病院の生化学検査室で処理される検体検査の処理プロセスをモデル化し, 代表的な待ち行列用シミュレーション言語のGPSSを用いて解析した.
検査室は次の3種の業務形態を設定した. (1) 全面的な用手分析, (2) 部分的な自動分析装置の採用, (3) 全面的な自動分析装置の採用. また分析の対象としたパラメータは (1) 検体数, (2) 技師数, (3) 前処理効率, (4) 検体到着時間と分布, (5) 自動分析装置の処理能力とした. そして, それぞれの処理プロセスでの検体待ち行列, 窓口や遠心分離器での稼動効率, 各条件下の度数分布の統計量を出力し解析を行った. その結果, (1) 用手法検査による反応時間の制約から全検査の迅速化が進まないこと, (2) 前処理の効率を高めること, (3) 要員の最適配置, (4) 自動分析装置の導入の際の検体処理効率などが評価された.
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