本研究では, 被験者を未熟練者と熟練者に, 測定法を極限法と調整法に区分し, CFF値の差, 変動, および測定時間について実験した. さらに, 調整法は2方向調整 (リニアとノンリニア) と1方向調整とし, 3つの方法を用いた. 実験は実験I, II, および実験III-1, III-2に区分して実施した. 実験Iの結果, 未熟練者18名において, CFF値および測定時間は2方向調整法 (リニア) で36.12Hz (9.37秒), 1方向調整法で35.13Hz (10.57秒), 極限法で32.23Hz (12.75秒) となり, 調整法と極限法の間には等分散で平均値に高度に有意な差が, また測定時間は分散, 平均値ともに高度に有意な差がみられた. 実験IIの結果, 9名の熟練者において, 2方向調整法で38.27Hz (12.63秒), 1方向調整法で37.64Hz (13.85秒), 極限法で34.90Hz (13.11秒) となり, 測定時間に差はみられなかったが, 実験Iと同様にCFF値は高度に有意な差がみられた. これらの成績から, 調整法の2方向調整がよいのではないかという結論が得られた. さらに, 実験III-1, III-2では2方向調整法のボリュームの変化率をノンリニアとし, CFF近傍 (35Hz) で細かな調整ができるようにシステムを変えて実験した. その結果, 未熟練者13名の平均CFF値は35.82Hz (11.61秒), 熟練者10名では37.79Hz (14.11秒) となった.
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