冷間等方加圧法を利用して作製した陶材インレーの焼成収縮を改善するために,酸化膨張を期待できる中間酸化物を添加し収縮の補償を検討した.B,Si,Ti,SiO,TiO,あるいはSnOを陶材粉末に10wt%添加し970℃,55秒間焼成した.その結果,色調が白色で形態も良好な酸化を示したSnOについて,添加量,焼成時間,焼成温度の寸法変化率,二軸曲げ強さに及ぼす影響について調べた.SnO添加量が増加すると,収縮は減少し50wt%以上では膨張を示した.焼成時間を55秒から5時間,焼成温度を970℃から1050または1100℃と変化させても大きな変化は認められなかった.二軸曲げ強さはSnO無添加では120MPaを示したが,SnO添加量が10〜80wt%と増加するにつれて,75〜30MPaに減少した.中間酸化物の酸化膨張を利用して焼成収縮の補償が可能であると思われた.
抄録全体を表示