形態的適合性を要求される製品を設計するためには, 身体形態の分類が有効であるが, 従来の多項目寸法計測と主成分分析に基づく分類法では, 分類結果を製品形状設計に適用することが困難であった. 本研究では, FFD法によって身体形態間の変形関数を取得し, その変形関数から形態間距離を求め, これを分析することによって形態の分類を行った. この方法では, 得られた変形関数に基づいて製品形状を変形することにより, 身体形態特徴を製品の形状設計に反映することができる. 本研究では, 足形態と靴型の関係に着目し, 同一足長の成人女子17名の足部形態分類を行った. この結果, 同一足長の場合はウィズの違いと扁平―甲高を表す軸とが主要な形態特徴軸であることがわかった. また, 標準的な足囲の代表足形態 (ウィズE) を比足囲が大きな代表足形態 (ウィズ4E) に変換するFFD変形関数によって標準靴型を変形し, 4E靴型を取得した. 得られた靴型は, 踵部がつま先部に比べて相対的に細いというウィズ変化に伴う足のアロメトリーをよく反映しており, 従来の相似的変換による4E靴型よりも形態適合性が高いと考えられる.
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