日本外科系連合学会誌
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30 巻 , 2 号
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  • 木村 剛, 木全 亮二, 斎藤 友香, 西村 泰司, 陳 海文
    2005 年 30 巻 2 号 p. 102-109
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    既にいくつかの地方自治体が健診にPSA (前立腺特異抗原) の項目を入れている現在, 日々の臨床で前立腺癌の診断について悩むのは1) PSA4.0以上なら全例生検してもよいのか, 2) 生検が陰性の場合どの様にフォローアップすればよいかで, この点を中心に最近の知見および筆者らの研究結果を報告した。
  • 近藤 幸尋, 鈴木 康友, 濱崎 務, 西村 泰司, 陳 海文
    2005 年 30 巻 2 号 p. 110-117
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    前立腺全摘除術は限局性前立腺癌に対する最も根治性の高い治療法の一つである。前立腺全摘除術は恥骨後式前立腺全摘除術が最も普及しているが, その他に会陰式前立腺全摘除術や腹腔鏡下前立腺全摘除術も少なからず行われている。適応とoutcomeを考慮しつつ慎重に手術術式の選択をする必要がある。
  • 吉田 和弘, 西村 泰司, 近藤 幸尋, 木村 剛, 陳 海文
    2005 年 30 巻 2 号 p. 118-122
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 西村 泰司, 本多 了, 橘 政昭, 滝沢 佐奈江, 水町 重範, 陳 海文
    2005 年 30 巻 2 号 p. 123-125
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    会員制クリニックの人間ドックで1993年から1998年の間に症状のない203名に前立腺癌検診を行い尿路感染症を伴っていず血清PSA (前立腺特異抗原) 値が高ったのは11名であった。そのうち患者の了承が得られて生検を行ったのは5名で, うち3名 (1.48%) に前立腺癌を認め, 前立腺全摘除術の適応と診断し同手術を施行した。メンバー退会のため2名が消息不明だが, 前立腺全摘除術を受けた3名は術後平均7年でPSA再発を含め再発を認めず, 残りの6名ではその後の健診でも前立腺癌は発見されていない。会員性クリックの役割はほとんどが予防医学にあると思われるが, 今回の調査対象203名において前立腺癌に関しては, 少なくとも現時点では当クリニックの役割を果たせたと考えた。
  • 石田 秀行, 白川 一男, 大澤 智徳, 岡田 典倫, 中田 博, 横山 勝, 猪熊 滋久, 橋本 大定
    2005 年 30 巻 2 号 p. 126-133
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    5-Fluorouracil (FU) のリン酸化に最も重要なOrotate phosphoribosyltransferase (OPRT) の大腸癌組織中mRNA発現と臨床病理学的因子との関係および, 5-FU系抗癌剤の臨床効果との関係について検討した。大腸癌および正常大腸粘膜のOPRT mRNA発現をβ-actinを内部標準とした半定量的RT-PCR法で求めた。癌部と正常粘膜の間でOPRT mRNAの発現に差はなく (n=22, p=0.98), 癌部のOPRT mRNA発現と臨床病理学的諸因子との関連も認められなかった (n=22) 。転移・再発大腸癌のうち, 5-FU系抗癌剤の有効例 (CR+PR, n=12) と無効例 (SD+PD), n=16) の間でOPRT mRNAの発現に差はなかった (p=0.98) 。OPRT mRNAの高発現群 (n=7) と低発現群 (n=21) (cutoff : 1.2) に分けて検討しても, progression-free survivalに差はみられなかった (p=0.69) 。以上から, 大腸癌におけるOPRT mRNA発現と臨床病理学的因子との関係は乏しく, その発現レベルのみから5-FU系抗癌剤の効果を予測することは困難であることが示唆された。
  • 大田 耕司, 吉田 和弘, 田邊 和照, 檜原 淳, 山口 佳之, 峠 哲哉
    2005 年 30 巻 2 号 p. 134-138
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    食道アカラシアに対する腹腔鏡下手術後に食道検査機能検査を施行し, 手術の食道機能および愁訴への効果について検討した。保存的治療抵抗性の食道アカラシア4症例に腹腔鏡下にHellerのMyotomyの後, 1例はToupet法, 3例にDor法にて噴門形成術を施行した。術後経口摂取の開始は平均4.3日で, 全例2週以内に退院可能であった。アンケート調査では, つかえ感が改善し逆流感の悪化もなく, 術後の投薬は3例で不要となった。LES圧は平均40.8より8.3mmHgに低下した。また, 術前後で食道体部の蠕動波は変化を認めなかった。術後のpHモニタリングでは1例で食道内の酸逆流を認めたが, そのほかの症例では認められなかった。腹腔鏡下食道アカラシア手術は愁訴や食道機能の点からも有用な治療手段であることが示唆された。
