人間工学
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31 巻, 1 号
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  • 大倉 元宏, 村上 琢磨, 清水 学, 田内 雅規
    1995 年 31 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    視覚障害者の日常生活の範囲を広げ, 社会の一員としての活動を促進するには, 普通の人と同じように単独で鉄道を利用できることが大きな推進力となる. しかしながら, 現状の鉄道駅の環境は視覚障害者にとって必ずしも十分整備されているとはいいがたく, 様々な困難や危険に遭遇する可能性が高い. 事実これまでにも, プラットホームから転落して列車にはねられ, 重篤な損傷を被った事故が数多く報告されている. 我々は視覚障害者の駅プラットホームからの転落事故について多数の事例を収集してきた. 本研究では, これらの事故を視覚障害者の基本的歩行特性や環境要因との関連から分析し, 歩行環境の改善や人的援助の導入を中心にして, 事故防止策に関して提言を行う.
  • 高齢女性の立ち上がり座り, 昇降およびまたぎ動作について
    徳田 哲男, 児玉 桂子, 西條 富美代
    1995 年 31 巻 1 号 p. 9-20
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    日常生活の遂行に支障を認めない19~80歳の女性35名を対象に, 住居内で身体的負担の強い移動動作を, 立ち上がり座り, 段の昇降, またぎ動作の3種類にモデル化し, 手摺利用の有無を含めた適正な移動寸法や手摺位置などについて検討した.
    内観報告において, 後期高齢群が手摺なしでたいへん負担を感じ始める高さは, 立ち上がり座り, 段の昇降, またぎ動作の順におよそ座面高20cm以下, 蹴上げ高25cm以上, またぎ高30cm以上となった. 手摺の利用によりこの高さは変動し, 手摺の有効性が確認された. 水平面での手摺の最適位置は上前腸骨棘高付近に相当しており, 手摺の把持を前提とした最適手摺径は36mm前後であった. これらの結果は, 高齢者層の身体機能に応じた製品開発や, その普及の必要性を指摘しているとともに, 適切な生活環境の提供が高齢者層の日常生活の活性化や自立促進につながることを示唆している.
  • 末長 修, 井原 素三
    1995 年 31 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本研究は, 高度な制御技術を要する人間-機械系に対する操作者支援システム構築の一手法として, 能動操作器を用いた訓練の有用性を確かめることを目的とする. ここで能動操作器とは, 系の状態などの情報を操作者が知覚できる物理量として操作者にフィードバックし, 教示する機能を有する操作器のことである. 訓練は, 被訓練者による操作量と最適制御理論に基づいて設定される最適制御量との差に応じた力覚を, 能動操作器を介して教示することによって行った. 制御作業は後退するトレーラの位置制御であり, 被訓練者は初心者もしくは習熟者である. 能動操作器を用いた訓練の有無による制御成績の差異から, その有用性を検討した. その結果, 能動操作器を用いた訓練により, 初心者に対する習熟の速さの改善, また習熟者に対する制御レベルの維持が図られることを実験的に明らかにすることができ, 能動操作器の活用は訓練システムに有用な一手法であることが示された.
  • 朴 根相, 大久保 堯夫
    1995 年 31 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    列車の運転作業を対象として, 機器配置と運転作業時の作業者の視覚特性や作業効率との関係を明らかにするために, 一連の研究を行った. すなわち, アイマークカメラを用いて, 現行のディスプレイと改善を加えたシミュレータのディスプレイによる運転作業時の作業者の眼球運動をそれぞれ測定・比較し, 以下のような結果を得た. (1)列車運転は前方注視時間が全体の75%を占め, 前方監視などが主な作業である. (2)運転室内の注視は速度調節に関連した注視行動が主な作業である. (3)時刻表の注視時間が他の計器の注視時間に比較して有意に長い. (4)運転室のいずれの計器も時計と密接な関連をもっている.
  • 大門 樹, 茂木 一秀, 川嶋 弘尚
    1995 年 31 巻 1 号 p. 39-50
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 自動車運転時のドライバーの眼の動きを動画像処理を用いて検出することである. 本手法は, ドライバーの典型的な注視方向を前方, ドアミラー, ルームミラー, 車載情報機器に設定し, 自動車に搭載されたCCDカメラから録画された顔画像から, 動画像処理によって走行中のドライバーの眼の動きを検出する. 眼の動きを解析するために, 数フレーム前からの黒目中心位置と眼領域の移動量, 眼の開閉度, 投票数 (Hough 変換に関する指標) の4つの指標を考えた. これらの指標から決定した判定基準により, ドライバーの眼の動きを測定した結果, 注視方向の高い検出精度は要求できないものの, 前方への注視, ルームミラーの利用, ドアミラーの利用, ナビゲーションシステムなどの車載情報機器への注視などを検出することができた. また, このアルゴリズムによる1フレーム当たりの計算時間は読み込み時間を含めて約1秒程度であり, リアルタイム処理の可能性を示唆することができた.
