足部の3次元形態を把握する有効な方法として, FFD法を提案しているが, 広範な足長範囲の多人数を対象にした解析は難しい. 本研究では, 3次元形態計測を行わずに, 簡易な計測項目からFFD法と同様の結果を推定する手法を開発した. 成人女子63名 (足長235±7mm) の足部をFFD法で分析した結果, 甲が高い足-甲が低い足, 前後方向のプロポーション, 足首の内側への倒れ, つま先形状の4つの尺度に従って形態が分布することがわかった. 成人女子204名 (足長213~260mm) の4つの尺度上の得点を, 内不踏長, ボール高など11項目から成る推定式により推定し, 3次元形態分布を調べた. この結果, 1) 足長サイズ22以下の足は甲が高い傾向が, 25以上の足は甲が低い傾向が強く, 2) 足囲サイズの小さい足は指が長く足首前後径の短い傾向で, 足囲サイズの大きい足は指が短く足首前後径の長い傾向があった. 多種類の靴型を用意するのではなく, サイズごとの形態特性に合わせて靴型を修正することで, 適合性を向上できることが示唆される.
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