日本臨床スポーツ医学会誌
Online ISSN : 2758-3767
Print ISSN : 1346-4159
32 巻, 3 号
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  • 大森 豪
    2024 年32 巻3 号 p. 325-327
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 谷 諭, 石田 浩之
    2024 年32 巻3 号 p. 328-329
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    スポーツ医学の分野で脳振盪への取り組みをしっかりと議論すべきという機運が国際的に高まったのは2000年代に入ってからである.アメリカンフットボール,ボクシングなどの競技において,繰り返す脳振盪に起因すると推測される重篤な後遺症事例や死亡例が相次いで報告され,また,一部のケースが訴訟問題に発展したことも背景にある.これを受けて2001年11月に第1 回国際スポーツ脳振盪会議(InternationalConference on Concussion in Sport)がウィーンで開催された.以降,ほぼ4 年に1回の頻度でこの会議は開催されるようになり,その都度,会議からの声明(Consensus Statement)が発表されている.直近では2022年10月に第6回の国際会議がアムステルダムで開催され,同会議の声明が2023年7月に発表された(British Journal of Sports Medicine 57, 2023).毎回,この会議から出される声明はスポーツにおける脳振盪のガイドライン的位置付けとなり,国際的にもインパクトが大きいだけでなく,特にコンタクトスポーツに関わるスポーツ医は是非とも知っておくべき情報である.今回のシンポジウムではアムステルダム会議に参加された先生方を演者としてお迎えし,それぞれの専門分野の立場から同会議での議論の内容も踏まえた発表をお願いした.

  • 中山 晴雄, 平元 侑, 岩渕 聡
    2024 年32 巻3 号 p. 330-333
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    スポーツ関連脳振盪の国際的なコンセンサスを形成するのが,2001年から4年に1度開催されてきた国際スポーツ脳振盪会議である.未曾有の世界的大流行となったCOVID-19により東京オリンピック2020だけでなく当初予定されていた第6回会議も度々延期され,遂に2022年10月末にアムステルダムで開催された. 2023年7月には,この第6回国際スポーツ脳振盪会議で決定された内容に相当するアムステルダム声明が公表された1).スポーツ関連脳振盪の定義に関する言及から,Sports-concussion assessment tool: SCATの最新版であるSCAT62)やoffice assessment toolであるSCOAT63),刷新された段階的競技復帰プログラムなどメジャーアップデートの様相も垣間見える本会議の内容について概説する.

