日本外科系連合学会誌
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症例報告
  • 魚森 俊喬, 徳田 恵美, 堀本 義哉, 齊藤 光江
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1031-1035
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    今回われわれは食道狭窄による通過障害を契機に診断した高齢者転移性乳癌に対し,筋肉内注射剤の内分泌療法と放射線療法による集学的治療により早期からQOLを改善できた症例を経験したので報告する.症例は79歳女性,摂食時つかえ感を主訴に受診.左乳房に皮膚潰瘍を伴う腫瘤を認めた.精査により肺転移,胸腹部大動脈周囲リンパ節転移,肩甲骨転移を伴うStage Ⅳ乳癌と診断,食道狭窄の原因は大動脈周囲転移リンパ節による圧排と判断.病変により経口摂取困難であったことや年齢を考慮し,全身治療として筋肉内注射剤であるフルベストラントを選択,また大動脈周囲転移リンパ節に対し放射線治療を行った.治療開始1カ月で通過障害は改善し経口摂取可能となった.治療開始後4年経過した現在もQOLを維持し治療を継続している.本症例は経口摂取が困難であったが,筋肉内注射剤の特性を生かした集学的治療により早期からQOLを改善することができた.

  • 山崎 達哉, 村上 雅彦, 大塚 耕司, 五藤 哲, 山下 剛史, 藤政 浩一朗, 広本 昌裕, 斎藤 祥, 加藤 礼, 茂木 健太郎, 有 ...
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1036-1039
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    63歳男性,近医にて胸部中部食道癌に対しESD施行後病理診断でSM浸潤が認められたため追加切除の目的で当院紹介となった.術前診断はcT1b cN0 M0 cStage Ⅰであった.また,術前CTにて気管分岐部頭側の気管に約1cmの囊状気腫像を認め気管憩室と診断した.術前化学療法(FP療法)施行後,胸腔鏡下食道癌根治術を施行した.憩室は気管右側・背側に容易に認識でき,術中換気に伴い膨隆したが,周囲との癒着も軽度で損傷することなく手術を終了した.気管憩室は稀な疾患であり,気管憩室を併存した食道癌の本邦報告例は少ない.術中の気管憩室損傷は気管損傷という重篤な合併症にも繋がり,食道癌手術を安全に施行する上で胸腔鏡の拡大視効果による確認が有用であったと考え報告する.

  • 加藤 喬, 長久 吉雄, 橋田 和樹, 河本 和幸
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1040-1044
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    日本人における肥満者の増加が指摘されており,こうした患者への緊急手術に遭遇することも少なくない.われわれは肥満患者に対して腹腔鏡下大網充填術を施行した1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.

    症例は70歳女性,身長149cm,体重105㎏,BMI47.2.肥満を背景とした心不全,CO2ナルコーシスの加療中に腹痛を発症した.十二指腸穿孔と診断し緊急手術を施行した.術中所見では,十二指腸球部前壁に約10mmの穿孔部を認めた.腹腔内の脂肪が多く十二指腸の視野確保が困難であったため通常の3ポートに加え視野展開に1ポート追加留置した.充填や被覆に適当な大網はなく,大網を形成することで対応した.さらに体動や立位での大網の荷重が懸念されたため大網と肝円索を固定した.術後経過は良好でCO2ナルコーシスも改善し人工呼吸器を離脱して独歩退院した.

    高度肥満患者に対して腹腔鏡下大網充填術を施行した1例を経験した.手術により良好な結果を得た.

  • 小島 正継, 太田 裕之, 赤堀 浩也, 全 有美, 目片 英治
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1045-1050
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    症例は62歳,男性.糖尿病の定期検査で貧血を認め精査し,CTで長径6cmの小腸腫瘤性病変と周囲腸間膜リンパ節腫脹を認めた.カプセル内視鏡で小腸に粘膜下腫瘍を認め,小腸内視鏡で生検し,desmin陽性の紡錘形細胞の腫瘍性増殖を認め,小腸平滑筋肉腫と術前診断した.腹腔鏡補助下に小腸部分切除およびリンパ節郭清を施行した.免疫組織学的検査でc-kitとCD34陰性,caldesmonとdesminが陽性であり,小腸平滑筋肉腫と最終診断した.現在術後2年半が経過したが再発を認めていない.小腸間葉系細胞由来の腫瘍のなかで,小腸平滑筋肉腫は稀であり,その予後は遠隔転移も多く不良である.リンパ節転移の頻度も高く,領域リンパ節の郭清が必要と考えられる.術前に診断をした上で手術を施行した小腸平滑筋肉腫症例は,本邦で初めてであり,文献的考察を加えて報告する.

