老化に伴う体格面での変動特性を, 縦断面的な計測手法により捉えた. 対象は69-71歳の男性178名, 女性205名であり, その5年後, および10年経過後に再計測を実施した.
3回の集団検診をすべて受診できた者は男性57名, 女性63名にとどまった. これらの対象者の身体各部の寸法は, 5年ごとにほぼ均等な間隔で短縮を示した. 特に身長の短縮に性差が認められたことは, 高齢女性ほど脊椎の加齢的変化が強かったことを示唆している. 10年間の体格の変化と牛乳の摂取量, 総合的な活動能力, 外出の程度との間には対応関係が成立しており, 良好な保健行動 (栄養, 活動性) の継続は, 老化速度を遅延させうる因子として作用したものと考えた.
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