人間工学
Online ISSN : 1884-2844
Print ISSN : 0549-4974
ISSN-L : 0549-4974
19 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 大西 昇, 土屋 和夫, 伊藤 不二夫, 長井 進
    1983 年 19 巻 5 号 p. 227-233
    発行日: 1983/10/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    リハビリテーション訓練の意欲を高めるために, ゲーム性のある新しいバランス訓練方法を考案した. テレビゲームのひとつである“ブロック崩し”ゲームをバランス訓練に採用した. このゲームでは, ブロックの壁がラケットで打ち返されたボールにより破壊され, ゲームの得点は崩されたブロック数で計算される. 機器はフォースプレート, ゲームの表示装置およびマイコンで構成される. 被訓練者はフォースプレート上に立位もしくは椅座の姿勢をとる. ラケットはフォースプレートの出力に比例して表示画面上を左右に移動する. 被訓練者は, ラケットでボールを打ち返しブロックを崩すために, 身体の左右・前後への移動を調整し, ラケットの位置 (フォースプレート出力) を制御する. 障害者はゲームを楽しみ, 高得点を目指し訓練に集中し, 身体のバランスや反射神経を養う. 本訓練方法の身体面での効果は十分期待できる. ゲーム性導入による心理面での効果もSD法により確かめられた.
  • 年齢およびIQによる分布
    矢部 京之助, 塚原 玲子, 三田 勝已, 青木 久
    1983 年 19 巻 5 号 p. 235-242
    発行日: 1983/10/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    精神遅滞者 (年齢6~49歳, IQ 14~115) の全身反応時間の年齢および知能による分布を検討した. 全身反応時間は跳躍時の足底圧変化による歪圧曲線から測定し, 動作開始時間と動作時間の2成分に分けて分析した.
    精神遅滞者の全身反応時間, 動作開始時間, 動作時間の平均は健常者の標準値よりも大きな値を示した. 全身反応時間と動作開始時間の年齢による分布は, 加齢により長い反応時間が減少する傾向を示した. 動作時間については, 年齢による変化はみられなかった. 成人の被検者では, 全身反応時間, 動作開始時間はIQと正の相関を示した. どの年齢あるいはIQでも, 精神遅滞者の最も短い反応時間は健常者の標準値と同程度の値であった.
  • 長町 三生, 畝 正二
    1983 年 19 巻 5 号 p. 243-257
    発行日: 1983/10/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本研究は筆者の一人である長町の開発した職務再設計手法 (JDLC) の適用に関するものである. ここでは世界最新鋭の自動化された製鉄所の48職務に対して, 71項目の職務再設計調査項目の調査と, そこで働く209名の作業者の肉体的・精神的項目の調査を実施した. そして, ここで得られたデータを多変量解析手法を用いて分析した結果, JDLC手法は, 作業者の加齢に伴って適切な職務を割り当てることが可能とすることが判明した.
  • ロボット操作の不安全行為に関する実験
    長町 三生, 穴山 恭廣
    1983 年 19 巻 5 号 p. 259-264
    発行日: 1983/10/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本論文は産業用ロボットの安全基準に対する人間工学的基礎データを得ることを目的としている. 3種類の実験が実施されたが, ロボットアームのスピードに対する心理的評価,“待機”の時間条件に対する危険性の評価, アームからの安全距離の評価などの研究である. これらの研究で, ロボットに対するいくつかの不安全行為発生の可能性が明確になり, 結論として安全柵によってロボットと作業者とを分離することが有効であると示唆されている.
  • 澤田 東一
    1983 年 19 巻 5 号 p. 265-272
    発行日: 1983/10/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本研究は, 自動車の操舵応答特性の重要な応答パラメータである位相遅れを対象にして, 操舵制御時のドライバの Skin Resistance Level (SRL), Skin Resistance Reflex (SRR), Heart Rate (HR) の反応を調べ, 精神的負担の評価を行ったものである. 実験は, 操舵特性を種々に設定できる可変応答特性実験車と模擬操舵装置を用いた. そして実験の条件は, 目標値の種類と被験者が制御に臨むときの意識水準を設定した.
    その結果, 位相遅れが小さくなるに従い負担は減少していくが, 適度な範囲をすぎると再び負担が増す傾向があることを得た. また, 制御成績, 制御の内容および主観的評価の間には, かなりの相関のあることが得られた.
  • 横溝 克己
    1983 年 19 巻 5 号 p. 273-274
    発行日: 1983/10/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
  • 神代 雅晴, 長谷川 徹也, 野呂 影勇
    1983 年 19 巻 5 号 p. 275-281
    発行日: 1983/10/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    日本における人間工学の教育現状ならびにその教育に携わっている人間工学者の, 研究内容などについて実態調査を行った. その結果, 日本における人間工学の普及は1965年以降からがめざましく, 教育の場でも, 1967年以降から, より広く普及されてきた. しかし, 一部の研究者たち, 特に心理学者は, 1959年以前に, すでに人間工学の研究に着手していた.
    教育の場では, 工学部, 特に経営工学科に多く, その指導者も工学者が多かった.
feedback
Top