日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
Print ISSN : 0285-1474
ISSN-L : 0285-1474
37 巻, 3 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
原著
  • 澤崎 優, 泊 史朗, 山名 孝治
    2008 年 37 巻 3 号 p. 155-158
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    僧帽弁位の活動期自己弁感染性心内膜炎に対する治療方針として,われわれは抗菌薬による治療を重視し,炎症を可及的に沈静化させたのちに手術を行う方針としてきた.また,弁形成術を成功させるための術式の工夫を行った.1997年より2007年までに僧帽弁に手術を行った連続16例を対象とした.平均年齢は54.6±13.4歳,男性69%であった.手術適応は,いずれも持続する感染であった.発症から診断までの期間は51.6±68.0日,診断から手術までの期間は35.8±15.2日であった.手術所見および病理所見は,16例中14例(87.5%)は活動期であったが,疣腫には治癒傾向を認める部分も混在していた.基礎弁病変により,前尖逸脱(3例),後尖逸脱(10例),交連部逸脱(2例),基礎弁病変のないもの(1例)に分類し,おのおのに対する術式を検討した.手技上の工夫としては,疣腫を削ぎ取るように切除し,弁尖をなるべく切除しないように配慮した.全例に僧帽弁形成術が施行できた.入院死亡は1例(6.3%)で,原因は術中の脳出血であった.術後観察期間は平均4.2±2.9年(1.3~10.9年)で,再手術例,感染の再発例,中等度以上の僧帽弁逆流の再発例,遠隔死亡例はなかった.術前抗菌薬治療を重視する方針をとり,早期,遠隔期成績は良好であった.また,疣腫のみを切除し,弁尖をなるべく切除しないという術式の工夫は安全であり,かつ形成術を成功させるうえで有用であった.
  • 南 裕也, 麻田 達郎, 顔 邦男, 三里 卓也, 宗實 孝
    2008 年 37 巻 3 号 p. 159-163
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    2006年1月から2006年12月までの間に当施設で行われた一連の腹部大動脈瘤手術23例で,在宅酸素療法中の3例(13%)と非在宅酸素療法患者20例(87%)の手術成績について比較検討した.在宅酸素療法中の3例は全例慢性閉塞性肺疾患患者 (COPD) で,在宅酸素療法期間は1カ月~8年6カ月(平均37.3カ月)であった.両群間で,年齢,腹部大動脈瘤最大径, VC(%VC),FEV1.0(FEV1.0%),PaCO2,PaO2 の術前因子について比較したところ,在宅酸素症例の FEV1.0(FEV1.0%) が有意に低値であった (1.20 vs. 1.83lp=0.018) が,ほかの因子では有意差が認められなかった.手術は全例経腹膜的に行い,術後,手術室で抜管し,在宅酸素患者においては抜管直後に手術室で輪状甲状靭帯穿刺によりミニトラック ® を挿入し術後の喀痰吸引を十分に行えるよう配慮した.手術時間,出血量,輸血量,グラフトのタイプに有意差はなく,全例軽快退院し,入院期間にも両群間に有意差は認められなかった.在宅酸素療法患者3例に対して全身麻酔による経腹膜的に腹部大動脈瘤手術を施行し,術前は十分な呼吸訓練,術後はミニトラック ® による積極的な喀痰排出を行い,非在宅酸素患者と同様に安全に手術が施行できた.在宅酸素療法中の症例でも正確に術前リスク評価を行い,適切な周術期管理を行えば,腹部大動脈瘤の開腹手術可能症例も多いと考える.
症例報告
  • 佐々木 智康, 根本 慎太郎, 禹 英喜, 羽森 貫, 大門 雅広, 三重野 繁敏, 小澤 英樹, 近藤 敬一郎, 勝間田 敬弘
    2008 年 37 巻 3 号 p. 164-166
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    右冠動脈-左房瘻に合併した多発巨大冠動脈瘤の1例を経験した.症例は35歳,女性.24歳時,第1子妊娠中に心エコーで心嚢内の嚢腫様病変を初めて指摘されたが放置していた.今回,第2子出産後, X 線造影 CT で右冠動脈入口部より起始する最大径85mmの冠動脈瘤およびそれより右房の横洞面を通り左房に向けて併存する最大径40mmの2つの冠動脈瘤を指摘された.心拡大を呈し,瘤径が大きく破裂の危険があるため,手術適応と判断された.体外循環,心停止下に冠動脈瘤切除,術中に判明した瘻孔の閉鎖および冠動脈#3への冠動脈バイパス術を施行した.術後経過は良好であり,独歩退院となった.
