日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
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28 巻 , 2 号
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  • 行方 浩二, 岩田 豊仁, 高森 繁, 児島 邦明, 深澤 正樹, 別府 倫兄, 二川 俊二
    2003 年 28 巻 2 号 p. 147-153
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    肝硬変・門脈圧亢進症例にHassab手術を施行した8例 (A群), S状結腸癌に対してS状結腸切除術を施行した7例 (B群), 転移性肝癌に対して肝部分切除術を施行した11例 (C群) を対象として, 血清ヒアルロン酸 (HA), IV型コラーゲン7S (7S), interleukin 6, human-hepatocyte growth factorを経時的に測定した。A群は全例が術後systemic inflammatory response syndrome (SIRS) となり, その内6例に術後合併症を認めた。HA値, 7S値はA群でB, C群に比べて手術前後で有意 (p<0.01) に高値をとった。Hassab手術前後のHA値, 7S値は, 術後SIRS例を評価する上で有用なマーカーであると考えられた。
  • 西村 元一, 尾山 勝信, 宮下 知治, 二宮 致, 北川 裕久, 伏田 幸夫, 藤村 隆, 萱原 正都, 太田 哲生, 三輪 晃一
    2003 年 28 巻 2 号 p. 154-158
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    術後の上部消化管出血抑制の目的で投与されるH2受容体拮抗剤のうちranitidineはin vitroにて活性化好中球や炎症性サイトカインを抑制する作用を有するとされている。今回大腸癌手術症例20例を2群に分け術後にranitidineもしくはfamotidineの投与を行い, 術後の血中サイトカイン等の推移に及ぼす影響について検討を行ったところ, 顆粒球エラスターゼは全体的にranitidine群の方がfamotidine群よりも低値であり, 特に12時間後および5日後の測定値では有意差を認めた。またIL6も3日後, 5日後はranitidine群がfamotidine群より低値であった。術後のSIRSの期間もranitidine投与群の方が短縮していた。以上よりranitidineは術後の炎症性サイトカインを有意に抑制させることから, 術後のranitidineの投与は上部消化管出血の予防以外に, 術後SIRSからの早期離脱効果も期待できる可能性があるものと考えられた。
  • 小林 直哉, 興津 輝, 岩垣 博巳, 野口 洋文, 上田 忠佳, 田中 紀章
    2003 年 28 巻 2 号 p. 159-163
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    正常ヒト肝臓内皮細胞にレトロウイルスベクターSSR#69を使用し, simian virus 40 large T抗原を形質導入しHNNT-2細胞を樹立した。遺伝子導入していない親細胞ではpopulation doubling level (PDL) 20で老化したが, HNNT-2細胞はPDL 65まで分裂を続けた。RT-PCR法にてHNNT-2細胞では第8因子, flt-1, KDR/flk-1, CD34, hepatocyte growth factor (HGF) の遺伝子発現が認められた。また, HNNT-2細胞は活発にLDLを取り込み (scavenger機能が陽性), マトリゲルアッセイでは巣状構造を構築した (血管新生能が陽性) 。
  • 守本 芳典, 岩垣 博己, 小寺 正人, 田中 紀章
    2003 年 28 巻 2 号 p. 164-166
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    重症感染症においてはリンパ球のなかでもT細胞の減少が観察されるが, その動態に関しては不明な点が多い。重症肺炎患者のT細胞のFas発現とアポトーシスの関連を検討した。患者T細胞には, T細胞レセプター刺激にてアポトーシスが誘導された。また, このアポトーシスはIL-2の投与により救済された。患者のT細胞のアポトーシスにはCD45RO+メモリーT細胞のFasが関与していた。また, 患者血清中に可溶性IL-2レセプターの増加が認められた。これより, 重症感染症患者ではT細胞は「活性化による細胞死 (activation-induced cell death; AICD)」と呼ばれる現象に陥っており, その救済にはIL-2の投与が有効であると考えられた。
  • 鳥井 孝宏, 宮澤 光男, 小山 勇
    2003 年 28 巻 2 号 p. 168-170
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    Tissue engineering によって肝組織を再構築するためには, 3次元構造物 (scaffold) に対する肝細胞の遊走, 接着, 凝集を制御することが必要である。われわれは, 回転式ラジアルフロー型バイオリアクター (RRFB) でずり応力を負荷し, 肝細胞膜表面の操作およびscaffoldの作り出す間隙の環境変化を導き出し, 肝細胞のscaffoldへの接着性の制御を試みている。このような肝細胞動態を積極的に制御する研究は現在までのところあまりない。肝組織再構築のためには, このような観点からのさらなる検討が必要である。
  • 宮澤 光男, 小山 勇
    2003 年 28 巻 2 号 p. 171-174
