日本栄養士会雑誌
Online ISSN : 2185-6877
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54 巻, 1 号
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  • 鎌田 智英実, 吉村 幸雄, 奥村 亮太, 高橋 啓子
    2011 年 54 巻 1 号 p. 17-27
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/27
    ジャーナル フリー
    本研究では、食事バランスガイドを利用するにあたり、大学生が摂取量をサービング(SV)としてどの程度把握することができるかを調べるため、1日の食事記録調査とSVの記録調査を行った。対象者が記録したSVを自己算定SVとし、食事バランスガイドの算定方法に基づきコンピューターを使って計算したSVを第三者算定SVとした。自己算定SVの第三者算定に対する割合は、主食、副菜、牛乳・乳製品、果物の各区分で80%程度であるものの、主菜では49% と過小に算定する傾向が見られた。主菜は複数の材料を含んでおり、1種類の料理で複数の料理区分に分類されることが多いことや、1SVの基準量がたんぱく質であるため、適正な料理区分への分類や量として把握することが難しいことが考えられ、食事バランスガイドを利用する上で、特に注意が必要な料理区分であることが分かった。また、今回の調査で主食(r=0.69)および主菜(r=0.44)のSVとエネルギー摂取量には高い相関が見られたことから、主食と主菜のSVを把握することによりエネルギー摂取量の推定が可能であると考えられた。
  • 片山 夕香, 吉池 信男, 政安 静子, 平野 孝則, 佐藤 明子, 稲山 貴代
    2011 年 54 巻 1 号 p. 25-35
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/27
    ジャーナル フリー
    本研究は、知的障害者施設成人入所者の栄養アセスメントに活用できる、性・年齢階級別のパーセンタイル値を含む身体計測値の基準データを提示することを目的とした。調査時点で正式登録のあった全国の知的障害者入所全施設(1,950施設)に対し、年齢階級(30歳代から50歳代)、性、原疾患、日常生活自立度、身長、調査時点の体重、1年前の体重、5年前の体重のカルテ調査を依頼した。最終的に188施設から5,371名分の回答が得られ、調査内容に欠損のない4,903名(男性2,643名、女性2,260名)を解析対象とした。日常生活自立度は、約88%が「自立」から「A1」のおおむね1人で活動できる者であった。調査時点での身長、体重データから、男性では、過体重(BMI≧25kg/m2)16%、低体重(同<18.5)13%、女性では過体重27%、低体重12%であった。てんかん、精神遅滞・発達障害を原疾患に持つサブグループのBMI分布は、全体のBMI分布と比べ大きな差は見られなかった。5年前の体重を用いた後ろ向きデータから、中年期において男女いずれも体重が5年間で3%前後減少する傾向が見られ、健常者中年期の年齢変化による体重推移とは対照的であった。これらの結果から、知的障害者に対する栄養支援の重要性が示唆された。
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