  • 山田 卓也, 關野 考史, 吉田 直優, 宮原 利行, 木山 茂, 竹村 博文
    2005 年 30 巻 2 号 p. 139-142
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は18歳の男性。主訴は呼吸困難。既往歴に脳性麻痺による精神遅滞とてんかん発作がある。1999年頃から頸部腫脹の進行とともに呼吸困難とてんかん発作の増加を認めるようになり来院した。前頸部に弾性軟・表面平滑・可動性不良な腫瘤を触知した。頸部CTで甲状腺右葉は54×37×113mm, 左葉は65×54×80mm大に腫大し, 気管は胸骨切痕を中心に長径24mm, 横径4mmの狭窄を認めた。甲状腺腫による気管狭窄と診断し, 気管支鏡ガイド下に挿管後, 甲状腺全摘術を施行した。甲状腺は, 前頸筋・気管・食道等への浸潤は認めず, 圧排性の発育を示し, 病理組織診断は腺腫様甲状腺腫であった。術後24時間の挿管・人工呼吸器管理を行い, 合併症なく第8病日に退院した。術後3年間, 呼吸困難とてんかん重症発作は認めていない。
  • 寿美 哲生, 望月 眞, 勝又 健次, 李 正植, 鈴木 芳明, 加藤 文昭, 高木 眞人, 青木 利明, 青木 達哉
    2005 年 30 巻 2 号 p. 143-147
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は70歳の女性。右乳癌の診断で2000年9月, 当院にて胸筋温存乳房切除術 (硬癌, pT2, pN0, M0, stage IIA) を施行した。2002年7月CA15-3の上昇を認め, 2002年11月CT検査にて乳癌の子宮および卵巣転移, 卵巣腫瘍が疑われ, 2003年1月, 単純子宮全摘+両側付属器切除+大網切除術が施行された。病理組織学的に子宮体部~頸部, 両側付属器, 大網, 腹膜にびまん性の腫瘍浸潤を認め, 乳癌の腹膜転移と診断された。術後化学療法を施行したが2003年7月より皮膚転移, 腹水再貯留を認め, 2003年11月に死亡した。生存中に診断される, 乳癌の腹膜転移は少ないが, 術後経過観察に注意を要すると考え報告した。
  • Noriyasu SHIROTANI, Norie JIBIKI, Akiyoshi SESHIMO, Michiro ITABASHI, ...
    2005 年 30 巻 2 号 p. 148-153
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    This report describes a new case of primary malignant melanoma of the esophagus (PMME) and reviews the recent literature. A 66-year-old Japanese woman with loss of appetite was examined by endoscopy, and a pigmented polypoid mass about 1.0 cm×1.0 cm in size in the lower third of the esophagus was detected, identified by biopsy as a malignant melanoma. No pigmented lesions of the skin or eyes, rectum, or elsewhere were observed and a diagnosis of PMME was made. A sub-total esophagectomy was carried out and 9 months after surgery the patient was found to have metastases, which had become very progressive.This case had an extremely poor prognosis despite various therapeutic efforts. PMME is a rare neoplasma, with only 238 cases having been reported in the overseas literature through 2002, and 198 cases reported inJapan through 2003. Although characterized by an aggressive biological behavior, for cases in Japan, esophagectomy can result in a 5-year survival rate of up to 30.7%.