  • 藤田 俊広, 宮島 綾子, 八田 一葉, 山根 貴夫, 曽我 直弘, 亀岡 信悟, 岡本 高宏
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1051-1056
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    症例は74歳,男性で既往歴に心房細動がある.突然の腹痛を認め,当院救急外来を受診した.腹部CT検査で小腸の浮腫と腸管壁ガス像と,肝両葉に門脈内ガス像も認めた.緊急手術を行ったが腸管壊死を疑わせる所見はなく,閉腹し手術終了とした.第43病日に腸閉塞を発症し,イレウス管を挿入した.イレウス管造影で小腸狭窄を認めたため,初回の手術の62日後に小腸切除を施行した.病理組織所見および臨床経過から,狭窄型虚血性小腸炎と診断した.

    門脈ガス血症を伴い,緊急手術時には腸管虚血の所見がないため腸管切除を回避したが,遅発性に小腸狭窄をきたし,小腸切除を要した狭窄型虚血性小腸炎の症例を経験したため報告する.

  • 内海 方嗣, 青木 秀樹, 永久 成一, 西村 星多郎, 宇根 悠太, 田中屋 宏爾
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1057-1061
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    小腸穿孔を契機に発見され腹腔鏡下で切除した小腸悪性リンパ腫の1例を経験したので報告する.症例は82歳,女性.腹痛で当院救急外来に搬送された.CT検査で骨盤内小腸の壁肥厚とその周囲にfree airを認め,小腸穿孔による汎発性腹膜炎と診断し緊急手術となった.腹腔鏡補助下回腸部分切除術と腹腔内ドレナージ術を施行した.病理診断は小腸悪性リンパ腫と診断された.消化管穿孔の原因部位が特定できない腹膜炎症例には腹腔鏡下に検索を行い,術式を選択することは有用である.また,小腸悪性リンパ腫による穿孔は比較的稀であり術前診断は困難であるが,消化管穿孔の原因として念頭に置く必要がある.

  • 力石 健太郎, 大熊 誠尚, 小菅 誠, 衛藤 謙, 矢永 勝彦
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1062-1066
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    症例は80歳代男性.2017年3月膀胱癌に対し,腹腔鏡下膀胱全摘術・尿管皮膚瘻造設術を受けた.術後経過良好で退院となったが,2017年4月に腹痛を訴え当院受診.来院時,尿管皮膚瘻周囲に圧痛を認めたが,その他腹部に有意な所見は認めなかった.血液検査では炎症反応の上昇と乳酸値の上昇を認めた.腹部CTでは左下腹部で2か所の小腸のcaliber changeを認め,closed loopを呈していた.以上より絞扼性腸閉塞と診断され同日当科紹介,緊急手術となった.開腹時,尿管皮膚瘻と腹壁との間をヘルニア門として小腸が嵌頓し腸管の鬱血を認めたが,嵌頓の解除により色調が改善し蠕動運動を認めたため,癒着剝離のみで手術を終了した.われわれが検索した限りでは,尿管皮膚瘻による絞扼性腸閉塞の報告はなく,非常に稀な術後合併症と考えられた.若干の文献的考察を加えて報告する.

  • 竹内 瑞葵, 大谷 泰介, 中川 真理, 江原 玄, 竹内 悠二, 高柳 博行, 野田 大地, 松尾 亮太
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1067-1072
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    症例は71歳女性,既往歴に子宮内膜症と子宮筋腫に対する手術歴あり.当院内科で逆流性食道炎に対して加療中であった.スクリーニング目的で下部消化管内視鏡検査を施行したところ,盲腸に隆起性病変を認めた.病理生検にて悪性所見を認めなかったため経過観察としていたが,増大傾向にあり当科紹介となった.腹部造影CTにて盲腸内腔に突出した長径20mmの腫瘤を認めた.回結腸動脈沿いにリンパ節腫大を伴っていたため,悪性腫瘍も念頭に置き,腹腔鏡補助下回盲部切除術を行う方針とした.病理組織標本では盲腸内腔に反転した虫垂を認め,虫垂壁や盲腸壁内には子宮内膜腺を伴っており,虫垂子宮内膜症により生じた虫垂重積と診断した.経過は良好で術後10日目に退院した.