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    Tissue engineeringによって肝組織を再構築するためには, 細胞, 細胞の足場となる基質 (scaffold), 細胞を接着させる環境を適当に機能させることが必要である。このうち細胞選択のための研究はかなり進歩してきているが, 特に, 細胞の接着性, 動態をどのように制御するかというようなscaffoldと細胞との環境を整備する研究が遅れている。肝組織再構築のためにはscaffold内において肝細胞がどのような動態を示すかを解明し, 自由に接着させる方法を開発することが必要である。さらに, 近未来には, tissue engineeringの構造物として, 生物学的シグナルも組み込んだ, 生態系や生細胞と共存できるscaffold作製が期待される。
  • 小林 直哉, 興津 輝, 都津川 敏範, 丸山 昌伸, 林 伸幸, 中路 修平, 田中 紀章
    2003 年 28 巻 2 号 p. 175-180
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    生きた肝細胞の合成能や代謝能を積極的に利用し肝不全治療に応用しようとするバイオ人工肝臓 (bioartificial liver, 以下BALと略す) が注目されている。高性能なBALの開発は, 創薬や薬物代謝の検定モデルにも使用できる応範囲の広いものである。BALには健常ヒト細胞が理想であることは間違いないが, 世界的なヒトドー肝臓の不足からES細胞, 肝幹細胞, 骨髄細胞, 異種動物の肝臓細胞などの利用が研究されている。われわれは, これまで細胞のソースとして取扱いの容易なヒト細胞株の樹立及び当該細胞の分化誘導療法の開発に努めてきた。本稿では, こうしたわれわれの一連の研究と世界のBAL治療の現状を議論する。
  • 上野 正紀, 宇田川 晴司, 堤 謙二, 木ノ下 義宏, 小柳 〓久
    2003 年 28 巻 2 号 p. 181-186
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    (目的) m3/sm1食道癌に対する縮小治療を前提に, 従来の臨床病理学的項目に加え, 浸潤形態および粘膜下層浸潤距離 (sm浸潤距離) とリンパ節転移の関係を検討した。 (対象と方法) 術前治療なく根治切除されたm3癌32例, sm1癌33例を対象とした。浸潤形態は癌辺縁部の浸潤像からinvasive type (I型) とnon-invasive type (N-I型) に分類した。 (結果) m3癌の18.8%, sm1癌の24.2%にリンパ節転移を認めた。m3癌ではly (+) とI型にリンパ節転移が多かった。sm1癌ではI型はリンパ節転移の可能性が高く, N-I型においてはsm浸潤距離が小さい症例は転移がなかった。 (結語) m3癌ではly (-) のN-I型, sm1癌ではsm浸潤距離≦300μmであるN-I型はリンパ節転移がなく, EMRなど局所治療のみで完治できる可能性が高い。
  • Takashi OGATA, Norio AOYAMA, Youichi KAMEDA, Shunsuke YANOMA, Youhei M ...
    2003 年 28 巻 2 号 p. 187-194
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    Lymph node metastasis or vessel invasion may occur in superficial esophageal squamous cell carcinoma when it invades the muscularis mucosae. Membrane type 1-matrix metalloproteinase (Mtl-MMP) and CD44 variant 6 (CD44v6) are reported to play an important role in cancer invasion and metastasis.Therefore, we investigated whether Mtl-MMP and CD44v6 may be useful factors for prognosis and indication of endoscopic mucosal resection (EMR) in superficial esophageal carcinoma and whether the two parameters have any relationships. Seventy patients with superficial squamous cell carcinomas curatively resected without additional treatment between 1991 and 2000 at the Kanagawa Cancer Center were analyzed for Mtl-MMP and CD44v6 expression by immunohistochemical staining. The expression of Mtl-MMP was 28.6%, and it significantly correlated with depth of invasion and lymph node metastasis. The expression of CD44v6 was 44.3% and it was closely associated with depth of invasion and lymphatic permeation. There was no significant relationship between the expression of Mtl-MMP and CD44v6, but patients with expression of Mtl-MMP positive and CD44v6 negative had a high tendency of lymph node metastasis and poor prognosis. We conclude that the expression of Mtl-MMP and CD44v6 may be a significant indicator of EMR in superficial esophageal carcinoma.
