日本栄養士会雑誌
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58 巻, 5 号
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  • 上原 好, 堀 容子, 西山 英子, 國分 葉子, 高野 誠, 松崎 義則, 三宅 紀子, 中尾 智
    2015 年 58 巻 5 号 p. 368-377
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル フリー
    社員食堂にて提供している食育ランチメニュー(Dietary‌ Education‌ Lunch‌menus;DEL)のメタボリックシンドローム(MetS)の予防効果を検討するため、3企業5施設でDELを喫食した692名にアンケート調査を行い、DELの喫食頻度、期間別に比較した。さらに、追跡調査として、参加同意を得た20名を対象に3カ月間(就業日週5日)DELを喫食してもらい、介入前後で身体計測、血液検査と食行動質問表による調査を実施した。結果、多施設アンケート調査では、DELを週4回以上と継続的に喫食している群ほど、自覚的な体重減少(p<0.01)と食意識の改善(p<0.01)を認めた。また、介入調査において、女性4名を除いた男性16名の結果は、3カ月で腹囲、体重、体脂肪量が有意な減少を示し、血液検査では、HOMA-R(p<0.001)とγGTP、AST、ALT、LDLc値(p<0.05)が有意に改善を認めた。さらに、食行動調査では、「食べ方」、「食事内容」 にも改善が認められた(p<0.01)。本研究において、DELの継続的な喫食により体重が減少し、臨床検査値が改善したことは、昼食のエネルギー量の減少と合わせて食行動の変化が大きな要因と示唆された。このことはDELが、昼食一食というアプローチでも食生活の改善をサポートしたと考えられる。以上のことよりDELは、MetS予防に有効な食育ツールとなり得ることが示唆された。
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