(目的)本研究の目的は女性オーバーヘッドスポーツ選手の肩関節障害の危険因子である肩関節障害の既往歴と高等学校(以下高校)女子野球選手の肩関節機能との関係性を明らかにすることとした.本研究の仮説は既往群の肩関節内旋角度が小さく,肩関節外旋角度が大きい.肩甲骨運動異常の陽性の割合は既往群に高いとした. (方法)対象は高校女子野球選手30名とし,既往群10名,コントロール群20名に分類し,比較検討を行った.測定項目は身長,体重,年齢,Bodymass index,野球経験年数,関節可動域および弛緩性,肩関節・肩甲帯筋力,肩甲骨運動異常とした.各測定項目の比較にはMann-WhitneyのU検定,カテゴリー変数の比較にはFisherの正確確率検定を用いた.統計学的有意水準は5%未満とし,効果量としてRosenthalのrを算出した. (結果)投球側の肩関節外旋角度(p=0.037,r=0.38)および僧帽筋下部線維筋力(p=0.036,r=0.38)は既往群がコントロール群と比較し,有意に低値であった.また肩関節外旋不全の割合は既往群に有意に多かった(p=0.015). (結語)投球障害肩の既往歴を有する高校女子野球選手は過去の男子選手と異なり,投球側の肩関節外旋角度および僧帽筋下部線維筋力が低値であった.これらの指標は高校女子野球選手の障害予防,再発防止に重要な着目点となる可能性がある
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