  • 佐藤 晴彦
    2024 年32 巻3 号 p. 334-336
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 砂川 憲彦, 半谷 美夏
    2024 年32 巻3 号 p. 337
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 武冨 修治, 長尾 雅史, 赤木 龍一郎, 加藤 晴康, 福島 理文, 大橋 洋輝, 松下 雄彦, 池田 浩
    2024 年32 巻3 号 p. 338-341
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 田島 卓也, 帖佐 悦男, 中村 明彦
    2024 年32 巻3 号 p. 342-344
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 須田 康文, 田中 康仁
    2024 年32 巻3 号 p. 345
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 松井 智裕
    2024 年32 巻3 号 p. 346-349
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 齋田 良知, 小林 洋平, 秋吉 直樹
    2024 年32 巻3 号 p. 350-353
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 安田 稔人
    2024 年32 巻3 号 p. 354-358
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 武冨 修治, 原藤 健吾
    2024 年32 巻3 号 p. 359
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 古賀 英之
    2024 年32 巻3 号 p. 360-364
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • ―アスレティックトレーナーの立ち位置で―
    笹木 正悟
    2024 年32 巻3 号 p. 365-367
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 永野 康治
    2024 年32 巻3 号 p. 368-370
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 武冨 修治, 川口 航平, 水谷 有里, 武井 聖良, 山神 良太, 河野 賢一, 村上 亮, 鹿毛 智文, 荒川 嵩大, 藤原 清香, 田 ...
    2024 年32 巻3 号 p. 371-374
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー
  • 富樫 維親, 長尾 雅史, 西尾 啓史, 野津 将時郎, 塩田 有規, 髙澤 祐治
    2024 年32 巻3 号 p. 375-383
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    本研究では日本語版The Victorian Institute of sports assessment for patellar tendinopathy(VISA-P-J)の翻訳,異文化適応,および尺度特性を評価した.膝蓋骨下極に1ヵ月以上持続する疼痛症状がある18歳以上の43名を対象とし,VISA-P-J,日常生活およびスポーツ活動中における主観的疼痛,症状分類,PGICを初回,1週間後,12週間後の計3回評価した.尺度特性は患者報告式アウトカム尺度の評価法であるCOSMINに準じて,再検査信頼性・測定誤差・内的整合性,内容的妥当性・基準関連妥当性・構成概念妥当性,反応性,解釈可能性を評価した.VISA-P-Jの再検査信頼性を表す級内相関係数は0.87,測定誤差は0.89%であった.内的整合性を示すCronbach’s alphaは0.81であった.基準関連妥当性では,VISA-P-Jと症状分類,日常生活およびスポーツ活動中における主観的疼痛との間に相関がみられた(r=-0.52,r=0.66,r=0.86,p<0.01).構成概念妥当性と反応性を評価する仮説検証法では,すべての仮説が立証された.解釈可能性として設定したMCIDは7点であった.以上より,VISA-P-Jは膝蓋腱の慢性的な痛みを持つ人に対する信頼性,妥当性は高く,反応性のある評価法であることが示された.

  • 初雁 晶子, 上久保 利直, 鳥居 俊
    2024 年32 巻3 号 p. 384-390
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    男性長距離走選手を対象にシーズン中の骨代謝回転の変化を明らかにすることを目的とした. 大学生男性長距離走選手66名を対象に2022年シーズンの開始から終了までに5回測定を行い,最終的に25名が解析対象となった.測定項目は血液検査で骨形成マーカーとして骨型アルカリフォスファターゼ(BAP),骨吸収マーカーとして酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ(TRACP-5b),遊離テストステロン(free testosterone),黄体化ホルモン(LH),コルチゾール(cortisol)とし,骨形成と骨吸収のバランスを示すuncoupling index(UI)を算出した.さらに身体組成測定とトレーニング量として走行距離を集計し,混合モデルを用いて各項目の変化を検討した.また,トレーニング量と骨代謝マーカーの関係を各時点において検討した.その結果,BAPがシーズン中に低値を示した.運動は骨形成を亢進させることが報告されているが,本研究では先行研究とは異なる結果を示した.さらに,トレーニング量と骨代謝マーカーの間にはすべての時点において関連が認められなかった.骨代謝マーカーが変化する要因に低エナジー・アベイラビリティ(LEA)が挙げられる.本研究においてトレーニング量との関連が認められなかったことから,今後はエネルギー摂取量を評価するとともに,LEAと骨代謝マーカーの関連について検討する必要がある.

  • 杉山 貴哉, 石川 徹也, 三宅 秀俊, 氷見 量, 渡辺 知真
    2024 年32 巻3 号 p. 391-399
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    スポーツ選手の腱板筋肉離れの特徴を明らかにすることを目的とした.2015年3月から2022年4月の間にMRIにて腱板筋肉離れと診断されたスポーツ選手36例,損傷筋43件を対象とした.各腱板筋肉離れの件数と損傷部位,外傷の有無,複合損傷の有無,JISS分類,スポーツ種目,受傷動作・損傷誘発動作について診療録を後ろ向きに調査した. 棘下筋肉離れは9件であり,損傷部位は横走線維や斜走線維であった.外傷なしが有意に多かった.全例複合損傷であり,I型1度8件,II型1度1件であった.オーバーヘッド(以下,OH)スポーツに多く,OH動作での受傷が多かった.棘上筋肉離れは18件であり,損傷部位は前方線維,棘上窩側,後方線維であった.外傷や複合損傷の有無では有意差はなく,I型1度14件,I型2度3件,II型1度1件であった.スポーツ種目は野球が多く,投球動作での受傷が多かった.肩甲下筋肉離れは16件であり,損傷部位は上部線維,上部から下部線維,中部から下部線維であった.外傷ありが多い傾向にあるが,有意差はなかった.複合損傷なしが有意に多く,I型1度10件,II型1度6件であった.OHスポーツだけでなく,コンタクトスポーツにも認められ,肩関節外転・外旋強制での受傷が多かった. 各腱板筋肉離れに特徴があり,OHやコンタクトスポーツによる肩のスポーツ障害では腱板筋肉離れも鑑別する必要がある..