  • 藤井 奨, 澤 重治, 永峯 洋, 渡邊 透
    2008 年 37 巻 3 号 p. 167-170
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    破裂性腹部大動脈瘤では,7~30%に結腸虚血を合併することが報告され,重症の場合には結腸切除が必要になる.今回, S 状結腸を合併切除した左内腸骨動脈瘤破裂の症例を経験した.症例は78歳,男性.下腹部痛を主訴に救急搬送された.腹部 CT 検査で左内腸骨動脈瘤破裂と診断し手術を施行した.腹部大動脈の Y 型人工血管置換後,内腸骨動脈瘤を切開し,瘤より起始する分枝は内腔より閉鎖した.出血は後腹膜から S 状結腸の全周におよび,結腸梗塞が危惧された. S 状結腸を切除し,人工肛門を造設した.切除した結腸は全周性に粘膜面は暗赤色を呈し浮腫を認めた.出血は S 状結腸の粘膜下組織におよび,粘膜固有筋層の出血と粘膜上皮細胞の脱落を認めた.出血性梗塞の所見であった.経過は良好で術後第22病日に独歩退院した.下血などの症状がなければ術前に結腸の状態を診断することは困難であり,内腸骨動脈瘤破裂の治療では,周術期に結腸梗塞の危険性を考慮することが必要であろう.
  • 坂口 昌之, 樗木 等, 内藤 光三, 片岡 浩海, 白馬 雄士
    2008 年 37 巻 3 号 p. 171-173
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は26歳,女性.38℃の発熱持続を主訴に近医受診し血小板減少を指摘されて当院を紹介受診した.播種性血管内凝固症候群・敗血症の診断で入院となったが,顔面・四肢末梢の発赤を伴う多発性有痛性結節より感染性心内膜炎を疑われ,心エコー検査で僧帽弁後尖弁輪部付近に疣贅を認め,確定診断にいたった.準緊急手術となり術中所見では軽度の僧帽弁閉鎖不全症 (MR) を認めたが,疣贅は左房後壁に付着しており弁尖への疣贅の付着や弁破壊は認めなかった.一部左房内膜とともに疣贅を切除し,内膜欠損部位を自己心膜で左房壁パッチ形成術を行った.血液・組織培養より起因菌はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌であった.術後は顔面,四肢の皮膚病変は消失し,心エコーでは軽度の MR 残存を認めたが経過良好で軽快退院した.
  • 秋山 芳伸, 松原 健太郎
    2008 年 37 巻 3 号 p. 174-176
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は54歳,男性.右下腹部痛精査中に腹部 CT で嚢状腹部大動脈瘤を指摘された.短期間での増大がみられたため手術適応と考え,人工血管置換術を施行した.術後病理診断で結核性大動脈瘤と診断された.肺結核に準じた化学療法を施行しており,経過は良好である.結核性大動脈瘤は非常に希な疾患であるが,嚢状・仮性動脈瘤が大部分であり,急速に拡大し破裂する危険性が高いため,早期治療が重要な疾患である.文献的には,手術と薬物療法の双方が必要である.本症例のように活動性の結核病巣がなくても仮性動脈瘤の原因として考慮に入れなければならない疾患の一つである.
  • 飯田 泰功, 山本 和男, 三島 健人, 上原 彰史, 榊原 賢士, 杉本 努, 吉井 新平, 春谷 重孝
    2008 年 37 巻 3 号 p. 177-180
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は71歳,男性.2007年3月1日突然の左下肢腫脹が,3月5日から歩行時痛が出現し,8日に近医を受診したが,塗り薬により経過観察されていた.その後,下肢の感覚鈍麻も出現したため,15日当院整形外科受診,静脈エコーで左総腸骨静脈の閉塞を認めたため,当科入院となった.造影CTでiliac compression syndromeと診断し,同日一時的IVCフィルター挿入,ヘパリン,ウロキナーゼ持続静注とワーファリン内服を開始した.1週間後,大腿・下腿周囲径は改善したが,熱感,歩行時痛は改善せず,静脈エコーで左総腸骨静脈内に血栓が残存していたため,3月26日(発症後26日)に10mmのリング付きexpanded polytetrafluoroethylene(ePTFE)グラフトにより左総大腿静脈-右外腸骨静脈バイパス術を施行した.術後,下肢周囲径はさらに改善,静脈造影,CTでグラフト開存を確認し,術後11日目に退院した.術後3カ月のエコーでグラフト開存を確認した.今後も,注意深い観察が必要であるが,慢性期に入り症状の改善を得がたい症例に対してバイパス術は治療法の選択肢の一つになると考え,文献的考察を加え報告する.
