日本栄養士会雑誌
Online ISSN : 2185-6877
Print ISSN : 0013-6492
ISSN-L : 0013-6492
57 巻, 11 号
選択された号の論文の1件中1~1を表示しています
  • 安武 健一郎, 堀田 徳子, 澤野 香代子, 土橋 卓也
    2014 年 57 巻 11 号 p. 842-849
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/30
    ジャーナル フリー
    本研究は、24 時間尿比例採取器を用いた簡便な24 時間蓄尿法を幼児に適応し、食塩摂取量評価を行うことの有用性あるいは問題点を食事調査と比較することで検討した。5~6 歳の幼児10 名(男児5 名/女児5 名)を対象に24 時間蓄尿を実施し、蓄尿前の2 日間の食事を秤量記録法と陰膳法で調査した。その結果、秤量記録法、陰膳法による1 日平均食塩摂取量は、それぞれ5.0 g、3.7 g であった。一方、24 時間蓄尿法による1 日平均食塩排泄量は4.7 g であった。秤量記録法と陰膳法による食塩摂取量の間には強い相関関係を認めたが(r=0.81, p<0.01)、秤量記録法および陰膳法による食塩摂取量と24 時間蓄尿による食塩排泄量の間には全く相関を認めなかった。これらの食塩摂取量評価法について、秤量記録法では外食等における調味料使用量推定値の誤差、陰膳法では実際の食事サンプル重量との誤差、24 時間蓄尿では食事調査と24 時間蓄尿法の調査日程の問題および24 時間蓄尿成功率等が誤差の要因として考えられ、結果に影響した可能性が考えられる。結論として、幼児において24 時間尿比例採取器を用いた24 時間蓄尿法から食塩摂取量を評価することは、食事調査と同様に難しいことが示され、それぞれの手法の特徴を踏まえて評価法を選択すべきと考えられた。
feedback
Top