  • 吉田 和弘, 田辺 和照, 藤井 大輔, 上野 秀晃, 峠 哲哉
    2003 年 28 巻 2 号 p. 195-199
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    胃癌細胞株を用い, 細胞増殖に及ぼす影響を検討し, 細胞周期関連遺伝子やアポトーシス関連遺伝子の発現を検討した。さらにcDNAマイクロアレイを用いて, 増減する遺伝子の検索を行った。胃癌6株について, ノスカールにて処理すると, 胃癌ではほとんど全ての細胞株にて増殖抑制が確認された。さらにDNAの断片化が起こることが確され, アポトーシスを起こしていることが解った。このメカニズムとして, mRNAや蛋白の解析をおこなうと, p27の増加やG1サイクリンの低下のみならず, caspase 8およびcytochrome Cの増加が認められた。その他増殖因子・レセプター系遺伝子の発現も低下が認められ, これらの薬剤はPPAR γを介した新たな分子標的治療として有用であるのみならず, chemopreventionとして有用である可能性も考えられた。
  • Hideo SUDO, Yu TAKAGI, Shigeru TSURUI, Soh KATAYANAGI, Kazushige ITO, ...
    2003 年 28 巻 2 号 p. 200-206
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    Background : In recent years, research has been conducted on the sentinel lymph node (SN) in relation to diverse forms of cancer. In addition, many multicentral clinical trials on breast cancer are currently in progress in many parts of the world. With respect to gastrointestinal malignancy, research has been started at numerous institutions, primarily in Japan. Yet it is still not clear whether the concept of the sentinel lymph node can be established. In the present study, therefore, a comparative investigation was made of the distribution of cases with actual metastatic lymph nodes among patients with gastric cancer in order to see if the concept can be established. Methods : Radioisotope (RI) was injected preoperatively into patients diagnosed with early gastric cancer and the sentinel lymph node was detected postoperatively. SN cases were defined as ones in which the lymph node RI magnitude was 0.02% ID or greater. A comparison was made between the distributions of SN and of metastatic lymph nodes (MN) in cases of early gastric cancer that had been excised. Results : The SN could be detected in 40 of 41 cases, and 35 of these cases could be diagnosed as pathological early cancer. However although no metastasis was found in the first lymph node group, metastasis was positive in the second lymph node group for both the MN group and SN group ; the positive cases appeared at approximately equal frequency for these groups. According to the N-category of the Japanese classification of gastric carcinoma and the lymphatic basin, tiwas found that the distributions of the MN group and SN group were roughly equal statistically. Conclusion : The distribution of cancer cells and RI in lymph nodes was roughly equal. Since the possibility that the true SN is present in lymph nodes detected by RI is high, it is indirectly related to the background of the SN concept in gastric cancer.
  • Yuichi FUKASAWA, Tatsuya AOKI, Akihiko TSUCHIDA, Motoo SHINOHARA, Tate ...
    2003 年 28 巻 2 号 p. 207-213
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    In order to elucidate the role of transforming growth factor β1 (TGF-β1) in gastric cancer tissue, the influence of TGF-β1 produced by tumor cells on lymphocytes or stroma cells was investigated. Cancer cell strains taken from gastric cancer tissue were used to clarify TGF-β1 production by gastric cancer cells.Measurements by the ELISA method of TGF-β1 production volume in culture supernatant indicated that TGF-β1 of high NUGC-2 is produced. In addition, the culture supernatant of cell strains was used to investigate apoptosis induction in various cells, and it was found that conspicuous apoptosis is induced in T cell and B cell strains and that the same results were obtained with recombinant TGF-β1. Next, the contribution of the caspase family, the apoptosis praxis molecules, was analyzed and it was found that caspase 1, 3, and 8 are predominant in culture supernatant, whereas caspase 3 and 9 are predominant in recombinant TGF-β1. These results suggest that the humoral factors produced by gastric cancer cells, including TGF-β1, induce apoptosis in T and B lymphocytes by activating caspase, and thus could cause a reduction in tumor immunity.