  • 小林 大二, 岡田 有策, 行待 武生
    1995 年 31 巻 1 号 p. 51-61
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    プロセスプラントの運転に用いられているCRTオペレーションに, インタフェースとしてタッチスクリーンを導入することによる効果を, 画面設計の観点から検討した. まず, これまでの研究で明らかになっている人間工学的要素などをもとにした画面を作成し, 手動介入が要求される状況下でのタッチオペレーションの特性を探った. その結果, 画面切替, 選択操作の多さによる作業者への負担, 調整操作の煩雑さといった, 従来の機器においても観察されていたような問題点が得られた. これらの難点に対して, 本研究では指をタッチスクリーン上で擦るという, プラントオペレーションにおいてより有効な操作方式を見いだした. また, これに対するインタフェースを設計し, 一連の検証実験により, その有効性を確認することができた. このようにして, CRTオペレーションにタッチスクリーンを効果的に利用するための画面設計について, いくつかの間題と指針を得ることができた.
  • 調整段階における制御行動のモデル化
    岡田 有策
    1995 年 31 巻 1 号 p. 63-70
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    自動化が進むプラントにおいても, 自動制御器が不調になった場合には人間が介入して制御しなくてはならない. そういった作業の多くは“システムを現在の状態とは異なった状態に切り替える”状態変更型の形態をとる. 状態変更型作業における人間の制御特性に関しては, すでにいくつかを明らかにしたが, 本研究では特に調整段階での特性に着目し, そのモデル化を図った. 調整段階では, ON/OFF2接点型の操作器具を数回細かに切り替えるという形態をとる. そこで, 切替操作1回当たりの操作器具をON状態に維持する時間 (τstep), および切替回数 (N) を調べた. その結果, 時定数やゲインなどの要因によらず, τstepは約0.075秒であった. 一方, 切替回数は時定数やゲインの大きさによって変動するが, これは視覚上の誤差の結果として生じるもので, 作業者が基本的に想定している切替回数は実験要因によらずほぼ4回であることが得られた. このように, 調整作業に関する人間のストラテジーは, 実験条件にほとんど影響されないことがわかった.
  • ニオイによって喚起される感情特性を指標として
    綾部 早穂, 佐藤 親次, 谷川原 千恵美, 渡辺 有香里, 松崎 一葉, 斉藤 幸子
    1995 年 31 巻 1 号 p. 71-73
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
  • 山下 利之
    1995 年 31 巻 1 号 p. 75-80
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    大型映像の産業応用がますます重要となりつつある. そこで本研究では, 映像スクリーンの大きさが与える心理的効果を考察することを目的とした. 16名の被験者が, 大きさの異なる3種類のスクリーンにより, 内容の異なる2種類の映像ソフトを観察した後, その印象を評定することが求められた. 評定尺度データの主成分分析および順位データの順位グラフ分析の結果, スクリーンは必ずしも大きいほうがよいというわけではなく, 映像の臨場感や映像がメッセージを伝える程度は, 現実の対象の大きさと映像上の大きさの相対関係が重要であることが明らかになった.
  • 作業環境改善からのアプローチ
    西口 宏美, 齋藤 むら子, 尾関 守
    1995 年 31 巻 1 号 p. 81-86
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    障害者の雇用の促進を図るべく行政側の施策はもちろんのこと, 企業側においても様々な努力がなされており, 一般企業における障害者の雇用率も向上している. その反面, いったんは就労したものの, なんらかの理由で離職するケースが多いのも現状である. そこで本研究では, 障害者の職場定着を促進し, さらに職域を拡大するための手順を提案した. この手順の考案の際には, 作業用自助具の利用, 作業工程や作業機器などの作業環境の改善を考慮に入れた. また, この手順に従って障害者の就労事例に適用したところ, この手順が有効であることが示唆された.
  • 松本 啓太
    1995 年 31 巻 1 号 p. 87-90
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
  • 川上 剛
    1995 年 31 巻 1 号 p. 91-92
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
  • 堀江 良典
    1995 年 31 巻 1 号 p. 93
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
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