人間工学
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25 巻, 1 号
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  • 行待 武生, 岡田 有策
    1989 年 25 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1989/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    インチング操作としては最も端的な形態と考えられるON/OFF切替えによる目標軌道のトレースを実験対象に選び, 主にD/C比を変えた場合のインチングに関する人間工学的基本特性を探る. 一連の実験を通じ, 連続的操作において従来からよく知られているD/C比に対するバスタブ曲線に準じる傾向がインチングにも存在するものの, インチングにはON状態持続時間制御とOFF状態持続時間制御ともいうべき2形態があることを見いだした. また, いずれのもとでもON/OFF切替え時の偏差に対する基準がインチングの成績に大きく影響していると思われ, それらの様子を探るべく, 別途に検証実験を行い, 基準に対するモデルの妥当性を確認した.
  • 多次元的体型類型化
    二宮 玲子, 樋口 ゆき子, 千葉 桂子
    1989 年 25 巻 1 号 p. 11-18
    発行日: 1989/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    第1報では成長期男女の総合的成長に伴う体型変化, 成長に伴う男女の体型差異の様相, 男女の成長量の差異, 成長速度の差異について検討した. 本報では, 成長期の男女別の多次元的体型類型化, すなわち次の3通りの類型化を試みた.
    (1) 正規化7項目 (身長, 胸囲, 胴囲, 腰囲, 背丈, 全腕長, 背肩幅) のクラスター分析 Kmeans 法による類型化
    (2) 正準判別関数分析により得られた正準変量の Kmeans 法による類型化
    (3) 多重線形判別関数を用いた類型化
    それぞれの手法により得られる類型化の特徴と, 類型化にみられる男女差を検討した.
  • 看護作業衣のチェックリスト試案
    長塩 静子, 中曽根 恵美子
    1989 年 25 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 1989/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    病院における看護作業衣のフィッティングと快適性の関係をとりあげ, そのためのチェックリストを試案した. (1) 現状の観察調査を行い, 上肢の動きの激しい動作に対する着衣の問題点を抽出した. (2) これは, 着用者が作業衣を選ぶうえにも問題があるので, 着衣選定のためのチェックリストを試案することにした. (3) 具体的なチェック動作を選定し, チェック動作による着衣の変化と窮屈度とを調べ, それをもとにチェック項目を整理した. (4) 試案のチェックリストの使用調査を行い, 検討し, 看護作業衣選定のための上腕の動作を主としたチェックリストをまとめた. (5) これは, 一般的作業衣についても活用できると思われる.
  • 黄 經綸, 大箸 純也, 佐藤 陽彦
    1989 年 25 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 1989/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本研究は, 手の最大作業域を生体計測値と関連づけて表示するために行われた. 身長が5~95パーセンタイルの範囲の日本人成人男女各10名について, 7段階の作業面の高さで, 左右の手の中指先端の到達範囲を測定した. 肩関節中心から中指先端までの距離を動作半径とし, 上肢長あるいは身長に対する動作半径の回帰式を男女別に求めた. 実際の手作業を考慮して, III指長で修正した任意の作業面の高さにおける水平面作業半径を求める式を開発した. 日本および米国の文献にみられる作業域と本研究の式で得られた作業域を比較した結果, 本研究の式により上肢長あるいは身長から任意の高さにおける水平面最大作業域が決定できると考えられる.
  • 宮代 信夫, 小柴 達美, 横溝 克己
    1989 年 25 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 1989/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本報告では, 顕微鏡などを使用する Microscopic task に対して, その特徴のひとつである人間にとっての限界的な動作とはどのようなものかについて検討を行った.
    実験の結果, 目標の直径が0.4~2.0mmの範囲内のMsTに対して, そのMTは指数関数的な変動傾向を示し, 特に直径1.2mm以下の目標に対して, より顕著なMTの延長傾向がみられた. さらに, その拡大率が2~20倍程度ではMT間に有意差は認められなかった. 一方, 拡大率が100倍程度のMsTに対しては, その cycle time は有意な延長傾向を示した.
  • 波形検査作業を対象として
    三上 行生, 泉 総一, 神代 雅晴
    1989 年 25 巻 1 号 p. 41-52
    発行日: 1989/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    視覚・判断・手指機能に依存する電子部品製造職場の音圧波形検査作業を例として, 現場調査ならびにそのシミュレーション実験を実施し, 作業適性に及ぼす男女差の影響を生理的・心理的機能変動, 作業遂行能力, 疲労感などの観点から明らかにした.
    (1) 現場波形検査作業の負担の特徴は, 単調労働型負担パターンを示すものの, 疲労感, 局所筋負担, 蓄積的負担の訴えは少なく, 女子作業者の作業への適合性が示唆された.
    (2) 波形検査をシミュレートした作業においても, 男女の負担パターンはともに現場作業と同様の単調労働型負担パターンを呈した. しかし, 男女の負担の出現状況には差異が観察された. すなわち, 眼調節機能には顕著な男女差はなく, かつ局所筋負担に関する女子の訴えは高いものの, 男子に比較して女子の大脳皮質の活動水準の低下は少なく, 作業からの変化の希求や倦怠感情の発生も弱く, かつ疲労感や作業意欲の低下も少ないことが示唆された. さらに作業遂行能力に関しては, 女子の選別ミス, 小物扱い手指機能の把持ミスの出現が少なかった.
    これらの現場調査, シミュレーション実験の結果から, 単純繰り返し波形検査作業に対する女子の作業適合度は, 男子に比較して高いものと推測される.
  • 大倉 元宏, 田中 一郎, 大久保 堯夫
    1989 年 25 巻 1 号 p. 53-59
    発行日: 1989/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    英語の印刷文書を取り扱う必要のある中途失明者を主たるユーザーとした読書機を開発した. 本機は, 文字認識部, 辞書作成部, および音声出力部の3つのサブシステムから構成されており, 以下のような特長を有する.
    (1) 盲人が単独で使用できるように, 音声によるキー操作のガイドやフィードバックをきめ細かく行っている.
    (2) 辞書作成部により, 読みたい印刷文書のフォントについて各文字の特徴を格納した辞書をユーザー側で作成できるため, パーソナルユースの読書機の構成が可能である. ただし, 辞書の作成は晴眼者の援助を必要とする.
    (3) 音声出力部は認識結果の音声出力ばかりでなく, 簡単な編集機能も付加しているので, 認識結果の修正や英文タイプライタとしても使用可能である.
    装置の評価は, 実際に盲人に使ってもらうことにより実施したが, おおむね良好な成績であった.
  • ドットパターン表示形式とドット数判断の関係
    山下 利之
    1989 年 25 巻 1 号 p. 61-66
    発行日: 1989/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    コンピュータディスプレイ上に表示されたデータから種々の判断を行うことが要求されることが多くなった. そのため, ディスプレイでの表示形式が人間のデータ判断にいかに影響を及ぼすかを明らかにすることは非常に重要である. 本研究はそのための第一ステップとして, コンピュータディスプレイ上に表示されたドットの数に関する判断をマグニチュード推定法によって検討した. その結果, 以下が示された.
    (1) すべての表示条件において, ドットの数が多くなるほど, その数がより過小評価された.
    (2) ドットが比較的広い領域に表示され, かつ表示領域に枠組みがある場合に, 最も過小評価が小さかった.
    これらの結果が, データ表示の最も適切な形式との関連で考察された.
  • 平沢 尚毅
    1989 年 25 巻 1 号 p. 67
    発行日: 1989/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
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