  • 青木 章乃, 綿木 沙耶, 星 賢治, 蒲田 和芳
    2024 年32 巻3 号 p. 400-407
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    (目的)足関節捻挫はスポーツ障害の中で最も多く発生する外傷であり,足関節背屈制限と前十字靱帯損傷(ACL損傷)リスクとの関連が示されている.本研究では,足関節背屈制限を有する捻挫既往者と非既往者において,着地動作,ストップ動作時の下肢キネマティクスの相違を明らかにすることを目的とした. (方法)足関節捻挫既往者20名と非既往者18名を対象とした.足関節捻挫既往者は慢性足関節不安定症(CAI)を判別するIdFAIの質問紙にてCAIに該当せず,かつ健側と比較して5̊以上の足関節背屈制限を有する者として,健常者と比較した.足関節背屈筋力と着地動作,減速ストップ動作を測定した.各動作はビデオカメラで側方から撮影し,初期接地,初期接地から33ms後,膝関節最大屈曲時の股関節,膝関節,足関節屈曲角度を算出した. (結果)着地動作では足関節捻挫既往群と健常群の間で,下肢屈曲角度に有意な差はなかった.減速ストップ動作では,捻挫既往群にて初期接地から33ms後の足関節底屈角度が有意に小さかった(p =0.015). (結論)背屈制限を有する捻挫既往者において減速ストップ動作の接地直後の足関節運動戦略に違いがあることが示された.その一方で,着地動作,減速ストップ動作での膝関節および股関節屈曲角度に差はなく,捻挫既往者においてACL損傷危険因子とされる膝関節浅屈曲位の動作を示さないことが明らかとなった.

  • 森 瞬彩, 三谷 保弘, 幸田 仁志, 大嶺 俊充, 植田 篤史, 稲田 竜太, 小西 尚之, 三山 崇英
    2024 年32 巻3 号 p. 408-415
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    国内ブレイキン選手の外傷・障害調査報告は少なく,ダンススタイル別の特徴も明らかでない.そこでブレイキン選手の外傷・障害の実態とダンススタイル別による特徴を明らかにするため,アンケート調査を実施した.対象は近畿圏内のブレイキン選手217名のうち,回答が得られた74名とした.調査内容は①ダンススタイル②ダンスでの外傷・障害受傷歴(以下,受傷歴)③外傷・障害部位④受傷場面とした.ダンススタイルはフットワーク主体の選手をスタイラー,パワームーブ主体の選手をパワームーバー と定義した.74名中スタイラー群(S群)が38名,パワームーバー群(P群)が36名であった.受傷歴は28名66件であり,S群10名(35.7%),P群18名(64.3%)とP群で有意に多かった(p=0.04).上肢の受傷歴はS群7名,P群16名とP群で有意に多かった(p=0.02).部位別では頸部~肩甲帯でP群が有意に多く(p=0.02),手関節でもP群が有意に多かった(p=0.04).受傷場面はパワームーブが最も多く66件中34件であった.本研究により,P群はS群に比べ受傷歴が有意に多く,中でも頸部~肩甲帯,手関節の外傷・障害が有意に多いことが明らかになった.パワームーブは上肢での身体支持という負荷が繰り返される動作であるため,支持機会が多い頸部~肩甲帯,手関節でP群の外傷・障害が多く発生したと考えられた.