  • Takeo MAEKAWA, Koichi SATOH, Hiroshi MAEKAWA, Ryo WADA, Michio MATSUMO ...
    2005 年 30 巻 2 号 p. 154-159
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    Primary malignant melanoma of the esophagus is a rare type of malignant neoplasm, with an extremely poor prognosis. We describe our experience with a patient who had a primary malignant melanoma arising in the esophagus. A 76-year-old woman felt something stuck in her throat while eating at the beginning of February 2002. A dark-blue protruding lesion was found in the gastroesophageal junction by a local physician, and the patient was referred to our department for further evaluation. Physical examination revealed no abnormal pigmentation of the skin, eyegrounds, oral cavity, or anus. Upper gastrointestinal endoscopy disclosed a dark-blue protruding lesion (2 cm in diameter) at the gastroesophageal junction. Malignant melanoma of the esophagus was diagnosed by biopsy. On March 24, 2002, lower esophagectomy and total gastrectomy were performed by means of a left thoracoabdominal incision. The melanoma was classified as stage I on the basis of operative findings (no arterial invasion, no lymph node metastasis, no distant metastasis, and no portal invasion). Examination of the resected specimen revealed a dark-blue lesion (3 × 2 × 1.7 cm) at the gastroesophageal junction. Histopathological findings established the diagnosis of malignant melanoma.
  • 今野 宗一, 勝部 隆男, 濱口 佳奈子, 島川 武, 成高 義彦, 小川 健治, 相羽 元彦
    2005 年 30 巻 2 号 p. 160-163
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は45歳, 女性。進行胃癌術後27病日, 左下腿の有痛性腫瘤, 右大腿の腫脹感が出現し当科受診, 精査目的に入院した。下腿CT検査で, 左腓腹筋内にリング状に造影される腫瘤像を認めた。大腿MRI検査で, 右大腿筋内にT2強調像で高信号の境界比較的明瞭, 内部不均一な腫瘤像を認めた。穿刺生検で胃癌の骨格筋転移と診断し, TS-1/CDDP併用療法による化学療法を施行した。2クール後の下腿CT検査で, 左腓腹筋内の腫瘤は縮小し, 効果判定はPRであった。3クール施行中, 癌性腹膜炎を併発し永眠されたが, TS-1/CDDP併用療法はPRの効果が得られ, 胃癌骨格筋転移に対し有用な治療法と考えられた。
  • 須藤 日出男, 高木 融, 伊藤 一成, 片柳 創, 鴇田 博美, 須田 健, 向出 将人, 日比 康太, 土田 明彦, 青木 達哉
    2005 年 30 巻 2 号 p. 164-168
