人間工学
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34 巻, 2 号
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  • 大本 浩司, 鈴木 まや, 八木 昭宏
    1998 年 34 巻 2 号 p. 59-65
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本実験では, 単調作業が事象関連電位の一種である眼球停留関連電位へ及ぼす影響について検討した. 10名の被験者に, 5分のトラッキングと3分の主観評価からなるブロックを12回, 計96分間の単調な作業を課した. その作業前後に特定の刺激に対して眼を動かすサッケイド課題を課し, 眼球停留関連電位を求めた. 眼球停留関連電位は, サッケイド終了時点を基準にして脳波を加算平均することにより得られる. その結果, 時間経過に伴って, エラー数増大などの行動量と覚醒感, 集中感の低下, 倦怠感, 疲労感の増加などの主観量に変動が認められた. さらに, 単調作業前後のサッケイド課題時の眼球停留関連電位を比較した結果, 作業後には潜時が約100msの正の電位のピーク振幅の減少が認められた. 以上の結果から, VDT作業による精神作業負荷を評価する指標として眼球停留関連電位が有効であることが示唆された.
  • 末長 修
    1998 年 34 巻 2 号 p. 67-77
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    先の論文において, 力覚教示機能を有する能動操作器を用いた訓練システムを提案し, 初心者に対する習熟速度の改善などに有用であることを示した. そこで本研究では, まず能動操作器を用いる訓練効果を操作量および二次形式評価関数の重み要素から解析し, 被訓練者は能動操作器を介して教示される操作量を獲得することができることを確かめた. この結果に基づき, 習熟過程中に, 教示する操作量を初心者が行う操作量に近いものから習熟者に近いものへと変えた訓練を行った. その結果, 従来の習熟者の操作に近い操作量のみを教示した訓練よりも, 被訓練者にとって負担の小さな訓練が行われ, さらに良好な訓練を得ることができた. 最後に, 力覚教示されていた操作量を視覚情報に変換した訓練を行い, 力覚教示との比較検討を行った結果, 操作量を教示する場合, 力覚教示のほうがより訓練効果が得られることを示した.
  • 野中 壽子, 伊藤 晋彦, 三田 勝已, 矢部 京之助
    1998 年 34 巻 2 号 p. 79-87
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究では粘性抵抗に対する動的な筋収縮を等粘性収縮と名づけ, その運動力学的特性について等張性・等速性収縮と比較検討した. 実験では3種類の動的収縮を発生させるダイレクトドライブ・モーターと電子制御からなる負荷装置を開発し, 健常な成人男子8名による膝伸展動作時のトルクおよび関節角度変化を記録した. 等粘性収縮は等張性・等速性収縮と比較して, 運動範囲が広く, また急激な速度・トルク変化が起こらず滑らかな運動を遂行できる優れた様式であることが明らかにされた. こうした特徴を備えた等粘性収縮は障害者, 高齢者などの低筋力者のリハビリテーションやトレーニングに有効な, かつ安全な手段になると考える. しかし, 運動中に発生する加速度の影響は等張性収縮と同様に大きく, 動的な筋力評価に際してはその対策や補正が不可欠である.
  • 小林 秀明, 池浦 良淳, 猪岡 光
    1998 年 34 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本論文では, 腕の制御特性から操作性を評価する指標を定義した. 操作性指標は, 関節を制御する力である関節スティフネスと駆動トルクを用いた. 筋力を筋電位を用いて推定することで, 提案した指標の有効性を追従動作による実験により確かめた. その結果, カットオフ周波数が0.5Hzの比較的ゆっくりとした目標軌道に対する追従動作において, 関節スティフネスに基づいた指標の有効性が確認されたが, 駆動トルクに基づいた指標は操作性を評価するには適しなかった. また, 操作対象に動特性 (一次遅れ要素) がある場合においても, 関節スティフネスに基づいた指標が有効であることも確認された. よって, 関節スティフネスに基づいた操作性指標は, 比較的ゆっくりとした追従動作において有効であることが示された.
  • 神田 太樹, 長嶋 秀世
    1998 年 34 巻 2 号 p. 97-100
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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