日本栄養士会雑誌

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本研究の目的は、N 介護老人保健施設の入所者を対象として、箸の使用の有無と、日常生活行動の自立度の関係を検討することである。箸を使用している高齢者は、箸を使用していない高齢者に比べ、食事を自立して行っていることが多い。では、箸使用群の、食事以外の自立は、非箸使用群に比べてどうであろうか。そこで、箸使用群と非箸使用群に分けて、寝たきり度と認知症度を比較し、食事以外の日常生活の歩行、尿排泄、便排泄、入浴などの自立度について比較をした。その結果、箸使用群は食事の自立のみならず、非箸使用群に比べて寝たきり度や認知症の程度においても、さらに日常生活の自立度が高い傾向にあることが明らかとなった。このことから、高齢者における日常生活の自立度を見る上で、箸を使用できるか否かが1 つの簡易な指標となり得るのではないかと考える。

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