人間工学
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30 巻, 2 号
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  • 辛島 光彦, 岡村 俊彦, 齋藤 むら子
    1994 年 30 巻 2 号 p. 63-69
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本研究では, マン-マシンシステム設計の一指針として, 言語的情報の適正呈示情報量検討のための資料を得ることを目的とした実験を, パーソナルコンピュータを用いて行った. 実験は, 同一短期記憶保持量に対する人間の内的情報処理の難易度が異なる3つの短期記憶保持課題を用いて行った. その結果, (1) エラー率から, 短期記憶保持の限界量は, 内的情報処理の難易度の影響を受け, 課題の内的情報処理の難易度が高くなるにつれて小さくなることが確かめられた. (2) 生理的負担から, 課題遂行に際して, 比較的負担の小さい短期記憶保持量が短期記憶保持の限界量以下で存在することが示された. また, その短期記憶保持量も限界量と同様に課題の内的情報処理の難易度が高くなるにつれて, 小さくなる傾向が示され, 本研究の課題では, 難易度が高くなるにつれて, 5, 4, 2チャンク付近と小さくなった. これらの短期記憶保持に関する実験結果より, 言語的情報の適正呈示情報量は, 従来の研究のように, ある特定の値をとるものではなく, 作業遂行と生理的負担の両面から, 作業の内的情報処理の難易度が高くなるにつれて小さくなるという知見が得られた.
  • 土肥 麻佐子, 高橋 彬, 小池 美枝子
    1994 年 30 巻 2 号 p. 71-83
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    幼児の運動靴設計の基礎資料を得るため, 1~6歳の男女児208名の足部の形態計測を行い, 次のような結果を得た. (1) 幼児の足部の形態特性は, 歩行技術の習得や完成に伴って変化する傾向が認められた. (2) 足部計測値は, クラスター分析により (1) 身長と関連の強い長径項目, (2) 体重との関連の強い周径項目と足幅, (3) 独立性の高い高径項目と踵幅, インステップ幅に分類できた. (3) 足部の成長は部位によって異なり, 足部外郭線の内側縁は加齢に伴いS字状になり, 足底の外郭線は扇形になった. また, 足囲位の前頭断面形状は背面が扁平になり, インステップ囲位の前頭断面形状は山高になった. (4) 年齢や足長のサイズによる足部の形状差は, 前方外側で顕著であり, 踵部では小さい. ボール高の平均値はいずれも28.3~30.2mmであった.
  • VDT作業における一連続作業および休憩時間の関係において
    吉村 勲, 友田 泰行
    1994 年 30 巻 2 号 p. 85-97
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    産業の場における疲労評価の方法として, 生理的機能の変動を標準得点化し, 作業能および自覚症状を加えた3つの側面を総合化することで, 疲労発現と考えられる時期とその判定の可能性が高まるとした. 本稿では, 一連続作業時間と休憩時間の関係のもとで, 同法の検証および至適作業 (休憩) 時間の判定が目的である.
    試行は一連続作業時間60分, 50分, 40分と, 休憩時間10分, 20分での6作業編成で実施した. 結果として, 統合化した生理的機能, 作業能および自覚症状の3側面での変化傾向が, 各作業編成での作業時間と休憩時間の差によく対応した傾向が認められた. 加えて, 一連続作業時間50分, 休憩時間20分の場合が最適な傾向を呈し, 疲労およびその判定とともに, 至適作業条件の検証にも有効な手段であることが確認された.
  • 岩本 和世, 前田 太郎, 谷江 和雄
    1994 年 30 巻 2 号 p. 99-109
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    仮想現実感技術における視覚情報の提示装置としてヘッドマウントディスプレイ (HMD) が注目されている. HMDの基本原理は両眼前方に個別のディスプレイを用意し, それに視差のある映像を映してステレオ感のある像を提示するものである. 臨場感の高い映像提示機能をもつHMDを得るには, 人の視野全体に, 十分な解像度の映像を提示するディスプレイ系を構築することが望まれる. 現状のHMDの多くはNTSC方式のディスプレイを用いているが, 走査線数が525本のNTSCディスプレイでは, 人の視野を覆うに十分な大きさのものを用いると走査線間隔が広がり, 明瞭な映像提示が困難になる. そこで, 解像度を損なわない程度の大きさのディスプレイを導入する結果, 人の視野を覆うに十分な大きさの映像が提示できず, 臨場感の点で問題を残しているのが実情である. この問題を解決するひとつの方法として, 視線追従型HMD (EMT-HMD) を導入することが検討されている. 一般に人の眼は, 注視点近傍において対象を高い分解能で観測することができる. EMT-HMDは注視点周囲の限られた領域のみに高解像の映像を提示し, その周囲には低解像だが視野の広い像を提示することによって, NTSC方式の走査線数のディスプレイを用いて, 等価的に広視野・高解像の映像を提示するシステムである. 本論文では, こうしたEMT-HMDのための画像提示系を設計するのに有用な人の中心視特性を実験的に検討している. 実験においては, 視野の特性を調べるための標準パターンとして白黒の縞模様パターンを用いた. この縞模様に空間平均処理を施して, 注視点近傍に高い分解能, 周囲に低い分解能をもつ種々の縞模様の画像を作成し, それを被験者に提示して中心・周囲の境界が区別できなくなる注視点近傍の領域の大きさを判定させた. この結果より, 各種の異なる中心・周囲の分解能の組み合わせと, 境界が検知できなくなる注視点近傍領域の大きさとの関係を明らかにした. またこの関係をもとに, NTSC方式のディスプレイを用いてEMT-HMDを構成する際における, 注視点近傍の高解像映像ディスプレイ領域の設計法を示した.
  • 堀江 良典
    1994 年 30 巻 2 号 p. 111-113
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
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