  • 中田 博, 石田 秀行, 大澤 智徳, 猪熊 滋久, 鈴木 毅, 山田 博文, 小高 明雄, 星野 高伸, 村田 宣夫, 橋本 大定
    2003 年 28 巻 2 号 p. 214-219
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    大腸穿孔症例に対する polymyxin-B 固定化繊維による直接血液灌流法 (PMX) の役割を明らかにするため, retrospective studyを行った。PMX導入を境に前期群 (n=33) と後期群 (n=28) に分けた場合, 後期群では APACHE II scoreなどから判断してより重症と考えられる13例 (46%) にPMXが行われた。PMX施行後に20%以上の収縮期血圧の上昇がみられた8例中5例は生存したが, 改善しなかった5例はいずれも死亡した。累積30日生存率も前期群78.6%, 後期群72.9%で有意差を認めなかった (p=0.53) 。後期PMX施行群の30日生存率も APACHE II scoreをマッチングさせた前期対照群 (n=13) との間で有意差を認めなかった (p=0.57) 。以上から, PMXの導入自体が大腸穿孔症例 (重症, あるいは全体) の予後を改善する程の効果は期待できないが, 重症例での循環動態の改善を認めることがあり, 今後PMXの適応症例の絞り込みが重要であると考えられた。
  • Keizo YONEDA, Nobuaki SAKAMOTO, Tatehiko WADA, Akira MAJIMA, Koichiro ...
    2003 年 28 巻 2 号 p. 220-227
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    Purpose:The purpose of the present study was to elucidate the significance of the Th1/Th2 balance of Tc1 activity before and after surgery in patients with advanced colon cancer.
    Subjects :The subjects were 30 patients with advanced colon cancer. There were 10 Dukes' B cases, 10 Dukes' C cases, and 10 Dukes' D cases. In addition, 10 healthy subjects were used for reference as a control group.
    Results :Conclusion : Comparison of the Dukes'B cases with the controls showed that Th1, Th2, and Tc1 activity were all increased before surgery, and no changes were observed after surgery. Based on the percentage change between before and after surgery, the Th1/Th2 balance had improved postoperatively. Suppression of the Th1/Th2 balance was observed in the Dukes' C cases at least at 1 month postoperatively. However, the levels of Tcl activity were higher than the controls both preoperatively and postoperatively.
    Conclusion The percentage change after surgery showed postoperative improvement of the Th1/Th2 balance in th Dukes' B cases, and there appeared to be a state in which Tc1 activity was being effetively utilized. Posoperative suppression of the Th1/Th2 balance was observed in the Dukes' C cases, sugesting that it may not have improved. However, since Tc1 activity was higher than in the controls both preoperatively and postoperatively, it appeared to be important to improve the Th1/Th2 balance and bring Tc1 activity to a more beneficial condition by immunotherapy methods, beginning in the early postoertive period.
