J. D. Hardy の熱痛計を原理的に改良した簡易型の熱痛計を開発・試作した. この改良型熱痛計は小型で持ち運びやすく, また被験者に対してなんらの前処置も必要としないので扱いやすい. さらに, 痛みを感じるまでの時間をパラメータとしたために, ただ1回の測定で痛覚閾値を得ることができ, 時間的に速やかに変化する痛覚閾値測定実験にも応用することができた. 本研究では機器の特性を知るための基礎実験のほかに, 低周波除痛器の評価実験, ツボにおける熱痛閾値測定実験, 肉体的疲労度の推定, バイオフィードバックによる痛みの抑制実験などの応用を行った. 実験の結果, 改良型熱痛計の有用性が証明された.
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