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    胃癌術後, 十二指腸断端の縫合不全に対し, 経皮的にフィブリン糊を充填し短期間に瘻孔を閉鎖できた症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。症例は65歳, 男性。残胃癌, 肝転移の診断で, 残胃全摘, Roux-en Y再建, 肝外側区切除術施行。第5病日にWinslow孔ドレーンより胆汁様の浸出液を認め, 腹部CT検査で膵前面に膿瘍腔と思われる低吸収域を認めた。ドレーンの持続吸引および抗生剤を使用し, 徐々に炎症所見の改善を認めた。瘻孔造影にて十二指腸断端の縫合不全と診断し持続洗浄を開始した。細く長い瘻孔が形成されたが完全閉鎖には至らず, 第56病日に経皮的にフィブリン糊充填を行った。瘻孔の閉鎖を確認し第64病日退院となった。感染のない径の細い瘻孔の形成がフィブリン糊充填による瘻孔閉鎖を促し, 十二指腸縫合不全治癒につながったと考えられる。
  • 李 慶文, 三橋 宏章, 織畑 道宏, 森脇 稔
    2005 年 30 巻 2 号 p. 169-173
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は62歳, 女性。全身倦怠感と背部痛を主訴に近医を受診。腹部超音波検査で総胆管の拡張を指摘され当科へ紹介となった。精査により十二指腸乳頭部癌 (非露出腫瘤型) と診断し, 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術 (PPPD-II) を施行した。肝転移, 腹膜播種は認めず, 十二指腸乳頭部に1.5×1.0×1.0cmの腫瘍を認めた。病理組織診断の結果は十二指腸乳頭部腺扁平上皮癌, Acbp, pPancla, pDu0, pN0, pEM0, ly0, v0, StageIIであった。治癒切除が行われたが, 術後4カ月で肝転移を認め, 11カ月で死亡した。十二指腸乳頭部腺扁平上皮癌は稀な疾患であり予後不良である。今後は, 肝転移や局所再発に対する集学的治療が必要と考えられた。
  • 樫塚 久記, 山本 雅敏, 西脇 英敏, 植田 剛, 細井 孝純, 今川 敦史
    2005 年 30 巻 2 号 p. 174-177
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は85歳, 女性。腹痛, 腹満感および嘔吐を主訴に近医を受診。腸閉塞の疑いで精査加療目的にて入院となった。入院時, 腹部単純X線検査でniveauを伴う著明な小腸ガス像を認め, 腹部CT検査で著明に拡張した小腸を認めた。腸閉塞と診断し, イレウス管を挿入した。イレウス管を用いた小腸造影検査で回腸に約5cm大の境界明瞭な陰影欠損像を認めた。腸石による腸閉塞と診断, 自然排出は困難と考え手術を施行した。回腸末端から210cm口側の回腸内に硬い腫瘤を認め, 小腸部分切除術を施行した。腫瘤は5.5×3.5×3.0cmの腸石で, 主成分は脂肪酸カルシウムであった。今回, われわれは術前に腸石イレウスと診断しえた症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
  • 井上 潔彦, 中尾 照逸, 塚本 義貴
    2005 年 30 巻 2 号 p. 178-181
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は51歳, 男性。右下腹部痛にて来院された。腹部所見では軽い腹膜刺激症状を認めた。腹部X線検査で鏡面像, 腹部CT検査にてwhirl signを認めた。小腸軸捻転症と診断し緊急手術を施行した。開腹したところ, 軽度の膿性腹水が貯留していた。小腸の検索を行うと自然に捻転は解除され全小腸が検索できた。回腸終末から50cm口側の小腸を起点として, 約60cmの鬱血した腸管および腸間膜に散在する小さな血腫を認めた。壊死には陥っておらず, 捻転解除のみで手術を終了した。本症例は癒着や異常索状物, 腸回転異常などに起因せず, 原発性小腸軸捻転症と診断した。本邦では成人の原発性小腸軸捻転症は稀であり, 開腹既往のない症例に限ると24例が報告されているのみである。腹部CTが本疾患の早期診断に有用であり, 早期の手術が望まれる。
  • 上西 宏, 若原 正幸, 梶間 敏彦, 田中 千凱
    2005 年 30 巻 2 号 p. 182-185
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    88歳女性。平成16年1月9日当院整形外科で左大腿骨頸部骨折の診断により腰椎麻酔下に観血的整復術を施行された。1月11日より食後の腹痛があり, 次第に症状が増悪したため翌日当科へ紹介された。腹部CTで門脈内ガス血症と下部小腸の腸管嚢腫様気腫症を認めた。造影CTでSMA, SMVは造影されていた。1月13日小腸壊死を疑い, 緊急手術を施行した。術中所見では小腸全体に分節状かつ非連続性の点状出血斑を認め, 回腸末端部付近に約20cmの壊死部を認めた。以上の所見より非閉塞性腸管梗塞症と診断した。術後経過はほぼ良好であった。
