本研究は、幼児とその母親の朝食摂取状況を子どもの性別に検討し、今後の保育所における食育に資することを目的とした。京都府南部の一町の全ての保育所に通う3~5歳児555人(男児294人、女児261人)を対象に自記式アンケートを行った。調査項目は属性、身体特性、子どもの朝食および夕食摂取状況、保護者の食習慣および子どもの食事で心掛けていることの計20項目である。回答者(率)343人(61.8%)のうち母親以外が回答した6人を除き、男児187人、女児150人、計337人(60.7%)とその母親を解析対象とし子どもの性別に比較した。朝食における 「主菜」 の摂取は、男児44.4%、女児32.7%(p=0.033)、「牛乳」 の摂取は男児50.8%、女児36.7%(p=0.011)といずれも女児が有意に低かった。「ひとり食べ」 は男児1.6%、女児6.0%と女児で有意(p=0.039)に高かった。母親の食習慣および 「子どもの食事で心掛けていること」 に子どもの性別による差は認めなかった。保育所での朝食に関する食育実施にあたり、性差に配慮する必要性が示唆された。