日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
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32 巻 , 4 号
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原著
  • 柴尾 和徳, 中山 善文, 日暮 愛一郎, 平田 敬治, 岡本 好司, 小西 鉄巳, 永田 直幹
    2007 年 32 巻 4 号 p. 605-610
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    幅広い抗菌スペクトラムを持つ注射用ニューキノロン系薬pazufloxacin mesilate (PZFX) の術後感染症に対する有用性について検討した。PZFXを使用した32症例を対象とし, ASAスコア, 年齢, 手術汚染度などの背景因子, 先行抗菌薬, 転帰などについて検討した。術野感染 (SSI) が21例, 術野外感染 (RI) は5例であった。PZFXを投与した32例中, 有効例は28例で有効率は87.5%であった。無効例は重度の基礎疾患, 合併症を併発していた症例であった。直前投与薬別のPZFXの臨床効果は, 第1世代セフェム系薬90.0%, 第2世代セフェム系薬77.8%, 第3・4世代セフェム系薬100%, カルバペネム系薬87.5%であった。PZFXは前投与された抗菌剤の種類に関係なく, 優れた治療効果を示した。PZFX投与に伴う副作用は認められなかった。PZFXは外科領域感染症に対して有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • Taijiro KOSAKA, Hiroyoshi MIURA, Kuniaki KOJIMA, Seiji KAWASAKI, Hiroa ...
    2007 年 32 巻 4 号 p. 611-616
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    Background : Assessment of the biological malignancy of DCIS is important as a factor related to indications for breast-conserving therapy and subsequent stump recurrence. We assessed the biological malignancy of each grade in the Van Nuys (VN) Classification and the Nottingham (Nott) Classification. Methods : The surgical specimens from 24 patients with DCIS were examined. Immonohistochemistry was used to assess the expression of ER, p53, Ki-67 (MIB-1), and Her2/nue in the tumor cell of 24 patients with DCIS. We classified DCIS by VN and Nott systems and compared Grade 3 tumors with the other grades (Grade 1 and 2).
    Results : VN Grade 3 (VN3) DCIS had high ER-negative (P=0.01) and P53-positive (P=0.05) rates, and frequently had a high Ki67 1. I. (P=0.03). Three of the 4 specimens highly positive for Her2/nue (P=0.08) were VN3. The Nott Grade 3 (Nott3) specimens were all ER-negative (P=0.03) and frequently P53-positive (P=0.04), and all had a high Ki67 L. I (P=0.04). Similar to VN3 DCIS, 3 of the 4 specimens highly positive for Her2/nue (P=0.003) were Nott3. However, 3 specimens that were judged to be nuclear grade (NG) 3 noncomedo type DCIS and VN3 were classified as Nott 1 and 2, not Nott 3. Of these 3 specimens, 2 were ER-negative, 1 was p53 positive, and 2 had a high Ki67 L. I., indicating that non-Nott 3 cancer is not necessarily low-malignant. Conversely, all Nott3 cancers were classified as VN3.
    Conclusion : The results suggested that the nuclear-grade-based VN system may be a more reliable classification in terms of grade of malignancy that the histological-type-based Nott systems.