  • 中島 正彌, 森田 伸, 寺西 克仁, 山口 和男, 竹内 栄二
    2008 年 37 巻 3 号 p. 181-184
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,男性.数日前から続く吐き気,嘔吐により近医を受診し,施行した腹部 CT で十二指腸狭窄を伴った巨大腹部大動脈瘤を指摘され,当院で Y 型人工血管置換術となった.画像診断が進歩し,腹部 CT から偶然発見される腹部大動脈瘤も増加してきたが,嘔吐,腹痛などの腸閉塞症状により腹部大動脈瘤が発見される症例は非常に希である.今回われわれは,十二指腸閉塞症状を契機として診断された巨大腹部大動脈瘤の1例を,若干の病態生理学的考察を加え報告する.
  • 四元 大輔, 井畔 能文, 山本 裕之, 松本 和久, 坂田 隆造
    2008 年 37 巻 3 号 p. 185-188
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は77歳,女性.胸腹部大動脈瘤破裂で緊急入院となった.CTで横隔膜レベルに最大径7cmのCrawford I型の胸腹部大動脈瘤とその周囲に血腫を認めた.全身麻酔下に右大腿動脈アプローチでstent graft内挿術を施行したが末梢端のendoleakが残存した.術翌日のCTでも瘤内の造影を認めたため追加stent graft内挿術を施行した.全身麻酔下に開腹し,まずY字graft(Intergard 16×8mm)で腹部大動脈から腹腔動脈,上腸間膜動脈間にバイパスをおいた.そのあと右総腸骨動脈から7.5cm長のstent graftをstent in stentとして腎動脈直上まで留置した.術後の造影では胸腹部大動脈瘤内へのendoleakは消失し,腹腔動脈,上腸間膜動脈へのgraft patencyは良好であった.術後25日目に退院となった.破裂性胸腹部大動脈瘤に対して腹部分枝再建後のstent graft(hybrid techniques)は有効な治療法と考えられた.
  • 柳 浩正, 浦中 康子, 高梨 吉則
    2008 年 37 巻 3 号 p. 189-192
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は72歳,女性.脳梗塞の既往をもち,2005年10月から労作時息切れが出現し3日後に呼吸困難となり入院となった.精査で不完全型房室中隔欠損症,左側房室弁逆流,心房細動と診断した.手術は左側房室弁形成術,心房中隔一次孔欠損パッチ閉鎖術を施行した.報告例では高齢者の房室中隔欠損症に対する根治手術例は希であるが,術後経過は順調であり, quality of life の著しい改善が認められ,積極的に手術を行うべきであると考える.
  • 小澤 優道, 杭ノ瀬 昌彦, 吉鷹 秀範, 田村 健太郎, 畝 大
    2008 年 37 巻 3 号 p. 193-196
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,女性.後腹膜脂肪肉腫およびその再発のため手術5回と化学療法を施行した既往を有し,そのフォロー中に MRI 検査で心尖部に異常影を認め,右心室造影検査で右心室瘤と診断した.手術は胸骨正中切開によりアプローチし,瘤は小指頭大で心嚢膜との癒着は認めなかった.瘤を取り囲むように右室心筋全層を巾着縫合し,瘤を切開して血液漏出のないことを確認して同切開部位を縫合閉鎖した.採取した瘤壁の病理組織診断では心筋成分は認めず,心外膜下心室瘤と診断した.術後は良好に経過し,術後15日目に退院した.
  • 久田 洋一, 迫 史朗, 泉 賢太, 江石 清行
    2008 年 37 巻 3 号 p. 197-200
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は71歳,男性.左前下行枝(#7)閉塞による急性心筋梗塞を発症した.心臓超音波検査および心臓カテーテル検査により心室中隔穿孔 (VSP) と前壁中隔領域に広範な左室瘤を認めた.発症7週目に手術を施行した.手術は体外循環確立後,心停止下に左前下行枝の左側で左室瘤を縦切開した.左室瘤および VSP 部を exclusion するように長楕円形のウマ心膜パッチを用いた SAVE (septal anterior ventricular exclusion) 手術を施行した. VSP は心筋梗塞発症後7週目であり周囲組織は比較的強固であったことと,同部はウマ心膜パッチで exclusion することから直接縫合閉鎖した.同時に CABG (LITA-LAD) も施行した.術後左室造影において遺残シャントを認めず良好な左室形態および左室機能が保持できた.左室瘤を伴う VSP に対して,本法は梗塞部および VSP 部も exclusion し,かつ左室形態を改善させる有用な術式と考えられた.
