歯科材料・器械
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21 巻, 4 号
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原著
  • 近藤 健介, 吉田 隆一
    2002 年21 巻4 号 p. 183-196
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー
    チタンおよびチタン合金を陽極酸化処理し,歯冠色に近づける方法と色について検討するとともに,摩耗試験をした時の重量および色の変化について調べた. 実験にはTi, Ti-6 Al-4V, Ti-6 A1-7 Nb, 50 at% Ni-Tiの4種類の金属を用い,素材の調整,脱脂,酸洗,陽極酸化,後処理(加熱処理)それぞれの条件に検討を加え陽極酸化処理を行った. その後,この試料に歯ブラシ式の摩耗試験を行い,摩耗試験前後の重量変化量と色差を調べた. その結果,4種の金属すべてで歯冠色相当の色が得られ,陽極酸化皮膜はμmオーダーの厚い皮膜となり,十分な耐摩耗性を示した. この皮膜の厚さは加熱処理条件に大きく影響され,組成や色の違いは,チタン含有率に伴う干渉皮膜の厚さ,および,合金や電解液中のチタン以外のイオンとその酸化物の影響をうけると考えられた.また,摩耗に対する歯冠色範囲の維持性には金属そのものの色が大きな影響を与えることがわかった.
  • 三宅 宗次, 末瀬 一彦
    2002 年21 巻4 号 p. 197-201
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー
    表面改質技術を応用し,チタン鋳造体試料を真空炉内でチタン鋳造体を変態温度以下で熱処理を行った.この処理によりチタン表面を拡散浸透固溶の傾斜機能層の形成することを目的とした.チタン材料は市販純チタン(CPチタン)およびTi-6 Al-7 Nb合金を使用して鋳造体試料を作製した.表面改質処理に伴うこれらの試料を,引張強さ,伸び,ビッカース硬さ,加熱処理時の変形量の計測,SEM像観察を行った.その結果,表面改質処理を行うことによってチタンの表面硬さは増大した.しかし,引張強さに影響は認められなかった.加熱処理によって鋳造体の変形はなかった.伸びはわずかに増大したが,処理前後における金属の種類によって伸びに有意差は認められなかった.表面SEM観察像からチタン鋳造体表層部に限局した改質が明らかであった.
  • 江田 和夫, 岡本 佳三, 宮崎 光治, 成瀬 重靖
    2002 年21 巻4 号 p. 202-209
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー
    鋳造用Pd-Co-Ag系磁性合金を試作し,市販歯科用金銀パラジウム合金および金合金との鋳造性および鋳造法による鋳造体表面性状,機械的性質の比較,試作磁性合金の組織観察,市販磁性構造体との吸引力の測定を行い,次の結論を得た. 1.鋳造性は市販の金銀パラジウム合金および金合金と同程度であった. 2.鋳造体の表面性状はブローパイプの場合にやや大きな表面荒れが見られたが,高周波およびアーク鋳造の場合は,対照とした市販合金とほぼ同等であった.
  • 高岡 謙次, 廣瀬 英晴, 臼井 伸行, 金田 光正, 萩野 則仁, 西山 實
    2002 年21 巻4 号 p. 210-219
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー
    鋳造用リングライナーの緩衝能を表すパラメータとして,埋没材の吸水膨張に対するワセリン塗布ライナーの緩衝効果について検討した.ライナーは,セラミックファイバー系15種(A群:ロックウール系,B群:セラミックファイバー低温系,C群:セラミックファイバー標準系,D群セラミックファイバー低温〜標準系,E群:カオリン系)を用いた.硬化膨張測定器移動枠にワセリン塗布ライナーを装着して埋没材の吸水膨張率を120分間測定し,ライナー装着なしでの吸水膨張率との差,すなわち,緩衝量から緩衝効果を検討した.その結果,埋没材の吸水膨張に対するライナーの緩衝量は,練和開始20分後まで増加して最大を示したのち,急激に減少して30〜45分後で最小を示し,その後はわずかに変動する傾向を共通して示した.注水した練和開始15分以降120分まで緩衝量が正の値を示したのは11製品であった.緩衝量の最大値は,D群が最も大きかった.
委員会報告
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