日本鹿研究
Online ISSN : 2435-5933
Print ISSN : 2185-0542
2012 巻, 1 号
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  • 福井 えみ子, 丹治 藤治, 小金澤 正昭, 吉澤 緑, 松本 浩道
    2012 年 2012 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2012年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル フリー
    大分県杵築市山香町において捕獲された分枝のない大きな角を持つニホンジカの分子遺伝学的特徴を明らかにすることを目的とした。まず、DNAを抽出し、ミトコンドリアDNA のコントロール領域およびチトクロームb領域をPCRで増幅後、シークエンス解析により塩基配列を明らかにした。得られた塩基配列を用いて、既に報告されているニホンジカの亜種であるエゾジカ、ホンシュウジカ、キュウシュウジカおよび中国のニホンジカのものと比較した。その結果、キュウシュウジカと最も高い相同性を示したことから、分枝のない角を持つニホンジカは日本在来のニホンジカであり、環境や突然変異などの影響によりこのような角の形態的変異を獲得したと考えられた。
  • 鈴木 達朗, 丹羽 美次, 園原 和夏, 小林 信一, 小泉 聖一
    2012 年 2012 巻 1 号 p. 6-9
    発行日: 2012年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル フリー
    【目的】野生鳥獣、特にシカによる農作物被害対策の一環として、森林内下層植生の牧養力の測定を行った。【方法】神奈川県伊勢原市のスギ人工林内を試験地とし、間伐率0% 25% 33%の各区において、コドラート法により下層植生の収量を計測し、栄養素量を測定するとともに、本学付属農場で飼育されているニホンシカ(メス)4頭を用いてカフェテリア 法による嗜好性試験を実施した。【結果】2010 年度の収量及び乾物量では間伐率ごとに有意差は出なかったが、2011 年度では有意差が出るようになった。一般成分においては間伐率ごとに差はなかった。また主要な下層植生であるコアカソ、シダ、チヂミザサ、ヤマグワの一般成分は、ヤマグワで粗蛋白質量が21.3%と高く、チヂミザサはNDF 量が55.4%と高いなど種類ごとに栄養素量の違いが見られた。この4 草では、ヤマグワ>チヂミザサ>コアカソ>シダの順に嗜好性が高かった。
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