  • 福田 幸人, 木川 幾太郎, 三浦 友二郎, 宮入 剛
    2008 年 37 巻 3 号 p. 201-204
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    非破裂腹部大動脈瘤 (AAA) に対する待機的手術において,術後対麻痺を合併した希な2例を経験したので報告する.症例1は80歳の透析施行中の男性で,術前の冠動脈造影検査で左前下行枝に75%の狭窄を認めたが,心機能良好であるため AAA に対し後腹膜アプローチにより tube グラフト置換術を行った.術直後より対麻痺症状を認め,術後の MRI で前脊髄動脈症候群と診断された.症例2は62歳の男性で,術前に心拍動下で両側内胸動脈を用い冠動脈バイパス手術(2枝3カ所)を行い,その後,正中切開で Y グラフト置換を行った.同時に根部に狭窄を認めた腹腔動脈および上腸間膜動脈にも Y グラフトの右脚との間に人工血管によりバイパスを追加した.覚醒後より対麻痺の合併を認めた.両症例とも冠動脈病変を合併し,胸部下行大動脈にも著明な動脈硬化所見を認めていた.症例2では内腸骨動脈の枝である腸腰動脈から脊髄へ向かう動脈の走行が CT で確認でき,術中の内腸骨動脈の遮断が対麻痺の原因になったと考えられる.胸部下行大動脈に動脈硬化が強い症例では,同部位からの脊髄根動脈の閉塞の可能性があり,このような症例では側副血行路による脊髄への血液供給が大切である.
  • 望月 慎吾, 中尾 達也, 繁本 憲文, 川上 恭司
    2008 年 37 巻 3 号 p. 205-208
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    左冠動脈回旋枝 (LCx) に新たな狭搾をきたした再発狭心症に対して,左開胸下に PAS·Port (Cardica社,Redwood City, CA) を用いて下行大動脈に中枢側吻合し,グラフト経路として肺門上を選択した心拍動下冠動脈バイパス術 (OPCAB) を経験したので報告する.症例は60歳,男性.1999年8月11日に当科で OPCAB (左内胸動脈(LITA)-前下行枝(LAD),左橈骨動脈(RA)-右後下行枝(4PD))を施行した.2006年8月15日に再び胸痛を認めたため8月24日に冠動脈造影検査 (CAG) を施行したところ,LCx#11~13に高度の石灰化を伴う90%狭窄を認めたため手術目的で当科紹介となった.胸骨正中切開ではグラフトを損傷する可能性が強く,左開胸下に大伏在静脈 (SVG) を用いて下行大動脈から第1鈍縁枝(OM1),第2鈍縁枝 (OM2) に対して sequential に再冠動脈バイパス術 (re-CABG) を施行した.下行大動脈は石灰化が強く遮断困難であったため, PAS·Port を使用して下行大動脈に SVG を中枢側吻合し,肺門上を通過させ末梢側を吻合した.術後経過は良好で術後22病日に退院した.回旋枝領域への re-CABG を施行する場合には左開胸アプローチが有用であるが,そのさい graft inflow source およびグラフト経路を十分に考慮する必要がある.
  • 古泉 潔, 上田 敏彦, 田口 眞一, 井上 仁人, 加島 一郎, 加藤木 利行
    2008 年 37 巻 3 号 p. 209-211
    発行日: 2008/05/15
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は5歳時に,先天性孤立性僧帽弁閉鎖不全症に対し DeVega 法により弁形成術を施行された既往のある13歳女性.僧帽弁閉鎖不全症再発のため小児科より紹介となった.経食道心エコー検査で A2 と P3 からの逆流を認め,軽度弁尖の tethering と左室拡大を認めた.術中所見では後尖は P3 を中心に低形成であった. A2 に弁尖逸脱は認めなかったが,相対的に A2 弁尖より P2 弁尖が左室側に落ち込み,その弁接合不良により逆流を生じていた. Folding plasty に準じて, P3 弁尖を後交連側の弁輪へ縫合した.この手技により P3 の逆流を制御できたと同時に, A2 と P2 の弁接合と改善された.弁輪縫縮は行わなかったが,28mmフィジオリングで弁輪形成を行った.先天性僧帽弁閉鎖不全症に対して, folding plasty は必ずしも弁輪縫縮を必要とせず,より広い弁口面積を確保できる可能性がある点で,有効な手技の一つとなりえると考えられた.
feedback
Top