「学校給食摂取基準」の考え方を踏まえた給食の提供には、施設ごとの学校給食摂取基準量を作成する必要がある。そこで、児童生徒個々の身体計測値から推定エネルギー必要量(EER)を求め、その集団の中央値をもとに、学校給食で給与するエネルギー目標量を決定するまでの手順を検討した。対象は小学校、中学校および給食センターの3施設が、給食を提供する児童生徒2,114名とした。EERの算出は、学校給食摂取基準に準拠し、身体活動レベル1.65(6~7歳)、1.7(8~14歳)を適用。年齢区分を6~7、8~9、10~11、12~14歳とし、区分ごとにEERの分布を確認した。その結果、EERの33%の中央値は、年齢区分順に503kcal、617kcal、731kcal、815kcalであった。また、中央値の±10%の範囲に入る割合は、61%、53%、51%、60%であった。これにより、分散の程度や中央値から外れる者の特定が可能となり、個に応じた学校給食の実現の可能性が示唆された。今後、各施設の状況に応じた栄養管理の実践事例と、データの蓄積を増やしていくことが課題である。
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