この実験は, いろいろな条件での脚筋の追跡運動の調節能力を検討するものである. 3人の被検者の脚の屈曲, 伸展姿勢は椅座位である. 追跡は3種類 (正弦波, 矩形波, のこぎり波) の波形をオッシログラフ上に示した. そのときの周波数は0.3Hzで, 運動負荷として0.5, 1, 2, 4, 8kgの5種類の錘を運動調節システムに与えた. その結果として以下のことを得た.
1. 位相特性は, 各波形とも負荷の増大につれて約-5 degree のおくれ現象がみられた.
2. 利得特性は, のこぎり波形と矩形波形では負荷の増大とともに約-0.2~-0.5dBの利得減少がみられた.
3. 制御特性は, 正弦波形 (20~40mm
2), のこぎり波形 (40~80mm
2), 矩形波形 (80~100mm
2) の順に良い成績がみられた.
4. 屈曲時と伸展時の間には有意な差はみられなかった.
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