人間工学
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28 巻, 4 号
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  • 手指と視覚の協応作業および手指と視覚判断の波形検査作業を対象として
    泉 総一, 三上 行生, 神代 雅晴, 斎藤 和雄
    1992 年 28 巻 4 号 p. 175-187
    発行日: 1992/08/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    手指と視覚の協応が要求されるマイクロスコープ作業 (I) と, VDTを用いた波形検査作業 (II) を対象として, 一般未就業中高年齢女子の作業能力と負担の特質を, 若年女子との比較において検討した. 結果は次のとおりである. 一般未就業中高年齢女子の諸機能のレベルは若年女子に比較して低いが, 作業に伴うそれら機能の顕著な低下はみられなかった. 一般未就業中高年齢女子の作業に対する持続的注意集中の困難性が, 疲労自覚症状の訴えおよび副次行動の増加から認められた. 一般未就業中高年齢女子の作業能力は, 若年女子に比較して, 作業Iでは作業習熟には時間を要するものの顕著な差異は認められず, 作業IIにおいては顕著に低かった. これらの結果に基づき, 一般未就業中高年齢女子の就労当座における人間工学的作業改善への配慮について検討した.
  • 柴田 知己, 佐藤 陽彦
    1992 年 28 巻 4 号 p. 189-198
    発行日: 1992/08/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本研究はアルファベット, 片仮名, 平仮名, 漢字の能動的触知覚による文字認知の左右差を, 大脳半球の機能的左右差と関連づけて検討することを目的とした. 被験者は強い右手利きの男子学生72名であった. 触刺激は左右いずれかの人差し指に与えられ, 被験者は口頭でその文字を答えるように指示された. アルファベット認知は左手優位, 片仮名認知は右手優位, 平仮名, 漢字認知は左右間に有意差なしの結果が得られた. 文字の触認知において, 右半球優位である空間コードによる処理と左半球優位である言語コードによる処理のバランスで, 左右差が表出する可能性が示された. また, アルファベット認知における左手優位の結果は, 日本人にとって英語が第二言語であるということに起因する可能性が示唆された.
  • 加藤 象二郎, 門尾 孝是, 西 修二, 長沢 有恒
    1992 年 28 巻 4 号 p. 199-208
    発行日: 1992/08/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本研究では, 航空自衛隊操縦者を対象に, 模擬飛行 (FS) と実機飛行 (AC) という操縦環境条件差が, 緊張度, 疲労度, 難易度の主観評価次元においてどのような差をもたらすかを主成分分析によって検討した. その結果, (1) 模擬飛行時の緊張度評価 (FS緊張度) と実機操縦時のそれ (AC緊張度) とは異なる評価次元を有すること, (2) 疲労度に関し, 両操縦環境条件差を説明する重要な評価次元は身体的疲労であるが, 精神機能の動員の程度 (消耗度) も評価に大きく関与すること, (3) FS疲労度評価とAC疲労度評価から抽出される因子は同一であるため, FS疲労度はAC疲労度の代替性を有すること, (4) 両操縦条件下での難易度と疲労度とは, 相互に異なる評価因子をもつこと, (5) AC緊張度とAC難易度から抽出される因子は同一で, 両者間の因果関係を示唆していること, の諸点が明らかとなった.
  • 辻 敏夫, 伊藤 宏司
    1992 年 28 巻 4 号 p. 209-218
    発行日: 1992/08/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本論文では, 拘束運動における人間の運動制御方策を解明するため, クランク回転作業時の人間の位置/力制御特性を実験的に解析した. このクランク回転作業は手先位置の制御だけでなく, 手先力の制御も必要で, 3種類の制御モード (力制御モード, 速度制御モード, 位置制御モード) を含んでいる. 実験の結果, 人間はこの作業をうまく実行することができ, また各モードごとに制御方策を切り換えていることが明らかになった. そして, 手先力の制御メカニズムを運動インピーダンスと仮想平衡点 (仮想軌道) を用いてモデル化することにより, 各モードにおける人間の制御方策を説明できることが示される.
  • 80歳代の高齢者について
    徳田 哲男, 児玉 桂子
    1992 年 28 巻 4 号 p. 219-222
    発行日: 1992/08/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 陽彦, 佐々木 司, 杉本 洋介
    1992 年 28 巻 4 号 p. 223-229
    発行日: 1992/08/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    “いらいら”の実態と構造を明らかにするために, 2種類の質問紙調査を行った. その結果, イライラの頻度では週2~3回が, イライラの対象では人間関係が, イライラの状況としては時間因子が関与しているときが最も多かった. イライラの構成要素は自分と状況である. イライラを生じさせる状況は, 自分がある目標に向かって計画に沿って行動している過程で, 自分の思いどおりにならないときである. しかも, その状況がある程度持続し, 自分の努力によってその状況を変えることができず, 目標が達成できるかどうかまだ不明なときである. そして, イライラの感じ方は本人の身体的・精神的状態によって大きく左右される.
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