日本栄養士会雑誌
Online ISSN : 2185-6877
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53 巻, 11 号
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実践事例報告
  • 小澤 啓子, 上田 伸男
    2010 年 53 巻 11 号 p. 1006-1014
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/26
    ジャーナル フリー
    診療所へ通院する2 型糖尿病患者の食生活改善のために、専門家による個人に適切な情報を提供する栄養教育プログラムが必要であると考え、⌈食事改善プログラム“カロリーママ” ⌋を開発し、このソフトを用いた非対面型個人対応食生活改善プログラムを作成した。プログラムの有効性と問題点を明確にするために、第一段階として、対象者のプログラム導入前の食生活改善意欲レベル、食事内容の問題点、プログラム参加にあたり期待すること等の実態を把握することを目的とし、臨床検査値、問診票、自己記入式の食事日記から得られる情報をもとに、調査を行った。
    結果、1) 血糖コントロールのみでなく、肥満改善も必要な集団であった。2) 食事や健康に関する情報を的確に利用できていない者が多かった。3) 食事内容について、食品では野菜、栄養素的には糖質・脂質を多く含む食品に対して⌈自分の適量⌋の把握が不十分であった。また、⌈主食・主菜・副菜のバランス⌋が理解・実行されていなかった。
    以上のことから、これらの内容を考慮した食生活改善指導が必要であることが分かった。今後は、把握できた問題点が、プログラム参加により改善されていくかを調査し、プログラムの有効性と問題点を明確にする必要性がある。
  • 原 奈津子, 村田 幸治, 名和田 清子, 亀井 勉
    2010 年 53 巻 11 号 p. 1015-1022
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/05/26
    ジャーナル フリー
    特定保健指導の際にどのように導入(初回面接) を行うと、効果的な特定保健指導が行えるかについて検討した。特定保健指導対象者の男女22 名をBreslow の7つの生活習慣 (運動、朝食、間食、睡眠、喫煙、飲酒、適正体重) に基づく健康指数 (HPI) の事前調査の結果に基づいて初回面接を行うHPI 群 (H 群) 12 名と、事前の調査を行わずに初回面接を行うコントロール群 (C 群) 10 名に分類した。開始3 カ月後の改善効果をBMI およびHPI 得点の変化により検討した。その結果、両群で有意なBMI の減少およびHPI 得点の増加を認めた。改善度はC 群に比べてH 群で大きかった。また、H 群では特にHPI 項目の運動習慣の改善者数が多かった。HPI を活用して簡便に問題点の把握と重点的な指導項目の選定を行い、対象者の生活習慣に着目した個別の指導を実践することにより、より効果的な特定保健指導を行うことができると考えられた。
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