  • 馬島 辰典, 加藤 孝一郎, 坂本 啓彰, 小方 二郎, 小柳 〓久
    2003 年 28 巻 2 号 p. 228-236
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    大腸癌切除26例にフロモキセフナトリウム (フルマリン(R)以下FMOX) を執刀直後に1g静脈投与し,血清,腹水,腸管吻合部近傍組織と腸間膜内リンパ節中濃度を経時的に測定,術中抗菌薬非投与群 (以下非投与群) 37例と術後感染症を比較した。各組織の濃度は目標細菌のminimum inhibitory concentration (MIC) 80を120分以上越えていた。腫瘍が亜全周の10例は,口側腸間膜リンパ節に投与後早期に高濃度が得られ,抗菌薬のリンパ節移行性が推測された。術後感染症発生頻度は非投与群と比較して投与群に低く,大腸切除術後感染発症阻止には術中FMOX投与が有用で,120分以上の手術では追加投与すべきである。今後,抗菌薬術中投与はクリニカルパス (CP) への導入が示唆された。
  • 岡本 規博, 丸田 守人, 前田 耕太郎, 小出 欣和
    2003 年 28 巻 2 号 p. 237-241
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    1988年から2002年の間に手術を施行した直腸脱37症例 (完全直腸脱28例, 不完全直腸脱9例) について検討した。男女比は1 : 1.5と女性に多く, 年齢は24歳から87歳であった。病悩期間は5年以上の症例が約50%に認められ, 多くは脱出を主訴に来院した。全体の6例 (16%) には, 括約筋不全に伴う排便困難, 便漏れ症状を認めた。治療は症状が軽度の症例や高齢者には三輪-Gant手術を施行し, それ以外の症例には直腸後方固定術を基本的に行い, 症例によっては全骨盤底修復術も付加した。また近年では腹腔鏡下手術も導入し, 腹腔鏡下後方固定術を7例に施行した。経過観察期間が短いものの, 開腹および腹腔鏡下後方固定術を施行した全例に再発は認めず, 排便機能面においても充分な満足度が得られたが, 三輪-Gant手術施行例では全体の5例 (36%) に再発を認めた。
  • Munetaka MORI, Tatsuya AOKI, Shin ENOSAWA, Mitsufumi ENDO, Tomoyuki MI ...
    2003 年 28 巻 2 号 p. 242-250
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    The bulk of renal transplants in Japan are cases of living related transplantation in adults. Nevertheless, for a variety of reasons, renal transplantation from pediatric donors has not been actively pursued and there has been virtually no fundamental investigation pertaining to pediatric renal transplants. In the present study, we investigated the characteristics of ischemia reperfusion injury to the immature kidney.
    The animals used in experiments were female Sprague-Dawley rats weighing 250 g or 300 g, used as adult rats, and Sprague-Dawley rats 2 weeks old, used as neonate rats. First the right kidney was excised and then the left renal artery and vein were clamped for 1 or 2 hrs. Survival rates 24 and 48 hrs after reperfusion were measured, as were serum BUN, creatinine and TNF-α. Expression of TNF-α mRNA in kidney, small intestine, liver, lung and spleen were also measured. In the histological examination, DNA synthetic activity was investigated using hematoxylin-eosin staining and the bromodeoxyuridine (BrdU) labeling index.
    24 hrs after 1-hr clamping, no significant difference in survival rate could be noted between the adult group and neonate group. On the other hand, 24 hrs after 2-hr clamping, a statistically significant difference was recognized between the two groups, with the survival rate at 78.6% for the adult group but only 16.7% for the neonate group. Whereas the survival rate 48 hrs after 2-hr clamping was 27.3% for the adult group, it was only 7% for the neonate group. The survival rate dropped sharply for both groups but no significant difference was recognized. Serum BUN and creatinine values increased in both groups but there was no significant difference. TNF-α in serum and tissue increased conspicuously only in the neonate group. In both groups, the BrdU labeling index increased more in rats undergoing ischemia reperfusion than in rats undergoing kidney excision alone.
    The results indicate that in terms of survival rate and TNF-α, the neoate group as donor is somewhat inferior to the adult group. However, there are no differences between the two groups in serum BUN and creatinine. Because DNA synthetic activity is higher in the neonate group, it is believed that the group could serve amply as transplant donor if postoperative regeneration can be skillfully induced.
  • Nobuaki SAKAMOTO, Jiro OGATA, Keizo YONEDA, Munetaka MORI, Kenichiro H ...