  • 小島 豊, 権田 厚文, 佐藤 徹也, 関 英一郎, 櫻井 秀樹
    2005 年 30 巻 2 号 p. 186-190
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は90歳女性, 主訴は腹痛, 嘔気・嘔吐。腹部単純X線写真で腸閉塞の診断で入院。腹部CT検査で脂肪腫を先進部とした下部小腸の腸重積を疑い, 緊急手術となった。開腹所見は回盲部より約50cm口側で, 回腸が8cmにわたり順行性に重積していた。血行障害を認めなかったので, 腸重積を徒手整復したところ先進部に3cm大の弾性軟の腫瘤を触知した。回腸に小切開を加え腸管内を検索したところ, 3cm大の茎を有する表面平滑で弾性軟の腫瘤を認めた。腫瘤が先進部と考えられたため, 腫瘤を含め小腸部分切除術を施行した。術後経過良好で, 術後3週間で退院となった。病理組織学的検査では先進部となった腫瘤は径35×30mm大のIp型の脂肪で悪性所見は認めなかった。最近5カ年 (1999-2003) に本邦で報告された小腸脂肪腫を先進部とした成人腸重積症27例に自験例を加え文献的に考察した。
  • 大原 泰宏, 高橋 公一, 小川 展二, 小澤 修太郎, 篠塚 望, 小山 勇
    2005 年 30 巻 2 号 p. 191-194
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    腹痛を主訴に当院救急部を受診。緊急で腹部CT検査を施行し, 腸管の同心円状構造と内部にfat densityの腫瘤を認めた。このことから小腸脂肪腫を先進部とする小腸腸重積を疑い, 同日緊急手術を施行した。手術はHatchinson手技による整復と先進部の腫瘍の切除を施行した。病理所見では粘膜下層の成熟した脂肪組織からなる腫瘍で, 悪性所見を認めなかった。一般的に小腸脂肪腫は予後良好な疾患で, われわれが調べえた限りでは死亡例の報告はない。自験例も術翌日から経口摂取を開始し, 術9日後に退院となった。
  • 石崎 哲央, 和田 建彦, 勝又 健次, 土田 明彦, 青木 達哉
    2005 年 30 巻 2 号 p. 195-198
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は87歳男性。平成15年11月27日突然の腹痛にて発症, 近医にて腹膜刺激症状を認めたため当科紹介受診となった。画像所見にて腹腔内遊離ガス, 造影効果のある腸管壁肥厚像を認め, 消化管穿孔による汎発性腹膜炎の診断にて同日緊急手術を施行した。開腹すると回盲弁から30cm口側に穿孔を伴う弾性軟な腫瘤性病変を認め, 同部位を含め小腸部分切除, 腹腔ドレナージを行った。病理組織所見でNon-Hodgkin lymphoma, diffuse large B-cell-typeと診断した。穿孔を伴った小腸悪性リンパ腫の病期はstageIIIであり, とくに急性期予後は不良と報告される。今回穿孔性腹膜炎にて発症, 緊急手術にて救命しえた小腸悪性リンパ腫の1例を経験したので若干の文献的考察を含め報告する。
  • 水谷 知央, 松友 寛和, 森 美樹, 丸井 努, 玉置 基継, 佐治 重豊
    2005 年 30 巻 2 号 p. 199-202
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    症例は76歳, 男性。72歳時に直腸癌にてマイルズ手術を施行した。術後数カ月後より人工肛門周囲に膨隆を認めた。最近になり人工肛門部の膨隆と違和感を訴え, 立位にて小児頭大の膨隆を認めた。人工肛門頭側に約5cm大のヘルニア門を認め, 根治術目的で入院となった。再発や転移の所見はない。手術は全身麻酔下, 腹部正中切開で開腹した。腹腔内から観察すると人工肛門部頭側にヘルニア門が存在し, 直径5cmと大きく, 直接縫合による修復は困難と考えた。メッシュプラグを欠損部に挿入し, その上からソフトメッシュを逢着した。術後経過は良好で, 現在再発は認めていない。人工肛門造設後の合併症の一つとして傍人工肛門ヘルニアがあるが, 修復困難であったり, 再発率も高いとの報告がある。欠損部が大きく, 直接縫合困難な傍人工肛門ヘルニアに対し, Marlex(R) メッシュプラグ (Bard) を用いた修復術を施行した。感染に対しての工夫や注意をすることで, 簡便で効果的な結果が得られた。
  • 長田 真二, 八幡 和憲, 棚橋 利行, 奥村 直樹, 坂下 文夫, 田中 千弘, 松井 康司, 高橋 孝夫, 長尾 成敏, 山口 和也, ...
