 晃, 今泉 俊秀, 高崎 健
    2002 年 27 巻 4 号 p. 707-711
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は28歳, 女性。16歳時に原付バイクで事故を起こし腹部打撲, 5年前に人間ドックで膵臓に嚢胞を指摘された。今年になり腹痛, 背部痛出現したため, 他医を受診し, 腹部computed tomography (CT) およびmagnetic resonance cholangio-pancreatography (MRCP) で膵尾部に約15cm大の多房性嚢胞を指摘され, 当院紹介入院となった。腹部超音波検査では左後腹膜~膵尾部に隔壁を有する嚢胞性腫瘤を認め, CT検査では, 同部位に19×12×9cmのlow densityで, 多房性の嚢胞性腫瘤を認めた。入院後検査も兼ねて嚢胞をドレナージしたが, 縮小傾向がみられず, 腫瘍も否定できなかったため, 後腹膜嚢胞性腫瘍の疑いで嚢胞摘出術を施行。腫瘤は大きさ125mm×50mmの多房性嚢胞性腫瘤で, 嚢胞内溶液は黄色透明で漿液性であり, 組織学的に後腹膜嚢胞腺腫と診断された。後腹膜の上皮性腫瘍は極めて稀であり, 悪性の割合も高く, 質的診断が困難であるため, 腫瘍摘出が必要であると思われた。
  • 佐治 重豊
    2002 年 27 巻 4 号 p. 712
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 窪田 吉信, 野口 純男
    2002 年 27 巻 4 号 p. 713
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 窪田 正幸
    2002 年 27 巻 4 号 p. 714
    発行日: 2002/08/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
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