  • 小島 正継, 太田 裕之, 赤堀 浩也, 全 有美, 目片 英治
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1073-1078
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    症例は51歳男性,真夏に炎天下の作業中,傾眠,嘔吐,下痢を生じ,当院に救急搬送された.意識障害,肝障害,DICを伴うⅢ度の熱中症,および,結腸炎と診断して治療を開始した.その後,熱中症は軽快したものの,解熱がえられないまま,右下腹部痛および同部位に筋性防御が出現した.CTで,虫垂壁より外側に膨隆する,造影効果を伴った類円形像を複数認め,虫垂遠位部において高度の周囲脂肪織濃度上昇が存在したことから,穿孔性虫垂憩室炎と術前診断し,虫垂切除術を施行した.病理組織学的検査では,虫垂は特に憩室で炎症が強く,その深部で穿孔を認めた.虫垂憩室炎は比較的稀ではあるが,発症時に高率に穿孔を起こすことから重篤化しやすく,早期に手術を考慮すべき疾患である.術前に通常の虫垂炎と虫垂憩室炎とを画像で鑑別することは,CTでの特徴的なCT所見(虫垂壁に存在する類円形構造で,中心が低濃度,辺縁に造影効果を有し,周囲に脂肪織濃度上昇を伴っている)を認識し,虫垂を注意深く観察する必要がある.われわれは,術前に診断した,穿孔性虫垂憩室炎を経験したので,文献的考察を加え報告する.

  • 齋藤 元伸, 小池 伸定, 松永 雄太郎, 尾崎 雄飛, 名取 健, 齋田 真, 林 恒男, 今泉 俊秀, 原田 信比古
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1079-1083
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    症例は81歳,女性.2年毎の定期検査で施行した大腸内視鏡検査で,盲腸に20mm大の1型腫瘍を認め,生検から印環細胞癌が検出された.盲腸原発の印環細胞癌と診断し,腹腔鏡下回盲部切除,D3リンパ節郭清を施行した.術後病理組織学的結果はsignet ring cell carcinoma,Type1,T2,ly3,v1,N1,M0 pStage ⅢAであった.現在,術後18カ月経過し無再発生存中である.

    大腸癌の組織型の中で,印環細胞癌は極めて稀である.リンパ管侵襲を高度にきたし,同時性腹膜播種を伴うことが多い一方で,同時性肝転移が少ない点が特徴である.進行癌として発見されることが多く,予後は他の組織型に比べ不良である.

    今回,われわれは,2年間で進行癌になった盲腸原発の印環細胞癌の1例を経験したため報告する.

  • 瀧口 暢生, 松野 裕旨, 小西 健, 植田 大樹, 中井 慈人, 横山 茂和, 福永 睦
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1084-1089
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    完全内臓逆位は,本邦では3,000~5,000人に1人の割合でみられる比較的稀な先天奇形である.症例は80歳代の男性.下腹部膨満感を主訴に来院した.下部消化管内視鏡検査を施行し,S状結腸に全周性の3型病変を認めたため,腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行する方針とした.完全内臓逆位には術者・助手・スコピストの立ち位置,モニターの配置,ポート留置を通常と鏡面対称とした.逆位に伴い術者の優位鉗子が通常と逆から出てくるため剝離や血管処理に難渋したが,術中は合併症なく手術を完遂した.完全内臓逆位を伴う腹腔鏡補助下手術では,3D-CT画像により血管の分岐形態・解剖学的位置の把握,第一助手が術者の優位鉗子の向きを考慮した展開を行うことが重要と考えた.完全内臓逆位に合併したS状結腸癌に対して腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行した症例を報告する.

  • 上平 大輔, 田波 秀朗, 村形 綾乃, 長内 孝之, 迫間 隆昭
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1090-1097
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    症例は70歳男性,下血の精査目的に施行した下部消化管内視鏡検査で多発直腸癌を指摘された.病変は3箇所で,それぞれ肛門縁より20,15,12cmであった.口側の2病変は手術適応で,最も肛門側の病変は側方発育型腫瘍顆粒型の結節混在型でESD適応病変であった.直腸機能温存の観点と肛門側の病変が手術吻合部にかかる可能性を考え同病変のESDを先行し,その1カ月後に腹腔鏡下前方切除術+D3郭清を施行した.組織学的病期はStage Ⅲaで術後補助化学療法を開始したが,患者の希望で中止した.術後2年目の経過観察目的の下部消化管内視鏡検査でESD瘢痕上に2型病変を認め再発と診断し,低位前方切除術を施行した.確定することは困難であったが,再発の成因として口側病変のImplantationが最も疑われた.多発大腸癌は腸管内遊離癌細胞のImplantationのリスクを十分に考慮した治療方針の重要性を再認識し,若干の文献的考察を加え報告する.

