人間工学
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35 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 久野 弘明, 安林 幹翁, 伊藤 正美, 鈴木 伸治, 赤滝 久美, 渡壁 誠, 三田 勝已
    1999 年 35 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究では, 二関節筋の影響を含め, 下肢の複数の関節にわたる可動域 (ROM) の幾何学的な表記法を考案した. また, そのROMの表記はマトリックス形式で数学的にも示され, それは単関節筋と二関節筋に起因するROMを分離して表現した. この方法はROMを系統的, 定量的に検査でき, 従来の臨床的なROM測定法のすべてを包含し, また, 重度の関節拘縮をもつ患者に対しても適用できる. 痙直型脳性麻痺患者 (SCP) を対象に, 写真分析法によって下肢関節角の測定を行い, 彼らのROMを本幾何学的方法によって評価した. SCP患者は関節可動域の減少を示し, それは関節軟部組織の拘縮, 単関節筋および二関節筋の短縮に起因するようであった. この症状は関節運動の廃用と生来の痙性から引き起こされたようである. これらの結果からも, 本幾何学的方法の必要性と有用性が明らかとなった.
  • 依田 光正, 塩田 泰仁
    1999 年 35 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究では, 人間同士のすれ違い行動における回避軌跡に基づいた回避領域を実験的に求めた. すれ違い行動軌跡の一般的な特性を知るために, 路上におけるすれ違い行動の実験を実施した. 実験はVTRで記録し, 動作軌跡を大きく3つの行動タイプに分類した. 最も出現頻度が高く回避領域抽出に適した行動タイプは, 被験者が実験者まで接近してから相手を避けて被験者の初期軌道に復帰する行動であった. この行動タイプの回避領域を求めるために実験室内におけるすれ違い行動の実験を実施して, 静止, 歩行および小走りしている実験者に対して歩行している被験者がすれ違う回避軌跡を分析した. 回避動作の特性として, 回避軌跡は懸垂線に最適に近似し, 歩行速度はほぼ一定であることを見いだした. さらに, 懸垂線の軌跡から回避領域を算出した. 実験結果から, 被験者が静止および歩行している実験者とすれ違う回避領域はほぼ等しいことを確認した.
  • (第3報) 体型差と衣服パターンとの関わり ―上半身―
    間壁 治子, 別府 美雪
    1999 年 35 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究は, 上半身における主成分分析で得られた体型分類に基づき, 体型別衣服パターンの有効性を検討することを目的とした.
    頸付根部より肩部にかけての適合度を検討するため, 肩下がり角度別3タイプ, 体型別3タイプ, 計9タイプの胴部パターンを設計, 実験衣を作製し, 試着テストを行った. 被計測者は, 若年成人女子262名 (年齢20~21歳) である.
    肩下がり角度を考慮することで262名中143名 (54.6%) の人に適合した. さらに体型別を加えることで全員に適合させることができた. また, 適合した実験衣別に被計測者の身体計測値から体型特徴をとらえるために必要な計測項目の裏付けができた. サイズ因子とともに体型をとらえることで, より快適で適合度の高い衣服パターン設計が可能であるといえよう.
  • 北村 薫子, 梁瀬 度子
    1999 年 35 巻 1 号 p. 25-33
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本報は, 内装材のテクスチャーを対象とした室内雰囲気評価に照明要因が及ぼす影響を明らかにすることを目的としている. 住宅居間の実物大模型室において, 天井中央からの拡散照明を用い, 昼白色と電球色の2種類の光色について, それぞれ650, 200, 65lxの照度を設定し, 評価実験を行った. その結果, 評価の因子構造として, 価値・力量感・質感・モダンさの4因子が析出され, 価値因子とモダンさ因子には照度, 力量感因子には光色の影響が強く, 質感因子には, 光色・照度どちらの影響もあることが明らかとなった. さらに, 照明の影響の度合いは, 表面に凹凸のあるものほど強い傾向が認められた. この理由として, 照度によって凹凸の見え方が変わり, それにともなって質感が変化することが考えられる. また, 光色によるテクスチャー全体の色味により, あたたかさ感とともにやわらかさ感が変化することが示唆された.
  • 山本 摂, 梅村 守
    1999 年 35 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    運動強度が変化した際に, 精神的疲労が受ける影響について検討した. 運動強度はATよりも低い強度の運動 (-20%AT, 身体疲労が生じない運動負荷レベル), AT, ATよりも高い強度の運動 (+20%AT, 身体疲労が生じる運動負荷レベル) の3種類を設定した. また精神的疲労の指標としては, 運動前後の加算作業の得点を評価した. 被験者は健常成人7名とした. 被験者は, それぞれの運動負荷レベルで1時間の運動を行い, 運動の前後に加算作業を行った. その結果, -20%ATでは運動によって精神的疲労は回復し, ATでは精神的疲労は増加し, +20%ATでは精神的疲労は変化しなかった. ATは身体的にはそれほど強く負担を感じず, 身体的な疲労感も少ない運動負荷レベルであるといわれている. 本研究の結果からは, ATレベルの運動であっても, 運動終了後に精神的疲労は増加する可能性が示唆されたため, 注意深く作業強度の設定を行う必要があると考えられる.
  • 堀尾 強
    1999 年 35 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    健康な男女大学生40名を対象に, 食品の温度が形態識別能と嗜好性にどのように影響するのかを調べた.
    テクスチャーの異なるカマボコ, トウフを用いて10℃, 36℃, 60℃のときの楕円柱と直方体の形態識別能を調べ, 比較した. 3点比較法による形態識別テストを行った. また, 温度の異なる食品の嗜好性については, 7段階評定尺度法による嗜好テストを行った.
    カマボコの楕円柱は, 10℃と60℃より36℃の識別能力がよく, トウフの楕円柱および直方体では, 60℃より36℃の識別能力が高かった. 嗜好度についてはカマボコの10℃, 36℃, 60℃の間では差がみられなかったのに対して, トウフでは10℃と60℃の嗜好尺度値が36℃の嗜好尺度値より高く, 好まれていた.
    以上より, 口腔内における食品形態識別能力が温度によって異なり, その能力と嗜好性は相関がないことが示唆された.
  • 三宅 晋司
    1999 年 35 巻 1 号 p. 47
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 平沢 尚毅
    1999 年 35 巻 1 号 p. 49-61
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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