  • 中村 幸生, 弓場 健義, 山崎 芳郎, 籾山 卓哉, 伊藤 章, 赤丸 祐介, 大野 喜代志, 春日井 務
    2007 年 32 巻 4 号 p. 617-621
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    当院で1997~2006年の間に手術を施行した残胃の癌32例を対象とし, 臨床病理学的に検討した。介在期間10年以上の症例を残胃新生癌 (以下10年以上群) と定義した。10年以上群13例と残胃新生癌以外 (以下10年未満群) 19例とを比較検討した。10年以上群で有症状の症例が多い傾向にあったが有意差はなかった。肉眼型は10年以上群で進行癌が多い傾向にあり, 深達度は10年以上群でSS以深の症例が多い傾向にあったが有意差はなかった。残胃の背景粘膜は, 10年以上群では吻合部胃炎が多い傾向にあったが有意差はなかった。10年未満群では腸上皮化生・萎縮性胃炎を持つ症例が14例 (74%) と有意に多かった (p=0.0162)。累積生存率は10年未満群で有意に高かった。初回病変の良悪性, 初回手術からの期間にかかわらず, 胃切除症例では定期的な経過観察が重要と考えられた。
  • 永川 裕一, 土田 明彦, 小澤 隆, 粕谷 和彦, 斉藤 準, 池田 隆久, 青木 利明, 青木 達哉
    2007 年 32 巻 4 号 p. 622-626
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    目的 : 尾側膵切除症例において切離方法別による膵液瘻発生率と発生要因を解析し, その防止策を検討した。方法 : 尾側膵切除が施行された56例を対象とした。膵切離法はメス・電気メス (従来法), ハーモニックスカルペル (HS), 自動縫合器が用いられ, 各膵切離法において膵液瘻発生率およびその臨床・病理組織学的要因に関する検討を行った。結果 : 膵液瘻発生は従来法群 (21.7%), HS群 (23.8%) と比較し自動縫合器群 (16.7%) が最も少なかった。術後在院期間も自動縫合器群が有意に良好であった。膵断端の病理組織像において, HS群では膵組織に線維化を伴った症例では膵液瘻発生がなかった。自動縫合器群では, 良性腫瘍や膵断端の線維化を伴わない正常膵で有意に膵液瘻発生が少なく, 一方, 膵断端が厚い症例では有意に発生率が高かった。考察 : 膵液瘻発生防止のため, 切離方法は, 膵炎の有無, 膵断端の厚さによって使い分けることが必要であると思われた。
臨床経験
  • 松永 和秀, 朝村 真一, 小坂 正明, 遠所 瑞拡, 楠原 廣久, 磯貝 典孝
    2007 年 32 巻 4 号 p. 627-631
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    2001年1月から2005年12月までの5年間のうち顔面骨折にて, 機能面または整容面から手術適応と診断し, 全身麻酔下にて顔面骨折整復手術を施行した65歳以上の高齢者について検討した。高齢者は28例で全症例403例の6.9%であった。受傷部位をみると65歳未満の非高齢者は鼻骨が最も多かったが, 65歳以上の高齢者は頬骨が最も多かった。受傷原因をみると非高齢者は交通事故が最も多かったが, 高齢者は転倒・転落が最も多く過半数を占めていた。高齢者の転倒・転落のうちの過半数が平坦地でのつまずきであった。受傷時期をみると非高齢者は季節によって偏りはなかったが, 高齢者は冬が全体の半数近い値を占めていた。高齢者の冬の受傷のうち6割が転倒・転落であったことから, 高齢者は寒さで動作が緩慢となる時期に転倒・転落し, 顔面骨折をきたす可能性が高いことが示唆された。
  • 鈴木 恵史, 富永 幸治, 星野 光典, 成瀬 博昭, 福島 元彦, 横川 秀男, 伊藤 一成, 冨岡 英則, 藤田 竜一, 村田 順
    2007 年 32 巻 4 号 p. 632-637
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡補助下胃切除術 (LAG) は導入する施設が増加しているが, いまだに私立民間病院で導入している施設は限られている。われわれは早期胃癌に対するLAGを導入しており, 民間グループ病院3病院におけるLAG導入初期成績および技術支援について検討し報告する。現在までに幽門側胃切除 (DG) 18例, 幽門保存胃切除 (PPG) 4例, 噴門側胃切除 (PG) 3例を施行。郭清程度はD1+β18例, D1+α6例, D1 1例。平均手術時間, 出血量はそれぞれDG : 317.7分, 116.4ml。PPG : 332.0分, 128.7ml。PG : 351.7分, 110.0ml。術後在院日数は15.2日。合併症は膵炎1例。グループ内の技術認定医が, 施設の壁を越えて技術支援することにより, 比較的早期から各病院の新たな術者の指導を安全に施行しえた。今後も, グループ内で慎重な技術支援を行い, 腹腔鏡補助下胃切除術のさらなる発展に努めたい。
症例
  • 池田 克実, 半羽 宏之, 永野 晃史, 清水 貞利, 中澤 一憲, 西口 幸雄, 小川 佳成, 井上 健