  • 山田 悠司, 甲斐 義浩, 幸田 仁志, 来田 宣幸, 渡邊 裕也, 松井 知之, 平本 真知子, 宮﨑 哲哉, 森原 徹
    2024 年32 巻3 号 p. 416-421
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    (目的)女子ジュニアスポーツ選手における大腿直筋の量的・質的指標と身体機能との関連を検討した.(方法)対象は京の子どもダイヤモンドプロジェクトに参加した女子ジュニアスポーツ選手18名(平均年齢11.4 ± 0.4歳)とした.大腿直筋における筋厚と筋輝度の測定には超音波画像診断装置を用いた.測定部位は右大腿中央部とし,骨格筋の量的指標として大腿直筋厚,質的指標として筋輝度を測定した.身体機能の指標として握力,等尺性膝伸展トルク,立ち幅跳び距離および垂直跳び高を測定した.スピアマンの順位相関係数を用い,大腿直筋厚および筋輝度と身体機能との関係性を検討した.(結果)大腿直筋厚と等尺性膝伸展トルクとの間に有意な正の相関を認めた(r=0.86,p<0.01).筋輝度は,立ち幅跳び距離(r=-0.55,p<0.01)と垂直跳び高(r=-0.59,p<0.05)との間に有意な負の相関を示した.(結論)女子ジュニアスポーツ選手における大腿直筋の筋輝度は,立ち幅跳びや垂直跳びといった跳躍力と関連することが示された.

  • 阿蘇 卓也, 田村 将希, 野口 悠, 古屋 貫治, 三邉 武幸, 西中 直也
    2024 年32 巻3 号 p. 422-429
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    ラグビーでは外傷性肩関節脱臼の危険性が高いが,ラグビー選手の外傷性肩関節脱臼と肩甲骨上方回旋角度,胸郭挙上可動性および体幹筋持久力との関係性については不明な点が多い.目的はラグビー選手の外傷性肩関節脱臼と肩甲骨上方回旋角度,胸郭挙上可動性および体幹筋持久力との関係性の検討とした. 対象は大学ラグビー選手52 名とした.肩甲骨上方回旋角度はデジタル傾斜計を用い上肢下垂位と最大挙上位で測定した.胸郭挙上可動性の指標は上肢下垂位および最大挙上位の単純X 線正面像から算出できる上位胸郭運動量とした.体幹筋持久力は屈曲,伸展,側屈方向の等尺性筋持久力をストップウォッチを用いて測定した.各測定項目を外傷性肩関節脱臼の既往がある選手(外傷性脱臼歴あり群)とない選手(外傷性脱臼歴なし群)で比較した. 外傷性脱臼歴あり群は9 名,外傷性脱臼歴なし群は43 名であった.上位胸郭運動量は外傷性脱臼歴あり群が外傷性脱臼歴なし群より低値であった.その他の項目に差はなかった. 胸郭挙上可動性低下は外傷性肩関節脱臼の既往があるラグビー選手の身体特徴である可能性が示唆された.

