本論文では, アーム型ロボットをマニピュレータとして用いたマニピュレーション作業の習熟過程における特性を検討した. まず, 信頼限界を考慮した対数回帰モデルによって習熟現象のモデル化を試み, このモデルに基づいて, 習熟過程における諸特性値 (習熟率P, タスクの達成回数N
max, 初期信頼区間
ls, 最終信頼区間
lf, 初期習熟曲線値m
s, 最終習熟曲線m
f, ばらつき比率
ls/lf) の関係を明らかにした. また, 習熟効果とパフォーマンスの関連性についても言及した. その結果, ばらつき比率
ls/lfと習熟率Pとの間に強い正の相関関係があること, 初期信頼区間
lsと最終信頼区間
lfの間にも有意な正の相関関係があることが明らかになった. さらに, 習熟効果とパフォーマンス, すなわち最終的な成績との間には有意な相関は認められなかった.
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