    2003 年 28 巻 2 号 p. 251-256
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    In 1968 Steichen described a method of anastomosis called “functional end-to-end anastomosis” in which a linear anastomosis device and linear suture device were used to create a side-to-side anastomosis anatomically. We assessed the usefulness of a 100 mm linear stapler to perform functional end-to-end anastomosis during open surgery in 153 cases of advanced colon cancer. There have already been several reports on this technique, our own experience shed light on the following problems and points concerning the technique which have not been reported previously. First, the stump at the blind end must be buried with purse-string sutures, because the blind end on the proximal side in particular is exposed to the greatest pressure. Second, in left hemicolectomies the anastomotic portion often lies over the ligament of Treitz, and by raising it with 2-3 sutures on the gastric side, the anastomotic portion comes to rest in a more physiological position. Third, in sigmoidectomies, if the cutter is fired with the inverted opposite antimesenteric sides turned inward as in the conventional method, the anastomosis sometimes comes to lie immediately to the left of the aorta, whereas if the cutter is fired with the inverted opposite anti-mesenteric sides turned outward, the anastomosis often comes to rest in a more physiological position. The duration of the anastomosis procedure was approximately 5 to 8 minutes, there were no particularly major complications. This is a very useful method not only in gastrointestinal surgery, but in other disciplines as well.
  • 三松 謙司, 大井田 尚継, 久保井 洋一, 川崎 篤史, 福澤 正洋
    2003 年 28 巻 2 号 p. 257-260
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    腹会陰式直腸切断術後の会陰創〓開は,その処置のために入院期間の延長を余儀なくさせ,患者のQOLを低下させる。われわれは直腸切断術後に生じる骨盤内死腔に大網充填を行い,会陰創感染,創〓開を防止する方法を施行している。今回その有用性について大網充填群 (P群;6例) と非充填群 (N群;6例) に分け,臨床的に比較検討した。検討項目は,術後のドレーン排液量,術後のドレーン挿入期間,会陰創〓開率の3項目である。術後のドレーン排液量は,N群557±288ml,P群423±312mlで有意差は認められなかったが,P群で少ない傾向にあった。術後のドレーン挿入期間は,N群11.6±2.9日,P群6.8±2.4日とP群で有意に短かった。会陰創〓開率はN群50%,P群33.3%あった。われわれの行っている腹会陰式直腸切断術後の骨盤底への大網充填はドレーンの留置期間を有意に短縮させ,患者のQOLに貢献する有用な方法であると考えられた。
  • 堀井 有尚, 矢嶋 幸浩, 遠藤 和伸, 宮田 剛, 永田 靖彦, 福澤 正洋
    2003 年 28 巻 2 号 p. 261-265
