人間工学
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26 巻, 2 号
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  • 干渉項の効果と人間オペレータモデルの構成
    江間 徹郎
    1990 年 26 巻 2 号 p. 59-66
    発行日: 1990/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    2変数手動制御系における人間の挙動を取り扱い, 相互干渉をもつシステムの干渉項が人間オペレータの制御操作に与える影響について実験的に考察した. 2変数の制御操作を行うには複雑な操作を必要とするが, 本論文では制御偏差に対する人間の認識過程を考慮した人間オペレータモデルを構成してシミュレーションを行い, 人間の実験結果と比較・検討した. その結果として, このモデルは本研究の範囲内で比較的よく適合することが示された.
  • 植松 奈美, 田中 宏子, 梁瀬 度子
    1990 年 26 巻 2 号 p. 67-73
    発行日: 1990/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    室内雰囲気に及ぼす影響の大きい室内視環境要素のなかで, 壁面家具 (壁面に沿って配列した家具) を取り上げ, その諸要因が室内雰囲気にどのように影響しているかを縮尺模型を用いて検討した. 変化要因として, 壁面家具の色彩, 高さ, 幅, および天井照明の光源を取り上げ, 7段階SD法により室内雰囲気の評定を行った. その結果, 因子分析により価値 (Evaluation), 活動性 (Activity), 暖かさ (Warmness) の3因子が析出された. また, 数量化分析および分散分析の結果, 価値因子には家具の色彩が, 活動性因子には色彩, 高さ, 幅が, 暖かさ因子には色彩, 光源が大きく影響していた. また, 高さと幅, 色彩と光源の交互作用が認められた.
  • 末長 修, 井原 素三
    1990 年 26 巻 2 号 p. 75-80
    発行日: 1990/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    個人差が系の制御特性に及ぼす影響を低減するような人間-機械系を, モデル追従型サーボ系の設計手法をもとに構成した. モデル追従型サーボ系とは, あらかじめ設定されたモデルの出力にプラントの出力をできる限り一致させるサーボ系のことである. まず, 補償手動制御系における人間の平均的周波数応答特性を求め, これを近似表現する人間モデルを決定した. 次に, モデルおよびプラントにこの人間モデルを仮定したモデル追従型サーボ系 (MF系) を構成したのち, プラントに人間を置き換えたMF系における, 人間モデルの入力に対する人間の出力の周波数応答特性を実験によって求めた. その結果, 得られた周波数応答特性は, 人間によらず, 人間モデルのそれとよく一致し, 人間-機械系に及ぼす個人差の影響が低減されることを確かめた.
  • 山田 憲政
    1990 年 26 巻 2 号 p. 81-86
    発行日: 1990/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    運動中, 身体の各関節に作用するトルクの発現パターンは各関節ごとに異なる. すなわち, ひとつの目的の運動に従って身体が運動していても, 各関節ごとの役割が異なってくる. 本研究では, ゴルフスイング中の上肢の遠位部の関節となる手関節, そして近位部の関節となる肩関節に作用するトルクを算出し, それらトルクの発生源を分析することにより, 2つの関節の役割の違いを明らかにすることができた.
  • 平沢 尚毅, 野呂 影勇, 戸上 英憲
    1990 年 26 巻 2 号 p. 87-93
    発行日: 1990/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    VDT構成要素と作業者との物理的な関係を示す諸条件について, 個人レベルでの総合的な適合性を検討した. そのために, 従来から推奨されている条件を数式により記述し, これらに身体寸法を代入して適合性をシミュレーションする方法を開発した. その結果, JIS S 1010に規定される70cmの高さの作業台を使用したとき, 日本人成人男女身長の95パーセント以上の個人が総合的に適合しないことが明確になった. また, この不適合を改善するには, 個人の身体寸法にあった高さの作業台を用意する必要性があることを示した.
  • 皆川 順
    1990 年 26 巻 2 号 p. 95-99
    発行日: 1990/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    長期記憶からの記憶検索過程が指数分布によって近似されることはよく知られている. 単一検索において, しばしば指数分布からの初期乖離が生ずるが, これは活性化作用によると考えられる. それゆえ, 活性化の過程を探究することは, 活性化を伴う検索過程を表現しうる式を導くうえできわめて有効である. そこで, 通常の検索実験を行い, 式の2つのパラメータの値を決定するときに採用するデータの値を連続的に変化させたところ, パラメータの値が規則的に変化することが見いだされ, 式が再構成された. 実測値はこの新しい式からほとんど乖離せず, 前半のデータから後半の過程は定量的に予測しうることが明らかになった.
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