通信制大学・短大は多様な層を受け入れてきたが、高校新卒者はその中心ではなかった。しかし、若者支援の点から進路選択肢としての通信制大学・短大は重要になってきている。そこで、本研究では高校新卒で通信制に進学する者に着目し、進学動向と変化の要因を検討する。研究方法は学校基本調査の高校卒業者進路の経年分析による。
分析の結果、以下が明らかになった。
1)通信制大学・短大への入学者は全日制・通信制高校出身者が中心。
2)35年間の推移では、高校の全課程、特に通信制で1990年頃に通信制大学・短大への進学割合が最も高い。各課程ともその後、通信制への進学者は減少したか、直近5年間は増加傾向にある。
時期毎に検討すると、1990年代前半までは第二次ベビーブームや経済の停滞等が、2010年代前半までは大学設置基準の大綱化や通信制高校生の進学志向等が、それ以降では通信制高校の規模拡大、通信制での学習方略への期待が、進学動向の変化に影響する要因として考えられた。
今後、通信制大学・短大にとって高校新卒者の受け入れは学生獲得の点で重要であり、学びのユニバーサルデザインの発想、サポート体制の充実、真に学ぶ力をつけた学生の輩出が期待されるだろう。コロナ禍で遠隔教育への期待が高まる中、通信制大学・短大は試される時期に来ているのである。
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