    2007 年 32 巻 4 号 p. 638-642
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    症例は84歳, 女性。左乳頭部の糜爛と乳房腫瘤を主訴に当科受診. 左乳房E領域に乳頭部の糜爛を認め, CD境界部に4.7cmの弾性硬の腫瘤を触知した。画像診断にて肺転移を伴う局所進行乳癌 (いわゆるpagetoid spreading) と診断し, trastuzmab単剤による治療を施行した。しかし, 効果乏しくweekly法によるpaclitaxelを併用した。1コース休薬期間中に, 突然の腹痛を生じ, 保存的治療施行するも軽快せず, 開腹術を施行した。横行結腸を中心とし, 広範囲に結腸壊死をきたしており, 病理組織学的所見では虚血性腸炎であった。自験例は, 高齢者で糖尿病などもあり虚血性腸炎のリスクは比較的高いが, paclitaxelが広範囲にわたる腸管壊死の増悪因子となった可能性が示唆された。
  • 中嶋 啓雄, 水田 成彦, 藤原 郁也, 阪口 晃一, 中務 克彦, 小林 文
    2007 年 32 巻 4 号 p. 643-647
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    術後再発乳癌に対してTrastuzumabとPaclitaxel (PTX) の併用投与により, 肺転移と肝転移が消失し, その後Trastuzumabの投与により長期CRが得られた症例を経験した。54歳女性に発生したER (-), PgR (-), HER2 (3+) のStage II B乳癌に対し, 術後化学療法としてAC療法 (Doxorubicin : 40mg/m2, Cyclophosphamide : 600mg/m2) を行ったが, 術後1年5カ月後に鎖骨上リンパ節転移, 肺転移および肝転移が認められたためTrastuzumabとPTXの併用療法を開始した。PTX (80mg/m2) とTrastuzumab (2mg/kg, 初回のみ4mg/kg) をweeklyで6回投与し1回休薬するレジメで開始したところ, 2クール終了時には腫瘍マーカーが正常値となり, 肺転移および肝転移ともに消失した。その後Trastuzumabの単剤投与を行うことにより5年間の長期CRが得られた。
  • 真船 健一, 本郷 久美子, 下山 省二, 中島 淳, 高澤 豊, 上西 紀夫
    2007 年 32 巻 4 号 p. 648-653
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    症例は42歳, 女性。気管支喘息のため近医に通院中, 胸部CT検査で, 胸部中部食道前方の気管分岐部直下に75×55×44mm大の腫瘤が認められ, 内部に石灰化を伴っていた。術前, 間葉系腫瘍・奇形腫等が疑われたが, 確定診断には至らず, 悪性腫瘍も否定できないなどの理由から, 診断的な意味も含めて, 胸腔鏡補助下縦隔腫瘍摘出術を施行した。組織学的所見では, リンパ節に発生した非腫瘍性結節性病変でCastleman病と診断された。術後はとくに合併症なく経過し, 退院した。
    Castleman病の多くは単発性のリンパ節腫脹をきたし, 縦隔とくに前縦隔に多いといわれる。しかし, 本症例のように中~後縦隔に発生し, 食道浸潤が疑われるように進展することは稀であり, 診断と治療を兼ねた胸腔鏡補助下の摘出術が有用であった。
  • 布部 創也, 大山 繁和, 徳永 正則, 比企 直樹, 福永 哲, 瀬戸 泰之, 山口 俊晴
    2007 年 32 巻 4 号 p. 654-656
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    AdachiのII型は左胃動脈が独立して腹部大動脈から起こり, 肝脾動脈幹を形成するものである。単独分岐する左胃動脈の起始部は大動脈の正中, 腹腔動脈と同じ位置が多い。今回われわれは, 左胃動脈の起始部におけるAdachi II型の破格と考えられる非常に稀な症例を経験したので報告する。
    症例は62歳, 女性。健診発見の進行胃癌。胃角部小彎のtype2病変。術前精査のCTにて, AdachiのII型様に左胃動脈が単独分岐していたが, その起始部は腹腔動脈とほぼ同じ高さで腹部大動脈の左側より分岐していた。手術は根治的に幽門側胃切除, D2郭清を施行した。術中の検索でも左胃動脈は腹腔動脈の高さで大動脈の左側寄りから分枝していた。左下横隔動脈ははっきりと認識できなかった。
    下横隔動脈は腹腔動脈の高さから分岐することが最も多く, 大動脈左側方より分岐することがある。また左胃動脈と共通幹を形成することもありうる。今回の破格は腹腔動脈の高さで分岐した左下横隔動脈の分枝が発達したものではないかと推察した。
  • 伊藤 元博, 國枝 克行, 八幡 和憲, 井川 愛子, 松橋 延壽, 加藤 浩樹, 河合 雅彦
    2007 年 32 巻 4 号 p. 657-660