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,男性。約2.0cmの胃粘膜下腫瘍を指摘され経過観察されていた。平成13年12月,血液検査にてCEA 3.0ng/mlと軽度の上昇を示したため,胃の精査加療目的にて入院となった。入院時,LDH1,848u/lと著明な上昇がみられた。上部消化管内視鏡検査では,胃体上部小彎側に径約3.0cm大の表面平滑な隆起性の腫瘍病変が確認され直ちに生検術を施行した。結果はGroupIII,Consistent with GISTであったため,全身麻酔下胃部分切除術を施行した。病理組織学的検査では,免疫染色法を施行した結果c-kit (+),CD34 (+) であり,s-100protein,SMA,EMAは全て陰性でありGISTとして矛盾しない所見であった。術後特に合併症を引き起こすことなく,血中CEA値も1.7ng/mlに低下し経過良好にて退院となった。
  • 山口 和也, 宮下 薫, 藍澤 喜久雄, 浅海 信也, 轟木 秀一
    2003 年 28 巻 2 号 p. 266-270
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は64歳, 男性。1999年6月2日早期胃癌の診断にて, 小開腹, 胃切開による粘膜切除術を受けた (M (mm), ly0, v0, LM (-), VM (-)) 。経過観察中にCEAの上昇を認めたため精査を行ったところ, 胃小彎のリンパ節腫脹を指摘され, リンパ節再発の診断で2001年7月31日幽門側胃切除術, D3郭清を施行した。病理結果は胃に遺残再発を認めないものの, 大動脈周囲リンパ節にまで転移を認めた。粘膜切除標本の追加切片で粘膜下へのリンパ管浸潤が確認され, 胃壁外のリンパ管浸潤あるいはリンパ節の微小転移が再発の原因であったと考えられた。胃癌取扱い規約に従った病理検索を行ったにもかかわらず, リンパ管浸潤を指摘しえなかった症例であった。分割であれば endoscopic mucosal resection (EMR) が可能と判断されていたことから, EMR可能病変の大動脈周囲リンパ節再発という稀な症例であるとともに, EMRの適応拡大に慎重に対処すべきと考えられ報告した。
  • 渋谷 慈郎, 中熊 尊士, 大島 行彦, 柿田 章
    2003 年 28 巻 2 号 p. 271-274
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は42歳の女性。右下腹痛を主訴に当科を受診。腹部超音波およびCTで完全内臓逆位を認めた。腹痛の精査目的に行った注腸造影で横行結腸にapple core signを認めた。大腸内視鏡検査で横行結腸に2型腫瘍を認め, 完全内臓逆位症を伴う横行結腸癌と診断した。根治手術として横行結腸切除, D3リンパ節郭清を行った。完全内臓逆位を伴っていたものの, 他に著明な解剖学的異常はなくまた術前に血管造影を行い血管の走行を確認していたため安全に手術を施行することができた。
  • 森 琢児, 丹羽 英記, 山田 毅, 刀山 五郎, 渡瀬 誠, 門脇 隆敏, 小川 嘉誉
    2003 年 28 巻 2 号 p. 275-278
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    今回, われわれは腹壁の巨大腫瘤で発見された大腸癌の腹壁転移例を経験したので報告する。症例は68歳, 男性。平成9年9月19日に, 右季肋部に腫瘤を認めたため, 近医受診し当院紹介となる。注腸にて, 上行結腸の圧排と横行結腸癌をみとめ, CT, USにて右季肋部腹壁にφ15×18cmの巨大腫瘤を認めた。大腸癌の腹壁転移と診断し平成9年10月24日, 拡大結腸右半切除術, 腹壁腫瘤切除術を施行した。右季肋部の腫瘤は, 上行結腸に直接浸潤していたが, 原発の横行結腸癌とは連続性を認めなかった。病理学的に大腸癌の腹壁転移と診断された。以上に文献学的考察を加え報告する。
  • 山本 広幸, 広瀬 由紀, 藤井 秀則, 田中 文恵, 馬場園 豊
    2003 年 28 巻 2 号 p. 279-283
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は50歳, 男性。2000年1月, 他院で経仙骨的に直腸の粘膜下腫瘍摘出術を受ける。今回, 2002年9月21日, B型急性肝炎のため消化器科で入院加療を受け, 同時に全身の精査にて直腸の病変も指摘され, 手術目的にて当科紹介となる。画像検査では, 下部直腸右側に約5cm大の壁外性で多発の腫瘤を認め, 前医での手術摘出標本も再検討した結果, 直腸GISTの再発の術前診断にて2002年11月26日腹会陰式直腸切断術を施行した。術後の病理検査では, 紡錘細胞の束状交錯腫瘍で, 核異型は乏しいが, 高倍10視野で0~2個の核分裂像を認め, これらの所見は前回の手術標本の組織像と同じであった。免疫染色ではc-kit, CD34は陽性であり低悪性度の直腸GISTの再発と診断した。GISTは悪性度が低くても長期にわたる経過観察中に再発を認める症例も存在するため, 長期の経過観察が必要であり, また治療に関しては全層切除の必要性が示唆された1例であった。
  • 山村 憲幸, 仲原 正明, 黒住 和史, 榊原 哲夫, 山吉 滋, 中尾 量保
    2003 年 28 巻 2 号 p. 284-288
