拭き取りアデノシン三リン酸(ATP)検査法を用いて病院調理場における衛生状態を明らかにし、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(200ppm:pH9.4)(以下、次亜)およびアルコール消毒剤(50%)(以下、ALC)の影響を探索する。2017年3月から2018年2月の期間、静岡がんセンター栄養室調理場の7カ所を対象に拭き取りATP検査法(RLU値)を用いて月1回、a:清掃前、b:洗浄後、c:消毒(次亜、ALC)後に検査した。 7カ所のうち3群間のRLU値に有意差が認められたのは調理台、水道コック、冷蔵庫把手であった(p<0.05)。オーブン把手、移動調理台、ベルトコンベア、パススルー冷蔵庫把手のb:洗浄後⇒c:消毒後に有 意差は見られなかった。拭き取りATP検査法は、病院調理場の衛生状態を評価でき有用である。病院調理場における拭き取りATP検査法では次亜による洗浄作用の影響を受けている可能性がある。