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    症例は68歳, 男性。2006年2月他院にて血液透析中に突然腹痛, 腹部膨満が出現し, 同院に緊急入院した。翌日血圧低下を来たし, ショック状態にて当院に搬送された。下腹部を中心とした圧痛および筋性防御を認め, 腹部CTにて腹腔内遊離ガス像を認めたため, 大腸穿孔による汎発性腹膜炎を疑い緊急手術を施行した。S状結腸に径6cm大の穿孔を認め, 同部位より腹腔内に硬便が脱出していた。手術はHartmann手術を施行した。術後レスピレーター管理下にPMX, CHDFを施行し, 術後3日目よりHDを施行した。術後5日目のHD中に脳梗塞を発症したが軽快し, 56日目にレスピレーターより離脱し, 80日目に転院した。血液透析患者は水分制限を受けているため硬便になりやすく, 宿便性大腸穿孔を回避するため, 便通コントロールが重要であると考えられた。
  • 鈴村 和大, 黒田 暢一, 藤元 治朗
    2007 年 32 巻 4 号 p. 661-665
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    症例は74歳, 男性。盲腸癌に対し手術目的にて前医入院。入院後, 右下腹部の発赤, 腫脹を認め, 盲腸癌の腹壁浸潤による膿瘍の形成と診断し膿瘍ドレナージ術, 回腸人工肛門造設術を行った後, 根治手術目的にて当院転院となった。CTでは回盲部に約9cm大の巨大な腫瘍を認め, 腹壁との境界が不明瞭で腹壁浸潤が疑われた。また皮膚の膿瘍ドレナージ創からの瘻孔造影では腫瘍を介して上行結腸が描出された。盲腸癌と広範囲の腹壁浸潤の診断にて, 右半結腸切除術および腹壁合併切除術を行った。腹壁欠損部は形成外科的に再建を行った。病理組織検査では粘液癌であった。結腸癌に合併した腹壁膿瘍は比較的稀である。今回われわれは, 腹壁膿瘍を合併した盲腸癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
  • 境 雄大
    2007 年 32 巻 4 号 p. 666-671
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    症例は利尿剤を内服中の53歳の男性で, 腹部激痛を主訴に当院を受診した。ショック, 腹膜刺激症状を認め, 血液検査では白血球数, CPKの上昇, 著明な肝機能障害を認めた。腹部造影CTで下腸間膜動脈の血栓が疑われ, S状結腸から下行結腸にかけて造影効果が低下していた。急速輸液を行い, 血圧の上昇と腹部症状の改善を認めた。血管造影検査で下腸間膜動脈の近位部での狭小化, 末梢の攣縮を認め, 急性腸間膜虚血と診断した。大腸内視鏡検査で脾結腸曲近傍の粘膜の浮腫を認めたが, 壊死はなかった。プロスタグランジンE1, ニコランジルを使用し, 保存的治療を行った。腹部症状は消失し, 第6病日に食事を開始した。第15病日に軽快退院した。急性腸間膜虚血では早期診断・治療が重要であり, 臨床所見の推移, 画像診断から保存的治療で治癒しうる症例もある。保存的治療を選択した際には外科治療を念頭に入れ, 腸管虚血の増悪に留意して診療にあたるべきである。
  • 碓井 健文, 塩澤 俊一, 土屋 玲, 金 達浩, 猪瀬 悟史, 会澤 雅樹, 吉松 和彦, 勝部 隆男, 成高 義彦, 小川 健治
    2007 年 32 巻 4 号 p. 672-676
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    患者は71歳の女性。近医で胆嚢結石の経過観察で行った腹部超音波検査で膵頭部に腫瘍を指摘され当科紹介となった。腹部CT検査では膵頭後部に5cm大の内部不均一な腫瘤, 胆嚢内に1.5cmの結石と底部のわずかな壁肥厚を認めた。ERCPで総胆管の圧排所見がみられたが, 胆管狭窄像や胆嚢内に悪性をつよく示唆する所見は認めなかった。以上より, 膵頭部の腺房細胞癌, 漿液性膵嚢胞性腫瘍などを疑い手術を施行した。開腹すると, 腫瘍は約5cmで膵頭部背側から発生し, 肝十二指腸間膜, 胆嚢を圧排, 頭側は肝尾状葉と癒着していた。膵頭部領域の悪性腫瘍と診断し, 尾状葉部分切除を伴う幽門輪温存膵頭十二指腸切除術, 2群リンパ節郭清を施行した。病理組織学的検査で膵頭部後部の腫瘍は巨大な孤立性転移リンパ節で, 胆嚢底部の漿膜下層におよぶ低分化腺癌からのリンパ節転移と診断した。胆嚢癌で孤立性に跳躍リンパ節転移する例は非常に少なく, 自験例は示唆に富む症例と考えられる。
  • 道本 薫, 熊沢 健一, 大石 俊典, 山口 健太郎, 金 達浩, 土屋 玲, 塩澤 俊一, 小川 健治
    2007 年 32 巻 4 号 p. 677-680
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    乳頭括約筋を温存して膵石を除去し得た膵胆管合流異常症の1例を報告する。症例は22歳, 女性。腹痛を主訴に来院, 血液生化学検査と画像検査から急性膵炎を伴う先天性胆道拡張症の疑いで入院した。保存的治療を行ったが黄疸が出現, 肝胆道系酵素も高値となりPTGBDを施行した。戸谷分類Ic型の胆道拡張症と診断し, さらに2個の膵石を合併した膵胆管合流異常症を認めた。ERP像で膵管の狭窄や硬化がないことから内視鏡的膵石除去術を試み, バルーンカテーテルを用いて乳頭括約筋を温存して膵石の除去に成功した。後日, 胆嚢摘除術, 総胆管嚢腫除去術および胆道再建術を行い, 術後経過は良好で現在は外来通院中である。膵胆管合流異常症の膵石にはprotein plugが多く, 自験例のように内視鏡的膵石除去術が有用な症例も多いと考える。
