視覚代行の試みとして, 聴覚を利用する方法を検討し実験装置を作った. この装置はイメージセンサーによって視空間情報を25×25個の画素に分割し, その黒レベル信号を音パターンに出力する. 変換方法は, 縦軸を周波数情報, 横軸を両耳に加える音の強度情報とし, 左から右へ一定速度で出力を呈示する.
実験によると, 出力パターンの呈示時間は2.0sec以上あると知覚されやすいことがわかった. また, 訓練によるとカタカナは90%, アルファベットは91%以上判別可能であることが示された. さらに, 実験結果を階層クラスター分析し, パターン間の類似性をデンドログラムによって考察した.
このような知見は, 図形や障害物を察知するための盲人用視覚代行器に, 今後, 応用できるものと思われる.
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