本研究は, 4年間にわたって実施した高齢者 (男女1,176名) の身体計測および体力測定のデータをもとに, 加齢に伴う変化やその性差について検討する. また, 各測定値のスライディングスケールを作成し, 高齢者の形態的特徴を把握する. さらに, 同時に実施した日常生活に関するアンケート調査と各測定値とのクロス集計を行い, その関連をみる. その結果, 身体計測値, 体力測定値ともに, 年代が高くなるほど値は減少する. その傾向は女性に著しく, 体型の崩れや体力の減退は明白である. なお, スライディングスケールにおいては, 身長よりも指極を基準としたほうが加齢による身体的特徴を把握しやすい. さらに, 体型, 体力と持病, 生活動作能の間には相互関係が認められる.
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