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は77歳, 男性。主訴は下腹部痛。平成9年2月, 虚血性心疾患に対し冠動脈バイパス術を施行。第4病日に下腹部痛が出現。超音波検査, CT検査にて門脈内にガス像を認めた。急性上腸間膜動脈閉塞症による腸管壊死と診断し, 緊急開腹手術を施行。Treitz靱帯より肛門側220cmから回腸末端15cm口側まで, 腸管の壊死と血流障害を認めた。腸間膜動脈の拍動は良好で, 非閉塞性腸管虚血と診断した。壊死腸管を約2m切除し, 小腸瘻を造設した。術後経過順調で, 3カ月後に小腸瘻を閉鎖した。術後5年6カ月の現在健在である。門脈ガス血症は腸管壊死などで生じる稀な病態で, 予後不良と言われている。門脈ガスの診断には, 超音波検査・CT検査が有用で, 腸管壊死が疑われる急性腹症では躊躇なく緊急開腹することが望ましい。
  • 石井 洋治
    2003 年 28 巻 2 号 p. 289-293
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は60歳, 女性。当初, 総胆管結石による黄疸症状と考え, 内視鏡的治療を行ったが, 途中でMirizzi症候群とわかり, 手術を施行。嵌頓した結石により胆嚢と総胆管の間に一部, 圧迫壊死による内瘻形成をきたしかつconfluence stone状態であった。難渋したが最終的に肝管空腸吻合を行い, その後順調な経過を辿った症例を経験した。さらに肝管空腸吻合術を行ったMirizzi症候群症例の文献的考察を行った。これからは十分な術前検査, 診断を行い, 非侵襲的な体外衝撃波結石破砕術の適応も考慮して, Mirizzi症候群に対する総合的な治療方針を決めるべきと考える。
  • 中野 達夫, 安居 利晃, 佐久間 寛
    2003 年 28 巻 2 号 p. 294-298
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    術中胆道造影では異常を指摘しえなかったものの, 術中胆道内圧測定上異常を認めたためCチューブを留置し, 術後遺残結石を診断しえた胆管結石症の1例を経験した。症例は87歳の女性。右季肋部痛, 発熱を主訴に近医受診。術前精査にて急性胆嚢炎を伴う胆嚢結石症および胆管結石症の診断にて腹腔鏡下胆嚢摘除術および胆管切石術を施行した。胆管切石後, 3枚法による術中胆道造影にて遺残結石は描出されなかったが, 術中胆道内圧測定にて異常高値を示したためCチューブを留置した。術後のCチューブ造影にて2個の遺残結石を認め, 内視鏡的乳頭バルーン拡張術 (endoscopic papillary balloon dilation : EPBD) により除石した。術中胆道内圧測定は, 十二指腸乳頭機能評価のみならず, 遺残結石の補助診断としても有用な術中検索方法であると考えられた。
  • 今北 正道, 能勢 勝義, 坂上 均, 西田 豊, 三嶋 康裕, 岸本 圭互, 八幡 朋子, 若狭 研一
    2003 年 28 巻 2 号 p. 299-302
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    今回, われわれは腸管膜様包裏症 (peritonitis chronica fibrosa incapusulata) の1手術例を経験したので報告する。症例は72歳の男性, 某医でイレウスの診断にて保存的治療を受け, 入退院を繰り返していたが改善せず当科紹介され入院後手術を施行した。Treitz靱帯より回盲部までが白色の被膜に覆われ, その内部では全小腸が一塊に癒着しており被膜切除と癒着剥離術を施行した。
  • 川崎 篤史, 大井田 尚継, 久保井 洋一, 三松 謙司, 福澤 正洋
    2003 年 28 巻 2 号 p. 303-305
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は64歳, 女性。右季肋部痛を主訴に当院内科を受診。画像検査により胆石, 胆嚢炎, 総胆管結石症と診断された。手術目的で術前検査を施行したところ, 血清コリンエステラーゼの異常低値を認めた。その他の血液検査所見には異常は認めず, 肝疾患および消耗性疾患の存在は否定された。手術は全身麻酔下, 開腹胆嚢摘出術, 総胆管切石術, Tチューブドレナージ術を施行した。麻酔導入および術中筋弛緩にはベクロニウム (非脱分極性筋弛緩薬) を用いた。術後経過は良好で, 術後26日目に退院となった。術中の筋弛緩は手術を安全に施行する上で, 特に開腹手術では不可欠である。現在, 術中に使用される筋弛緩薬は, その作用機序により脱分極性のものと非脱分極性の2者に大別される。血清コリンエステラーゼ異常低値の病態は非常に稀であるが, 筋弛緩薬の使用についてはその適応や種類, 合併症に留意し, 特に血清コリンエステラーゼによって分解される脱分極性筋弛緩薬の使用は避けるべきである。
  • 田尻 孝, 徳永 昭
    2003 年 28 巻 2 号 p. 306
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
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