人間工学
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31 巻, 6 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 江守 陽子, 青木 和夫, 吉田 義之
    1995 年 31 巻 6 号 p. 369-377
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    揺りかごによる振動刺激が新生児にどのような影響を与えるかを, 新生児の啼泣と生理学的指標に着目して検討した. 健康新生児54名を対象に, 振動周波数1Hz, 振幅55mm, 加速度1m/s2, Z軸方向, 正弦波振動を5分間負荷した. その結果を要約すると次のとおりである.
    (1) 揺りかごの振動刺激は新生児の啼泣を速やかに停止させる効果が認められた. (2) 揺りかごの振動刺激は啼泣中の新生児の心拍数, 末梢体表面温度, CVR-Rを減少させ, 呼吸数を増加させた. (3) 揺りかごの振動刺激は睡眠中の新生児の末梢体表面温度, CVR-Rを減少させ, 呼吸数を増加させた. (4) 今回使用した振動刺激は, 啼泣している児については鎮静化する効果が認められた. しかし, 睡眠中の児には覚醒へと導く強い刺激となった. 今回の実験で用いた加速度は, 新生児の啼泣を停止させるためには十分な加速度であると考えられたが, 睡眠中の児に対しては覚醒を引き起こすため, もっと弱い加速度の振動が望ましいと考えられた.
  • 鈴木 郁
    1995 年 31 巻 6 号 p. 379-388
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    パーソナルコンピュータ上で心拍変動性を実時間かつ高い時間分解能で解析することを目的に, オクターブバンド分析に基づく方法を用意した. 本方法では, 心電図の信号からR波に同期したパルスを生成するハードウエア (R波検出装置) と, ディジタルバンドパスフィルタ4組により各帯域ごとのパワーを求めるソフトウエアを用いる. 解析結果としては, 各帯域ごとのパワー, およびそれらの重みつきの和である心拍変動性指標値が得られる. なお本方法は多少の変更により, テープに記録されたホルター心電図の信号にも適用可能である.
    文字列検索作業および高次系手動制御を課題とする, VDT作業を用いた実験で得られた心電図の信号に, 本方法を適用した. 本論文では解析方法の詳細について述べ, また上述の適用例に基づき精神的負担の評価方法としての適性にも触れる.
  • 色彩における感性構造の分析への適用
    石原 茂和, 石原 恵子, 長町 三生, 松原 行宏
    1995 年 31 巻 6 号 p. 389-398
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    感性工学は人間の感性を製品デザインに翻訳する技術である. 人間の感性を解析して翻訳ルールを作成するために, いくつかの多変量解析が使われてきた. これらの方法は信頼できるものであるが, しかし多くの時間と計算資源, そして統計についての専門知識を必要とする. この論文では, ART1.5-SSSとPCAnetの2つの自己組織化ニューラルネットワークを利用した意味空間自動分析器と, 感性工学エキスパートシステムビルダーを提案する. ART1.5-SSSはART1.5を我々が改良したバージョンであり, 適応共鳴理論に基づくニューラルネットワークの一種である. 学習則の改良により, サンプルサイズの小さい場合でもART1.5-SSSは安定的な非階層クラスター分析器となる. PCAnetは主成分分析と同等の計算を行う. これらのネットワークにより, 感性工学エキスパートシステムで用いられるルールを自動的にかつ高速に生成することが可能になる.
  • 加藤 麻樹, 石田 敏郎
    1995 年 31 巻 6 号 p. 399-405
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    一眼レフカメラの操作性において問題となる手ブレに関する研究として, その要因について検討した. 実験1ではシャッターボタンに圧力計を取りつけた3種類の一眼レフカメラを用いて, 通常撮影とタイマーを用いた撮影を行い, このとき生じた写真上のブレ量を計測した. 実験2では2種類の一眼レフカメラに, 3軸方向の加速度計と, シャッターボタン上に圧力計を取りつけ, 撮影に要する2秒間の振動波形を取得し, これをFFT解析した.
    撮影時に生じるカメラの振動には, カメラの内部振動とユーザによる外部振動があるが, 外部振動について行った実験結果を要約すると以下のとおりである. すなわち, (1) 身体表面に生じている4~8Hzの microvibration, および手関節と肘関節における生理的振戦を主な要因とする振動が直接カメラに伝達される. (2) シャッターを押す操作を要因とする2.0Hz以下の振動がカメラに伝達される. (3) ユーザのシャッター操作は過剰になされることが多く, 個人差が大きい. 以上の点から, 写真撮影時に生じるカメラの振動は, 8.0Hz以下の低周波数帯域のものが主であり, ユーザのカメラに対する操作そのものによってもたらされることが明らかとなった.
  • 末長 修
    1995 年 31 巻 6 号 p. 407-414
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    本研究は, 目標値の将来値と制御量の予測値を同時に表示する手動予知・予測制御系における制御量の予測値演算法を提案し, その有用性を実験的に確かめることを目的とする. 制御量の予測値演算法として, まず現時点における人間操作者の制御特性を表現する人間モデルを同定, 推定する. 次に, この人間モデルと制御対象のシミュレータを直列結合した人間―機械モデルに目標値の将来値を入力し, そのシミユレーション結果を制御量の予測値とした. 現時点における操作量を一定とし, その一定操作量に対して, 将来の制御量を予測していた従来法との比較から, 提案法の有用性を実験・検討した. その結果, 提案法による制御量の予測値表示は, 制御が難しい制御対象 (二次遅れ要素) の場合に, 有効な一手法であるという結論を得た.
  • 稗田 一郎, 口ノ町 康夫
    1995 年 31 巻 6 号 p. 415-416
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
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