本報告は触刺激発生装置の試作について述べ, 併せてその実験例を行なっている.
従来視聴覚に関しては, この種の装置は作られているが, 触覚に関するものはほとんど見当らない. 本装置は測定者操作部, 被験者操作部, 刺激呈示部の3つから成り, これらを電気回路によってそれぞれ結び, 刺激 (試料) を8面体ドラムに貼って, それらをランダムに発生させ, 被験者に連続的に認知応答してもらう仕組になっている.
この装置によれば, 触覚による識別検査を可能にし, とくにテストに対する習熟性, 識別の再現性, 正答・誤答の程度などを計量的に把握することが可能になり, 今後, 布, 紙など触覚によって識別する分野に, 広く応用されることができよう.
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