    2005 年 30 巻 2 号 p. 203-209
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    Polysaccharide-Kureha投与と局麻下穿刺式凍結治療 (PCS) を併用した胃癌両葉多発肝転移2症例の経過概要を報告する。症例1は63歳, 男性。2年前に胃全摘術 (H1, P0, t2, n2, stageIV) を施行し, 術後より全身化学療法を行い一旦は軽快したが再び肝腫瘍およびリンパ節の増大を認めた。週1回のペースでPCSの反復治療をしたところ, 血清amyloid A (AA) 値が847μg/mlまで上昇し, Th1/Th2バランスは4回目治療後の33%を最高値として以降高値を保った。腹部CTにて肝腫瘍とリンパ節の明らかな縮小を認めた。症例2は59歳, 男性。膵体尾脾合併胃全摘術を施行 (H0, P0, t2, n2, stageIIIA) 後, 3カ月目に多発肝腫瘍を認めた。PCSを3回施行し治療部腫瘍の壊死となったため, 現在経過観察中である。血清AA値は上昇しTh1/Th2バランスは高値で維持されている。
  • 石川 慶大, 竹之内 伸郎, 屋比久 孝, 宮本 正樹, 近藤 哲
    2005 年 30 巻 2 号 p. 210-214
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は19歳, 女性。右季肋部痛あり, 1~3カ月毎に同様の症状を繰り返していたが放置していた。再度右季肋部痛出現し, 近医受診。同院での腹部超音波検査にて胆嚢が同定不能であった。右季肋部痛は改善されず, 当院受診。入院後腹部超音波検査, 腹部CT, MRCP施行したが, いずれも胆嚢は同定されなかった。他部位にも明らかな所見は認められず腹痛の原因は不明であった。入院後も症状が持続していたことから, 胆嚢炎による胆嚢萎縮も考慮し, informed consentに基づいて, 診査腹腔鏡を施行した。腹腔鏡所見では, 胆嚢, 胆嚢管とも同定できず, 先天性胆嚢欠損症と診断された。また虫垂は認められなかった。先天性胆嚢欠損症は, 胆道系の奇形の中でも稀なものであると考えられ, 腹腔鏡にて本症の確定診断が得られた報告例は本邦にて10例と少ない。本症をみたときは先天奇形や悪性腫瘍等の合併疾患の出現を念頭におくことが必要と思われる。
  • 相馬 大人, 水島 恒和, 山東 勤弥, 位藤 俊一, 水野 均, 井手 春樹, 福家 信二, 光田 信明, 岩瀬 和裕
    2005 年 30 巻 2 号 p. 215-219
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    症例は38歳, 女性。発熱, 下腹部痛, 下痢を主訴に当院を受診した。細菌性腸炎を疑い, 絶食の上抗生剤による治療が行われた。しかし, 入院5日目には腹膜刺激症状が出現し, 血液検査では白血球31,200/μ1に増悪した。腹部CT検査では, 腹水の増加, 胆管壁の肥厚が認められたため, 汎発性腹膜炎の診断で試験開腹術を施行した。術中所見により, 骨盤腹膜炎の増悪による汎発性腹膜炎と診断した。腹水からはA群β型溶連菌が検出された。術前膣分泌物からも同菌が検出されており膣からの上行性感染が疑われた。自験例では, 骨盤腹膜炎を来しうる産婦人科的要因がなく, 起炎菌がA群β型溶連菌と稀であったため診断, 治療に難渋し汎発性腹膜炎を併発したと考えられた。
  • 森川 康英
    2005 年 30 巻 2 号 p. 220-221
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 竹村 博文
    2005 年 30 巻 2 号 p. 222-223
    発行日: 2005/04/30
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
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