  • 三橋 彩乃, 中村 俊文, 岡地 光士郎, 大鳥 精司, 寺門 淳
    2024 年32 巻3 号 p. 430-436
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    (目的)成長期の腰椎分離症のうち小学生は骨癒合率が低いという報告が多いが,その治療に用いるコルセットを比較検討した報告は少ない.そこで小学生の腰椎分離症のコルセット別の骨癒合率を調査した.(対象と方法)対象は当院にて2012年4月~2019年1月に腰椎分離症と診断された小学生39名のうち,フォローアップ終了までの経過が追跡可能であった32名51ヵ所とした.シーズンI:2012年4月~2015年3月は全例(4名8ヵ所)が軟性コルセット,シーズンII:2015年4月~12月は全例(13名18ヵ所)が半硬性コルセット,シーズンIII:2016年1月~2019年1月は全例(15名25ヵ所)が硬性コルセットを使用し,診療録にて後方視的に骨癒合率を比較した.(結果と考察)骨癒合率は,軟性コルセットが25%,半硬性コルセットが56%,硬性コルセットが76%であった.また,硬性コルセットは軟性コルセットと比較し有意に骨癒合率が高く(p=0.003),軟性コルセットと半硬性コルセット,半硬性コルセットと硬性コルセットの2群間には有意差が認められなかった.小学生の腰椎分離症は両側発生例が多く,潜在性二分脊椎の合併が多いとされているため,その治療には固定力の強いコルセットの使用が望ましいと考える.(結論)骨癒合を目指す小学生の腰椎分離症の装具療法では硬性コルセットが望ましい.

  • 佐藤 文香, 関水 康成, 宮川 崇顕, 安永 英樹, 秋本 崇之, 赤間 高雄
    2024 年32 巻3 号 p. 437-445
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    近年の調査で国民の40%以上が花粉症に罹患しているという報告があり,ラグビー選手においても同程度の患者がいると考えられる.アスリートにおける薬物治療の際にはドーピングの禁止物質に注意する必要がある.本研究は,ラグビー選手の花粉症有病率や花粉症の競技への影響等について調査し,選手の花粉症治療の改善に役立てることを目的とした. JAPAN RUGBY LEAGUE ONE及び大学の上位リーグに所属する選手を対象に,2023年5月から9月にGoogle Formsを用いたアンケート調査を実施した.調査項目は,年齢,競技歴,花粉症の有無,花粉症以外のアレルギーの有無,花粉症の治療内容,競技への影響等を調査した.アンケートの回答率は33.9%であった.年齢は21.6±3.8歳,競技歴は11.8±5.3年であった.花粉症有病率は医療機関の受診状況と服薬状況から42.7%であった.花粉症症状ありと回答した選手750人のうち,花粉症が競技へ影響すると回答した選手は77.5%であった.影響の詳細は,花粉症の症状のせいで集中力・判断力が下がると回答した選手が最も多く,73.1%であった.医療機関を受診している選手は受診していない選手に比べ,また,薬物治療をしている選手は薬物治療をしていない選手に比べ,競技へ影響すると回答した選手は有意に多かった.ラグビー選手における花粉症治療の重要性が確認できた.

  • 栗田 剛寧, 鎌苅 翔平, 三瀬 貴生, 南谷 哲司
    2024 年32 巻3 号 p. 446-453
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    発育期野球選手のメディカルチェック(MC)の結果から,ポジション別の腰椎分離所見と身体特性の関連について検討した.対象者は12年間で258名であり,スポーツ推薦で高校硬式野球部に入部が決まっている中学3年生を対象とした.腰椎分離所見を有する選手(P群)とそれ以外の選手(N群)をポジション別で各MCにて比較検討した.全体でのP群とN群の各MC項目に有意差はみられなかった.ポジション別のP群とN群の各MC項目では,捕手の体脂肪率はP群20.2±4.0%,N群16.7±4.8%でP群が有意に体脂肪率は高く,捕手の全身関節弛緩性テスト(GJL)の合計点はP群2.3±1.3点,N群1.1±0.8点でP群が有意に点数は高かった.2 項ロジスティック回帰分析では,捕手の体脂肪率(p<0.05)とGJL(p<0.01)がP群の独立した因子として残った.捕手に関してP群はN群より,体脂肪率が高くGJLの点数も高いことが分かった.以上より,発育期野球選手のMCの結果から,捕手において身体特性と腰椎分離所見の関連が認められた.