  • 大沢 晃弘, 炭山 嘉伸, 渡邉 学, 田中 英則, 浅井 浩司, 榎本 俊行, 斉田 芳久, 草地 信也, 長尾 二郎, 大原関 利章
    2007 年 32 巻 4 号 p. 681-685
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    症例は67歳男性。平成11年11月膵体部の膵管内乳頭粘液性腺癌 (Intraductal papillaly-mucinous carcinoma, 以下IPMC) に対し膵体尾部切除術を施行。術後病理組織学的検査にて混合型IPMC (微小浸潤癌) と診断された。以降, 外来経過観察されていたが, 平成15年6月糖尿病を発症し, また腫瘍マーカーの上昇も認めたため精査を行った。諸検査にて, 残膵に径30mm大の多房性嚢胞性病変を認め, 嚢胞内に充実性成分が認められた。その他, 主乳頭の開大と粘液の排出, 主膵管の著明な拡張を認め, 膵管鏡検査時に施行した生検結果よりIPMCと診断された。IPMC残膵異時性再発の診断のもと, 平成15年12月残膵全摘術を施行した。術後病理組織学的検査では混合型IPMC (微小浸潤癌) と診断された。現在まで再発なく外来経過観察中である。
  • 米山 公康, 大山 廉平
    2007 年 32 巻 4 号 p. 686-690
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    症例は58歳, 女性。乳癌根治術後の転移検索のために施行した腹部超音波検査において左卵巣腫瘍を指摘された。骨盤MRIおよびCT検査において卵巣癌と診断され開腹手術を行った。術式は子宮全摘, 両側付属器切除, 大網部分切除, 骨盤リンパ節郭清を施行した。腫瘍は約5cm大で, 肉眼では光沢のある黄白色透明の多胞性病変であった。病理組織学的には間質成分と上皮成分が混在していた。間質成分は大型で非常に異型性の強い腫瘍細胞からなり, 大型多核のものから紡錘型を呈し, 細胞密度が高くなっていた。対して上皮成分は形態的には良性と判断されるため病理組織学的所見より卵巣原発の腺肉腫と診断した。術後補助化学療法は施行せず経過観察のみであるが, 術後8カ月現在再発の徴候なく健存である。
  • Yuki MORIOKA, Kenji HIBI, Goro NAKAYAMA, Masahiko KOIKE, Michitaka FUJ ...
    2007 年 32 巻 4 号 p. 691-694
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    A large tumor was incidentally identified by whole body CT scanning. It was formed by two components : a low-density area with wall partitions and a high-density area that was well-encapsulated. Fine-needle aspiration (FNA) was performed under colonoscopy for definitive diagnosis. Histological examination revealed that the tumor consisted of mature adipose tissues and hematopoietic marrow including all three myelopoietic cell lines. This observation indicated that the tumor was extraadrenal myelolipoma.
    Myelolipoma is a benign tumor. If it is correctly diagnosed and show no symptoms, surgical resection will be unnecessary. Although multiocular extraadrenal myelolipomas is quite rare, and no cases had been reported until now, it is important that these diseases are considered and diagnosed pathologically before surgery is performed.
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