人間工学
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33 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 山崎 信寿, 佐々木 貴弘, 相澤 淳平
    1997 年 33 巻 4 号 p. 211-218
    発行日: 1997/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    椅子の座り心地に対する好みの個人差とその理由を明らかにするために, 寸法, 角度, クッション硬さおよび表面形状を任意に調節でき, 着座時の圧縮力とせん断力および沈み込み量を計測することができる実験椅子を開発した. 椅子本体は背もたれ10, 座面6の独立した支持面ユニットからなり, それぞれのブロックを油圧で傾けることができる. 椅子本体の高さ調節は, 床反力計を設置した足台を上下させて行う. 着座感については, 本実験椅子と実際の椅子との座り比べを行い, ほぼ違和感なく再現できることを確認した. 本システムの応用例として自動車後部座席の適合クッション条件を求めた結果, クッションの好みは立位体前屈で表される屈曲柔軟性と相関をもち, 許容度の大きいクッション分布は腰椎・骨盤部支持型のクッションであることがわかった.
  • 柴崎 弘, 野田 和伸, 圓川 隆夫
    1997 年 33 巻 4 号 p. 219-228
    発行日: 1997/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究は, 微細位置決め作業に対する視覚フィードバックの離散性の影響を明らかにすることを目的とし, コンピュータ上でマウスを位置決めする作業について調査した. 実験では, 視覚フィードバックの表示様態 (アナログ, ディジタル), C/D比, 表示サイクル・タイムについて検討した. その結果, 動作時間はディジタルのほうが, また, サイクル・タイムが大きいほうが長くなった. これは視覚フィードバックの離散性に起因する. ただし, サイクル・タイムを240msec以下にしてもパフォーマンスの向上はみられない. この原因は人間の反応が表示サイクルに追いつかないためであり, この240msecという値は Card らによって提唱されたモデル・ヒューマン・プロセッサの単純反応時間とよく一致する. これらの結果は, マルチタスク環境下におけるマン・マシン・インターフェースを設計する上で, また, プライオリティを管理する上で有益な指針となる.
  • 持丸 正明, 河内 まき子, 福井 幸男, 堤 江美子
    1997 年 33 巻 4 号 p. 229-234
    発行日: 1997/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    形態的適合性を要求される製品を設計するためには, 身体形態の分類が有効であるが, 従来の多項目寸法計測と主成分分析に基づく分類法では, 分類結果を製品形状設計に適用することが困難であった. 本研究では, FFD法によって身体形態間の変形関数を取得し, その変形関数から形態間距離を求め, これを分析することによって形態の分類を行った. この方法では, 得られた変形関数に基づいて製品形状を変形することにより, 身体形態特徴を製品の形状設計に反映することができる. 本研究では, 足形態と靴型の関係に着目し, 同一足長の成人女子17名の足部形態分類を行った. この結果, 同一足長の場合はウィズの違いと扁平―甲高を表す軸とが主要な形態特徴軸であることがわかった. また, 標準的な足囲の代表足形態 (ウィズE) を比足囲が大きな代表足形態 (ウィズ4E) に変換するFFD変形関数によって標準靴型を変形し, 4E靴型を取得した. 得られた靴型は, 踵部がつま先部に比べて相対的に細いというウィズ変化に伴う足のアロメトリーをよく反映しており, 従来の相似的変換による4E靴型よりも形態適合性が高いと考えられる.
  • 久野 弘明, 伊藤 正美, 三田 勝已
    1997 年 33 巻 4 号 p. 235-241
    発行日: 1997/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    心拍数変動 (HRV) にはハーモニック成分と周波数に逆比例するフラクタル成分が含まれている. 0.15Hz以上の周波数をもつハーモニック成分は呼吸周期と関連し, 副交感神経活動を反映する. 一方, 0.15Hz以下の低周波数成分は圧反射と関わり, 交感・副交感神経が介在する. フラクタル成分は脳の心臓血管調節中枢を反映するといわれているが, その存在はハーモニック成分を不明確にする. Yamamoto & Hughson は, フラクタル成分を選択的に除去する“Coarse-Graining Spectral Analysis (CGSA)”なる優れたスペクトル推定法を開発した. しかし, CGSA法にはそのアルゴリズムに幾つかの間題があった. 本研究では, この問題を改善したアルゴリズム“Fractal Decomposition of Power Spectrum (FDPS)”を提案した. FDPS法は従来のスペクトル解析法と比較してHRVスペクトルのハーモニック成分を高感度に検知できることが明らかになった. また, このスペクトル解析法はHRVが小さくなる高齢者や自律神経障害のある患者の心臓血管機能を評価するための有用な手段になると考える.
  • 皮膚加熱特性および安全性の検討
    佐藤 隆幸, 福本 一朗
    1997 年 33 巻 4 号 p. 243-249
    発行日: 1997/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    従来熱痛計による痛覚閾値測定はエネルギー密度または刺激時間長をもって測定されてきた. しかし低出力のArレーザとサーモグラフィとの組み合わせにより非接触刺激が可能となり, 皮膚温度による閾値計測が可能となった. 我々はこの原理により熱痛閾値測定装置を構成し, 3名の被験者を用いて閾値温度を測定した. その結果, 従来の熱痛計を用いた計測方法と比べて変動係数は非常に小さく, 本計測法が信頼性の高いものであることが示された. また皮膚表面および非侵襲的に測定することのできない深部の温度分布について熱伝達シミュレーションにより予測を行った. 表面温度に関する結果は実測値と概ね合致するものであり, 深部に関する結果からはCO2レーザとの比較からArレーザの有効性が示された.
  • 市川 博, 梅村 守
    1997 年 33 巻 4 号 p. 251-254
    発行日: 1997/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 視覚エルゴノミクス研究部会
    1997 年 33 巻 4 号 p. 255-260
    発行日: 1997/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 赤松 幹之, 持丸 正明
    1997 年 33 巻 4 号 p. 261
    発行日: 1997/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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