日本栄養士会雑誌
Online ISSN : 2185-6877
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55 巻, 1 号
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  • 安武 健一郎, 一ノ瀬 雅子, 戸次 真知子, 池本 美智子, 吉本 剛志, 福泉 公仁隆, 中島 学, 遠城寺 宗近, 中牟田 誠
    2012 年 55 巻 1 号 p. 32-39
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/01/05
    ジャーナル フリー
    ペグインターフェロン+リバビリン併用療法が導入されたC 型慢性肝炎患者41 例に対して、治療前および治療12 週目に簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を用いた栄養素等摂取量調査を行い、特に多価不飽和脂肪酸(PUFA)摂取量とウイルスの早期陰性化(EVR:Early virologic response)との関係に注目して解析を行った。EVR の判定は、C 型肝炎ウイルスRNA の定量下限である1 . 2 Log IU/mL 未満と定義した。高ウイルス量の定義はC 型肝炎ウイルスRNA 5 . 0 Log IU/mL とした。治療12 週目では、副作用等の影響によりPUFA 摂取量が有意に減少していた。また、genotype 1b 20 症例(高ウイルス量17/ 低ウイルス量3)のEVR 率は60 . 0% であったが、PUFA とEVR の関係を見ると、治療前後でPUFA 摂取変化量(Δ PUFA)が-0 . 03 g/kg 以上であった群では1 例を除いてEVR に至っており、減少した群に比較して有意に高いEVR 率であった(87 . 5% vs 41 . 7%、p=0 . 0404)。これらより、ペグインターフェロン+リバビリン併用療法中において食事摂取量、特にPUFAの確保は治療効果の向上に寄与する可能性が示唆された。
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