本研究は, 手動予見制御系における人間の制御アルゴリズムを提案し, その妥当性を実験的に考察することを目的とする. 制御アルゴリズムとして, まず人間は表示される将来の目標値に対処するため, ある時間後の仮想の制御量を予測し, 次にこの予測制御量を実現する操作量を, 現在の制御状況および過去の制御経験に基づき決定すると仮定した. また, 予想制御量は, 予見目標値と予想制御量との差の二乗和からなる評価関数を最小にするように決定されるとした. その結果, 本制御アルゴリズムに基づいた解析においても, 人間は0.2~0.4秒先の範囲の予見目標値に対処した制御を行っていることを明らかにすることができ, その妥当性を示すことができた.
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