  • 前園 恵慈, 海江田 英泰, 福島 佳織
    2024 年32 巻3 号 p. 454-458
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    (はじめに)足舟状骨疲労骨折の発症要因の一つとして舟状骨の血流供給に関連した解剖学的要因があるとされており,Mckeonらは(Foot Ank Int 2012)成人30人の屍体足の舟状骨の41.2%に無血管領域が存在したとしている.(目的)足舟状骨疲労骨折の骨折部位・骨折型と無血管領域との関係について検討すること(対象)2012年4月から2022年12月までに当院を受診し足舟状骨疲労骨折と診断された47例49足(男性23例25足,女性24例24足).スポーツはバレー2足,ラグビー1足,野球2足,サッカー6足,柔道1足,陸上競技37足であった.(方法)Mckeonらの報告をもとに,骨折部位が足背にあるもの,足背から体部外側へ広がるもの,中央,足底,分類不能の5 つに分類し骨折部位・骨折型と無血管領域の関係について検討した.骨折型はSaxenaの分類を使用した.(結果)骨折部位は体部外側が全体の57.1%と最も多く,男女ともに体部外側に多かった.骨折型と骨折部位との関係についてType 0.5は全例分類不能であり,Type Iは男性は足背部,女性は体部外側に多かった.Type II・TypeIIIともに男女とも体部外側に多かった.(結語)足背部・体部外側特に体部外側の無血管領域の存在が足舟状骨疲労骨折の進展と難治性の要因の一つとなっている可能性が考えられた.

  • ―三次元による着地動作の解析―
    向井 公一, 小柳 磨毅, 三浦 大祐, 成 俊弼, 森下 聖, 境 隆弘, 越野 八重美, 木村 佳記, 中野 和彦
    2024 年32 巻3 号 p. 459-466
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    (背景)膝前十字靱帯損傷の予防には,着地時の危険肢位とされる膝の内側移動(knee-in)の抑制が重要である.そこで我々は弾性素材を用いて片側下肢に装着する弾性ストラップを考案した.本研究の目的は着地動作の三次元的分析により,弾性ストラップのknee-inに対する制御効果を明らかにすることとした. (対象と方法)knee-inを呈する女子大学生25名(19.6±0.7歳)を対象とした.大殿筋および縫工筋の走行に近似させた螺旋形状の弾性ストラップを,Compression wear(以下CW)上に装着した条件(弾性ストラップあり)と,CWのみの条件(弾性ストラップなし)にて,30cm台からの片脚着地動作を実施した.動作の安定した3 試行を採用し,着地前(-40ms),着地時(0ms),着地後40ms後および80ms後までを解析対象とした.計測は三次元動作解析装置を使用し,関節角度を算出し,2 条件間での比較を行った. (結果)弾性ストラップありは弾性ストラップなしと比較し,着地前の股関節内旋と着地時(0ms)から80msの股関節内転と内旋角度および膝外反角度が有意に減少した. (結語)弾性ストラップは着地動作において,knee-inの要因である股関節内転と内旋,膝関節外反を抑制した.

  • 村本 勇貴, 木村 豪志, 木之田 章, 山田 唯一, 勝俣 良紀, 佐藤 和毅
    2024 年32 巻3 号 p. 467-473
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    女性アスリートは,負のエネルギーバランスに陥りやすく,低骨密度から疲労骨折が生じる.しかし,本邦における大学女性アスリートの疲労骨折の実態を捉えた研究はない.そこで,本研究の目的は,大学スポーツ協会(UNIVAS)に属する選手への傷害調査から,大学女性アスリートの疲労骨折の実態を把握する事とした. 2022年6月から2023年8月にかけUNIVASに関連する大学にウェブアンケートを行い,過去1年以内(2021年4月~2022年3月)に生じた疲労骨折の有無を聴取した.疲労骨折と関連する因子の検討には,BMI,部位,競技,競技レベル,練習量などを独立変数として,多変量ロジスティック解析を行った. 回答が得られた選手は4053名であり,疲労骨折を直近の1年間で生じた選手は3.1%(126人)で合計140件であった.疲労骨折が生じやすい部位としては,足/足趾が32.1%,下腿が22.1% と下腿から遠位に多いことが示された.競技別の頻度は,陸上が最も多く(19.0%),練習量(β=0.5,Exp=1.6),BMI(β=-0.1,Exp=0.9),全国大会以上の競技レベル(β=0.7,Exp=2.1)が,疲労骨折の関連因子であった. 大学生女性アスリートでは,疲労骨折は陸上で最も頻度が高く,足/足趾の発生が多かった.疲労骨折のリスク因子は,BMIが低く,練習量が多いことであった.