  • 佐藤 豪, 池永 雅一, 上田 正射, 太田 勝也, 津田 雄二郎, 中島 慎介, 松山 仁, 中川 朋, 遠藤 俊治, 山田 晃正
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1098-1103
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    症例1は87歳の女性で宿便性大腸穿孔に対してHartmann手術を施行した.術後6日目に口側腸管に残存した宿便による人工肛門脚部穿孔に対し緊急手術を施行した.人工肛門開口部から6cmに穿孔部を認め,結腸切除,人工肛門再造設を行った.初回手術後44日目に誤嚥性肺炎で死亡した.症例2は87歳の男性で肛門管癌に対して腹腔鏡補助下直腸切断術を施行した.術後2日目に宿便による人工肛門脚部穿孔に対し緊急手術を施行した.人工肛門開口部から4cmに穿孔部を認め,結腸切除,人工肛門再造設を行った.初回手術後85日目に転院した.人工肛門造設後の宿便性大腸穿孔は稀である.自験例のように初回手術時に残存した宿便による穿孔をきたした報告は本邦初である.人工肛門造設時には腸管吻合を行う際に比べて,口側腸管の便塊への注意が疎かになるが,残存する腸管に多量の宿便を伴う場合には,可能な限り宿便を排出することが重要である.

  • 片山 外大, 小練 研司, 村上 真, 廣野 靖夫, 片山 寛次, 五井 孝憲
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1104-1109
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    症例は72歳女性,1週間前から出現した背部痛,腹痛にて受診した.CTにて門脈―上腸間膜静脈,肺動脈,右腎静脈,下大静脈における多発血栓症と診断した.併存症である肝硬変と本態性血小板血症による凝固異常が主要因と推測し,ダナパロイドによる抗凝固療法を開始した.下大静脈内血栓の消失と門脈血栓の縮小を認めたため4週間投与後にヘパリンの持続静注に切り替えたものの門脈血栓は縮小が得られず,エドキサバンに切り替えて入院80日目に転院とした.経過中には小腸狭窄に対する小腸部分切除や脳出血に対する開頭血腫除去術を必要とするなど治療に難渋した.多発血栓症に対しては効果的かつ安全な抗凝固療法が必要であるが,本症例ではダナパロイドの門脈血栓に対する効果はある程度得られた一方でヘパリンでは不十分であり出血性合併症もみられ,早期および維持治療における治療選択には熟考する必要があると考えられた.

  • 飯田 健二郎, 鈴村 和大, 岡田 敏弘, 波多野 悦朗, 藤元 治朗
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1110-1116
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    症例は65歳の女性で,多発肝囊胞の経過観察中に腹部膨満感の増悪を認めたため精査したところ,CTにて囊胞の増大を認めたため外科紹介.腹腔鏡下肝囊胞開窓術を施行した.囊胞内容液に胆汁の混入が疑われたが,胆汁漏出部は確認できなかった.術翌日にドレーンより胆汁様排液を認めたため,DIC-CTを施行したところ,囊胞内腔への造影剤流入を認め,胆管交通性肝囊胞と診断した.ドレーンによる保存的加療では胆汁瘻の軽快傾向を認めないため,第13病日にEndoscopic retrograde biliary drainage(以下ENBD)チューブを留置したところ,胆汁漏出は止まり退院となった.

    術後に胆管交通性肝囊胞と判明した術後胆汁瘻症例に対し,Interventional Radiology(以下IVR)治療にて治癒しえた症例を経験したので報告する.

  • 中村 吉隆, 桂 奏, 谷口 弘毅
    2019 年 44 巻 6 号 p. 1117-1123
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/31
    ジャーナル フリー

    患者は64歳女性.1年前に健診の腹部超音波検査にて膵尾部に囊胞性病変を指摘され精査されたが,明らかな悪性所見を認めず経過観察とされていた.1年後のMRCPで粘液性囊胞腫瘍を疑われ精査目的に当院紹介となった.腹部造影CTにて膵尾部に4cm大の囊胞性病変を認めた.その他,肝後区域に腫瘤性病変を5個認めた.FDG-PET/CTにて肝病変のうち2個に集積亢進(SUVmax3.5/3.8)を認めたが膵病変や他部位には集積亢進は認めなかった.以上より膵病変に悪性所見を認めなかったが,肝病変は転移性肝腫瘍を否定することは困難であったため,術中迅速組織診断結果にて術式を決する方針とした.開腹後,肝部分切除術を2か所施行した.術中迅速病理診断では組織不明も悪性所見はなく,膵体尾部切除術を施行し手術を終了した.術後,病理組織診断で膵病変は膵粘液性囊胞腺腫,肝病変は類上皮血管内皮腫と診断された.

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