  • ―簡易的な下肢機能テストを用いた評価―
    奥谷 拓真, 丸山 祥平, 松井 知之, 田中 真紀, 来田 宣幸, 竹島 稔, 森原 徹
    2024 年32 巻3 号 p. 474-483
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    (目的)小学生野球検診における1年間の前向き研究として,身体機能テストの結果と翌年の肘内側部障害発生との関連を学年別に検証することを目的とした. (方法)2年連続で検診に参加し,初年度に肘内側部障害を認めなかった1-5年生の男子295名(平均年齢9.13±1.05歳)を対象とした. 初年度の検診で,しゃがみ込みテストと片脚立位テストをおこなった.両テストともに規定の姿勢を保持できた場合,良群とし,良群と不良群の2群に分類した.翌年の検診で,エコー検査と疼痛テストにより肘内側部障害の有無を調べ,初年度の各テストとの関連性を検証した. (結果)しゃがみ込みテストでの肘内側部障害陽性率は,2年生で良群:0%,不良群:33.3%であり,3年生で,良群:10%,不良群:38.6%であった.2-3年生では,しゃがみ込みテストが不良である選手は翌年に肘内側部障害となる人数が有意に多かった.その他項目では,各学年別に良群と不良群との間に有意な差はみられなかった. (考察)2-3年生において,しゃがみ込みテストが不良の場合は,肘内側部障害の発生リスクを予測するスクリーニングの選択肢のひとつとなり得ると考える.しゃがみ込みテストは,下肢の柔軟性を簡易的に評価でき,専門的な技術を要さないため,フィールド関係者にこの評価方法を啓蒙し,フィールドで活用することが有用であると考える.

  • ―損傷部位と疼痛自覚部位の関係―
    氷見 量, 石川 徹也, 杉山 貴哉, 三宅 秀俊, 渡辺 知真
    2024 年32 巻3 号 p. 484-491
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    (目的)股関節内転筋(内転筋)肉ばなれの特徴を調査すること. (対象・方法)2015年3月から2022年12月までに当院を受診しMRIで内転筋肉ばなれと診断された学生スポーツ競技者90例102ヵ所を対象とした.検討項目は対象者基本情報,疼痛自覚部位,スポーツ種目,内転筋の単独損傷か複数損傷か,単独損傷例における損傷部位と疼痛自覚部位の関係,疼痛自覚から受診までの期間,外傷の有無,JISS分類による損傷型と損傷度とした. (結果)全例における疼痛自覚部位は鼠径部が40%,大腿内側部が29%だった.スポーツ種目はサッカーが47%と最多であった.内転筋肉ばなれの内訳は単独損傷78例,複数損傷12例であった.単独損傷のうち長内転筋は51例で最多であった.損傷部位と疼痛自覚部位については,長内転筋は遠位損傷が多く,疼痛部位は大腿内側が多かった.外傷の有無は外傷なし43例,外傷あり47例だった.単独損傷例において長内転筋は他の内転筋群と比較して疼痛自覚から受診までの期間が有意に長く,外傷なしが有意に多かった(p<0.01).JISS分類の損傷型については,単独損傷例において長内転筋と他の内転筋群との間に有意差はなかった. (結論)単独損傷では長内転筋が多かった.長内転筋肉ばなれは他の内転筋群と比較して疼痛自覚から受診までの期間が有意に長く,外傷なし例の割合が有意に高かった.

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